吸涙鬼のごはんになりました。

黒咲ゆかり

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「吸涙鬼!?なんだそれはっ」

(初めから思っていたけど、
こいつ危険人物なんじゃないか?!)

「えーっとですねぇ。
僕の一族は代々人の涙を栄養として
取り入れないと死んでしまう…みたいなのがあって。僕はその一族の最後の吸涙鬼なんだ。」

「そっ、それで?
ぉっ、ぉ、俺の頬をなっ、舐めたのは…」

「食事…てきな?」

(てきな?じゃねぇぇーよ!)

「それに…俺、涙でない体質だったはずなんだけど」

「なにそれ、そんな体質の人いるんだぁ」

「まぁ、な…なんか気づいたら涙出なくなってたんだよなぁ」

「そっかぁ、でも、さっき高橋くんの涙が出たのは僕が居たせいだから、安心していいよっ。」

(安心できねーよ)

「なんで、お前がいると涙が出るんだよ。」

「それはねぇ…吸涙鬼は食事がしやすいように周りにいる対象を泣かせることが出来るんだよ~ドヤァ」

(ドヤァって…最低な能力だな)

「じゃあ、お前。俺をその対象にしたのかよっ」

「わぁぁ、違う違う
僕お腹すいちゃうと勝手に周りにいる人を泣かせちゃうみたいなんだ。」

「……ひどい話だな。」

「だよね…。だから、人の泣き顔はあんまり見たくないんだ。」

「とか言いながら、さっき俺の涙舐めてたじゃねーかよ。」

「あれはあれ、これはこれっと」

「うわぁっっ…」

何故か沖水にベットに押し倒される形になる。

舌先で味を確かめるように俺の頬を舐める。

「んっ…やめろっ…気持ち悪い。」

「だって…まだ…こんなおいしい。」

俺の頬を這い首筋までゆっくりと舐める。

「おいっ、そんなとこ…涙なんてないだろ。」

「いいやぁ?ちゃんとっ…んっ
おいしいよ?」

首筋をザラザラとした熱い舌が這い
ゾクゾクしてしまう。

「んっ…ぁっ……?!」

(なんだ…なんだ今の声…)

「うっわぁっ…えっちぃ声…ふっ」

「ふざけんなぁっ……っ
やめろっ沖水っ」

「ん~?やだっ…涙<るい>って呼んでくれたら…んっ…やめたげるっ」

「ひぁあっ…ん…る…い」

(ダメ…だっ…なんか変な感じにっ…)

「よく言えましたっ。ふふっ
はぁぁぁっ…おいしかったっ」

「はぁっ、はぁ、はぁ、はぁ…。」

(こいつと生活するなんて冗談じゃない!)

「あっ、そうだ、」

「はぁっ…今度はなんだよ」

「みずきって呼んでいい?」

「やめろ」

「いいじゃんっ…
あっ、そう言えばみずきちゃんの
泣き顔写真っ頂きました♡」

涙の持つスマホには
バッチリと俺の泣き顔がうつっていた?

「…………お前さぁ、これで俺を…
脅したり…とか…しないよな?」

「おぉ!それいい考えだね!」

「………しないよな?」

(しないよな!?)

「じゃあ、明日から。
みずきちゃんは僕のごはんねっ」
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