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おじいちゃんの家に着き、僕と妖精は、玄関のドアを開ける。
ガラガラ、おじいちゃん妖精連れてきたよと、声をかける。
おじいちゃんは、よく来たね、おあがりと妖精と僕に声をかける。
廊下を歩く。
ギシギシと音がなる。
いつも通り。
こたつに向かう。
妖精をこたつのテーブルの上に置く。
妖精は、キョロキョロと周りを確認し、何かを探しているようだ。
僕は、どうしたのと声をかける。
妖精は、舞はいないの?と問いかける。
僕は黙る。
沈黙になる。どう答えてあげれば、どう慰めてあげれば妖精にとっていい答えなのだろう。
舞は、もういない。
多分、帰って来る事はないのだろう。
舞は、ほかの人と幸せに暮らし毎日を楽しく過ごしているに違いない。
妖精は、舞はいないんだと肩を落とす。
舞と妖精がどういう風に今まで接して来たのか。
舞と妖精がどのような関係だったのかは、知らない。
僕は、ただの傍観者に過ぎない。あの日一日だけ。
彼女と妖精と関わっていただけなのだから。
色々と考え老けていた僕に、おじいちゃんが助けを出す。
舞はな。大切な人が出来たから、今幸せに暮らしているんじゃよ。と答える。
妖精は、舞は、幸せになれたんだと、笑顔になる。

妖精
舞は、毎日泣いていた。恋をしてはいけない人に恋をして、いけない事だとわかっていても、どうしても好きでたまらないと、後悔しているって。
私がいるから、まだ生きているんだよって。
私がいるから、まだ元気で生きていられて慰められているって。

おじいちゃん
あんたのおかげで、舞は自殺をすることをやめたんじゃ。
感謝している。
舞は、あの一番辛い時にあんたに会えてあんたに支えられて。
今も生きていけているんじゃ。
あんたのおかげで。本当、感謝している。
ありがとう

妖精
私が舞を支えることが出来て本当に良かった。
でも、舞は何で私を置いていったの?
私が邪魔だったのかな。
私に何か舞にしたかな?
舞は、私の友達じゃなかったのかな?
何でかな。何でいないの?
私の前から何で消えたの?何で?

と妖精は涙を流しながら最後に
私何かしたのかな?と肩を落としながら泣きじゃくる。

おじいちゃんも僕もなんて言っていいのかわからない。

舞が何故、妖精を置いていったのかなんて、舞にしかわからない。
妖精なんて、意味のわからない。未知の生物だから。
新しい彼が君悪がって、嫌われないようにする為か。
一緒にいたら都合の悪い理由があって、やむなく妖精をあの木の場所に置いていったのではないか。

僕は黙る、おじいちゃんも黙る。なんて声をかけていいのかわからないまま。

ただ妖精が泣き止むまでひたすら、時間をかける。

何故だろう。あんだけ仲の良かったのに舞は何故、妖精を置いていったのだろう。わからない。

僕は、何故か理解出来ないまま、時間だけが過ぎて行く。

愛を求め、愛を捨て。愛に焦がれ、愛を追いかけて。愛にすがる。
愛って一体なんなんだろう。
人を愛するって一体なんなんだろう。
こんな悲しい結末間違えていると僕は思った。
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