私消シゴム

竜海　昇空

文字の大きさ

大中小

4 / 11

日常

私の心に刻まれた深い傷

しおりを挟む

救急車の中、私はただ座っていた。ただ座って俯いていた。
隣には無残に横たわる彼女の姿

携帯が光るメールだ。死んだ彼女からだ
死ぬ前に時間差で送ったのだろう
冒頭にはわざわざ私の名前が書かれていた

〇〇くんへ

大好きで好きで好きで好きでたまらない私の〇〇くん
ずっとくんだけを見ていたの
なんで伝わらないんだろう。なんでだろう
私邪魔かな死んだ方がいいかな
邪魔だよね〇〇くん〇〇くん〇〇くん
好き、大好き、好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き
こんなに私が好きなのになんで違う子を好きになるの
まなみとなんでそんな仲良く話しているの。
私を無視するのに。
乗り換えたんだ。私邪魔になったからまなみに
どうして、どうして
私好きって言ったよね。
ずっと見ていたんだよ
ずっと〇〇くんを見ていたんだよ

一生恨んでやる。
一生消えない私というものを〇〇くんに刻みます

〇〇くんが好きだから、〇〇くんの目の前で死んで〇〇くんに刻むの私を
私が生きたこの世界の証を刻むの〇〇くんに

〇〇くんが好きだから

私の〇〇くんに、刻むの愛を私色で染め上げるの

私の血で

一緒に死のう〇〇くん。

必ずキャッチしてね〇〇くん。

私をキャッチしてよ。

2人で死のう

永遠に

私は、別にまりなとは部活の同僚で立ち話をしていただけなのだ。
そう私は、彼女を避けてはいたが振ってはいない
勘違いしたのだろう。

私は、消失感と絶望感、罪悪感で縛られた。
彼女が言う、愛によって刻まれた深い愛が呪いになって心が軋む

痛い心が胸が張り裂けそうだ

やってしまった。彼女に優しくすれば、彼女を理解していれば

サイコパスな部分に少しは引いたが私は彼女に居なくなって欲しくはなかったのだ

鬱陶しいくらいの眩し過ぎる太陽の笑顔で私を見つめ揶揄う彼女がいて欲しかった。

常に私の前にいる一点の光であって欲しかった

彼女は美人で人気もある。そんな学年一人気者な彼女が私の前に常にいたのだ。

こんな贅沢な話はなかった

だが、少し愛が重すぎた。彼女の愛が重すぎた。彼女の憎悪が重過ぎた。

救急車は病院につき、彼女と別れた

私は体に異常がない調べられた

精神がきていると診断された為

カウンセリングを受けるようになった。楽になれると精神薬も頂いた
カウンセリングは死体見てショックだっただのああだの言われたが違う
私は、彼女が死んだ。居なくなってしまった。罪悪感、消失感が
言えなかった
色々言われたが言えなかった
私は刻まれたのだ愛を

精神科の扉から出て私は、彼女が気になり死体安置室に向かった

しおりを挟む