13 / 90
第三章 王都ブラウダークにて
新しい家と生活術
しおりを挟む
(やっぱり、こうなるよね)
王都に到着したと同時に、ミリアたちは予想通りバラバラになってしまった。
そんな中、ミリアはというと、王都の入国管理官の一人に呼ばれて、新しく住む家へと案内されていた。
切り立った岩山を背に、堂々と聳え立つ王城を眼前に。
城に続く大通り沿いに建つ酒場や市場や広場などを次々と通り過ぎ、気付けば王城の裾にある森の近くまで来ていた。
そして、森の手前に伸びる、濃淡のある赤い煉瓦が敷かれた小道をずんずん進んでいくと。
その道の突き当りの左端の区画に、ミリアの新しい家はあった。
(あ、島の家より立派な家……)
赤い色の屋根の、黄色い煉瓦で出来た頑丈そうな家。
(まるで、絵本の中に出て来る家みたいに素敵な家……)
口をぽかんと開き、小さなかわいらしい家に見とれるミリアを前に。
入国管理官の男は、小さく咳払いし、注意を自分に向けさせてからこう言った。
「ここが、あなたの家です、ミリア・ヘイワードさん。住所は[スワンの森の裾野、二の三の二]。一応、この木のプレートにも書いてありますが、雨で消えてしまう場合もありますので、ご自身で控えて頂くのが良いでしょう。それと、庭の花壇ですが、花はもちろんですが、野菜も育てられます。科学技術で改良された土が入っていますから、野菜などは一週間もあれば、直ぐに収穫できるでしょう」
「えっ、いっ……一週間で、収穫?」
(嘘でしょ……)
ミリアは耳を疑った。
島では、それはそれは丹念に育てて、数か月後に初めて収穫に至る代物である。
(それが、一週間かそこらで出来るだなんて……)
ミリアは驚きの余り、言葉を失ってしまう。
そんな、驚きを隠せないミリアなど気にも留めず、入国管理官の男は更に話を続けてこう言った。
「作物の収穫が異常に早いのは、王都では当たり前の話です。慣れて下さい。それと、家の中の設備に関してですが。流し台があって、そこについている蛇口を捻ると水が出てきます」
「水が、ですか? い、井戸が家の中に?」
(家の中に井戸があるってどういう事なんだろう)
想像力が追い付かず、ミリアは何だか目が回ってくる。
そんなミリアなど、やはり全く気にする様子も無く。
入国管理官の男は、どんどん話を続けてこう言った。
「まあ、厳密には井戸ではないのですが。なので、島のように水をいちいち井戸まで汲みに行く必要はありません。それと、コンロも、わざわざ薪をくべたりして火を起こす必要はありません。コンロのつまみを捻れば火が付きます。薪をくべるのは冬の時期に使用する暖炉にだけです」
(つまみを捻るだけで、火が出る――?)
「は。そう、なんですか……」
とうとう、どう理解すればよいか分からず、ミリアは良く分からないまま取り敢えず頷いて見せる。
入国管理官の男は、理解不能に陥っているミリアを気の毒そうに見遣るものの、話のスピードは緩めることなくこう続ける。
「はい。そして、トイレと浴室に関してですが……まずトイレは家の中にある個室を使ってして頂きます。汚物は個室内にあるボタンを押せば自動で流れます。そして、浴室ですが……これは、街の中にある公衆浴場を使って頂きます。公衆とはいっても、男性用、女性用と別れていますので、ご安心を」
「は、はい」
(トイレは自動でお水が流れて、お風呂は……そういう大きい施設があるのね)
これは理解できた、と、胸を撫で下ろすミリア。
ミリアが理解したことを確認すると、入国管理官の男は、「次は特に大事なところです」と言って、それでもテキストを暗唱するかのように、淡々とこう言った。
「収入の得方ですが。まずは魚釣りで魚を釣って売ったり、香草や薬草、キノコ類、それに木の実などを集めて売るのがいいでしょう。買取は市場で行っていますので後で確認してみて下さい。ほかにも、店の店員として、または職人として、騎士として仕えたり、役人として働くという道もあります。どれでも好きな生き方をお選びください。あ、いい忘れましたが、自分で獲った魚や、自分で取った木の実や薬草、香草、キノコなどは自分の食料として食べて構いません。まあ、そんな決まりもあるので飢え死にするという事は、そう簡単には無いでしょう。ご安心ください」
(えっと、木の実とか香草、薬草なんかは食料やお金になるのね。あと魚釣りも。取り敢えず、これで私は生きていけそう……良かった)
「はい、分かりました」
ミリアが少し安心したところで。
入国管理官の男は、コホンと咳払いするとこう言った。
「それでは、ここまでで、何かご質問はありますか」
「い、いえ。特には」
(そう言われても、まだ良く分からないし……その時はもう、街の人に聞くしかないよね)
そう諦めにも似たため息を心の中で吐くと、ミリアは作り笑いを浮かべて見せる。
と、そんなミリアを少し気の毒そうに見遣ると、入国審査官の男は大きなため息と共にこう言った。
「ふむ……そうですか。では、一応入国マニュアルをお渡ししておきます。何か分からないことがあればこれを見て下さい。あと、こちらとこちらを」
「これは……」
森や山や砂浜や、王城や市場、公共浴場や港などの主要な場所が書き込まれた、カラフルな一枚の絵のようなものと、銀色の鍵がミリアに手渡される。
「それは、王都の地図とあなたの家の鍵です。二つとも、絶対に無くさないように」
そう言うと、入国管理官の男は仕事は終わったとばかりに身を翻す。
ミリアは思わず反射的にこう言った。
「お忙しい中、色々とありがとうございました」
そう言って律儀にも頭を下げるミリアに。
入国管理官は、少しばつが悪そうにこう言った。
「……それでは、良い一日を。ミリア・ヘイワードさん」
こうして。
たくさんの分からないことに満ちたミリアの王都での新生活は、これ以上の詳しい説明など一切無いまま、唐突に幕を開けるのであった。
王都に到着したと同時に、ミリアたちは予想通りバラバラになってしまった。
そんな中、ミリアはというと、王都の入国管理官の一人に呼ばれて、新しく住む家へと案内されていた。
切り立った岩山を背に、堂々と聳え立つ王城を眼前に。
城に続く大通り沿いに建つ酒場や市場や広場などを次々と通り過ぎ、気付けば王城の裾にある森の近くまで来ていた。
そして、森の手前に伸びる、濃淡のある赤い煉瓦が敷かれた小道をずんずん進んでいくと。
その道の突き当りの左端の区画に、ミリアの新しい家はあった。
(あ、島の家より立派な家……)
赤い色の屋根の、黄色い煉瓦で出来た頑丈そうな家。
(まるで、絵本の中に出て来る家みたいに素敵な家……)
口をぽかんと開き、小さなかわいらしい家に見とれるミリアを前に。
入国管理官の男は、小さく咳払いし、注意を自分に向けさせてからこう言った。
「ここが、あなたの家です、ミリア・ヘイワードさん。住所は[スワンの森の裾野、二の三の二]。一応、この木のプレートにも書いてありますが、雨で消えてしまう場合もありますので、ご自身で控えて頂くのが良いでしょう。それと、庭の花壇ですが、花はもちろんですが、野菜も育てられます。科学技術で改良された土が入っていますから、野菜などは一週間もあれば、直ぐに収穫できるでしょう」
「えっ、いっ……一週間で、収穫?」
(嘘でしょ……)
ミリアは耳を疑った。
島では、それはそれは丹念に育てて、数か月後に初めて収穫に至る代物である。
(それが、一週間かそこらで出来るだなんて……)
ミリアは驚きの余り、言葉を失ってしまう。
そんな、驚きを隠せないミリアなど気にも留めず、入国管理官の男は更に話を続けてこう言った。
「作物の収穫が異常に早いのは、王都では当たり前の話です。慣れて下さい。それと、家の中の設備に関してですが。流し台があって、そこについている蛇口を捻ると水が出てきます」
「水が、ですか? い、井戸が家の中に?」
(家の中に井戸があるってどういう事なんだろう)
想像力が追い付かず、ミリアは何だか目が回ってくる。
そんなミリアなど、やはり全く気にする様子も無く。
入国管理官の男は、どんどん話を続けてこう言った。
「まあ、厳密には井戸ではないのですが。なので、島のように水をいちいち井戸まで汲みに行く必要はありません。それと、コンロも、わざわざ薪をくべたりして火を起こす必要はありません。コンロのつまみを捻れば火が付きます。薪をくべるのは冬の時期に使用する暖炉にだけです」
(つまみを捻るだけで、火が出る――?)
「は。そう、なんですか……」
とうとう、どう理解すればよいか分からず、ミリアは良く分からないまま取り敢えず頷いて見せる。
入国管理官の男は、理解不能に陥っているミリアを気の毒そうに見遣るものの、話のスピードは緩めることなくこう続ける。
「はい。そして、トイレと浴室に関してですが……まずトイレは家の中にある個室を使ってして頂きます。汚物は個室内にあるボタンを押せば自動で流れます。そして、浴室ですが……これは、街の中にある公衆浴場を使って頂きます。公衆とはいっても、男性用、女性用と別れていますので、ご安心を」
「は、はい」
(トイレは自動でお水が流れて、お風呂は……そういう大きい施設があるのね)
これは理解できた、と、胸を撫で下ろすミリア。
ミリアが理解したことを確認すると、入国管理官の男は、「次は特に大事なところです」と言って、それでもテキストを暗唱するかのように、淡々とこう言った。
「収入の得方ですが。まずは魚釣りで魚を釣って売ったり、香草や薬草、キノコ類、それに木の実などを集めて売るのがいいでしょう。買取は市場で行っていますので後で確認してみて下さい。ほかにも、店の店員として、または職人として、騎士として仕えたり、役人として働くという道もあります。どれでも好きな生き方をお選びください。あ、いい忘れましたが、自分で獲った魚や、自分で取った木の実や薬草、香草、キノコなどは自分の食料として食べて構いません。まあ、そんな決まりもあるので飢え死にするという事は、そう簡単には無いでしょう。ご安心ください」
(えっと、木の実とか香草、薬草なんかは食料やお金になるのね。あと魚釣りも。取り敢えず、これで私は生きていけそう……良かった)
「はい、分かりました」
ミリアが少し安心したところで。
入国管理官の男は、コホンと咳払いするとこう言った。
「それでは、ここまでで、何かご質問はありますか」
「い、いえ。特には」
(そう言われても、まだ良く分からないし……その時はもう、街の人に聞くしかないよね)
そう諦めにも似たため息を心の中で吐くと、ミリアは作り笑いを浮かべて見せる。
と、そんなミリアを少し気の毒そうに見遣ると、入国審査官の男は大きなため息と共にこう言った。
「ふむ……そうですか。では、一応入国マニュアルをお渡ししておきます。何か分からないことがあればこれを見て下さい。あと、こちらとこちらを」
「これは……」
森や山や砂浜や、王城や市場、公共浴場や港などの主要な場所が書き込まれた、カラフルな一枚の絵のようなものと、銀色の鍵がミリアに手渡される。
「それは、王都の地図とあなたの家の鍵です。二つとも、絶対に無くさないように」
そう言うと、入国管理官の男は仕事は終わったとばかりに身を翻す。
ミリアは思わず反射的にこう言った。
「お忙しい中、色々とありがとうございました」
そう言って律儀にも頭を下げるミリアに。
入国管理官は、少しばつが悪そうにこう言った。
「……それでは、良い一日を。ミリア・ヘイワードさん」
こうして。
たくさんの分からないことに満ちたミリアの王都での新生活は、これ以上の詳しい説明など一切無いまま、唐突に幕を開けるのであった。
2
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
とべない天狗とひなの旅
ちはやれいめい
歴史・時代
人間嫌いで悪行の限りを尽してきた天狗、フェノエレーゼ。
主君サルタヒコの怒りを買い、翼を封じられ人里に落とされてしまう。
「心から人間に寄り添い助けろ。これ以上悪さをすると天狗に戻れなくなるぞ」
とべなくなったフェノエレーゼの事情を知って、人里の童女ヒナが、旅についてきた。
人間嫌いの偏屈天狗と、天真爛漫な幼女。
翼を取り戻すため善行を積む旅、はじまりはじまり。
絵・文 ちはやれいめい
https://mypage.syosetu.com/487329/
フェノエレーゼデザイン トトさん
https://mypage.syosetu.com/432625/
金色の庭を越えて。
碧野葉菜
青春
大物政治家の娘、才色兼備な岸本あゆら。その輝かしい青春時代は、有名外科医の息子、帝清志郎のショッキングな場面に遭遇したことで砕け散る。
人生の岐路に立たされたあゆらに味方をしたのは、極道の息子、野間口志鬼だった。
親友の無念を晴らすため捜査に乗り出す二人だが、清志郎の背景には恐るべき闇の壁があった——。
軽薄そうに見え一途で逞しい志鬼と、気が強いが品性溢れる優しいあゆら。二人は身分の差を越え強く惹かれ合うが…
親が与える子への影響、思春期の歪み。
汚れた大人に挑む、少年少女の青春サスペンスラブストーリー。
心の落とし物
緋色刹那
ライト文芸
・完結済み(2024/10/12)。また書きたくなったら、番外編として投稿するかも
・第4回、第5回ライト文芸大賞にて奨励賞をいただきました!!✌︎('ω'✌︎ )✌︎('ω'✌︎ )
〈本作の楽しみ方〉
本作は読む喫茶店です。順に読んでもいいし、興味を持ったタイトルや季節から読んでもオッケーです。
知らない人、知らない設定が出てきて不安になるかもしれませんが、喫茶店の常連さんのようなものなので、雰囲気を楽しんでください(一応説明↓)。
〈あらすじ〉
〈心の落とし物〉はありませんか?
どこかに失くした物、ずっと探している人、過去の後悔、忘れていた夢。
あなたは忘れているつもりでも、心があなたの代わりに探し続けているかもしれません……。
喫茶店LAMP(ランプ)の店長、添野由良(そえのゆら)は、人の未練が具現化した幻〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉と、それを探す生き霊〈探し人(さがしびと)〉に気づきやすい体質。
ある夏の日、由良は店の前を何度も通る男性に目を止め、声をかける。男性は数年前に移転した古本屋を探していて……。
懐かしくも切ない、過去の未練に魅せられる。
〈主人公と作中用語〉
・添野由良(そえのゆら)
洋燈町にある喫茶店LAMP(ランプ)の店長。〈心の落とし物〉や〈探し人〉に気づきやすい体質。
・〈心の落とし物(こころのおとしもの)〉
人の未練が具現化した幻。あるいは、未練そのもの。
・〈探し人(さがしびと)〉
〈心の落とし物〉を探す生き霊で、落とし主。当人に代わって、〈心の落とし物〉を探している。
・〈未練溜まり(みれんだまり)〉
忘れられた〈心の落とし物〉が行き着く場所。
・〈分け御霊(わけみたま)〉
生者の後悔や未練が物に宿り、具現化した者。込められた念が強ければ強いほど、人のように自由意志を持つ。いわゆる付喪神に近い。
ただの期間限定魔王なので、ケモ耳イケオジ護衛は必須です
佐崎咲
ファンタジー
『魔王』の求人が街中に貼り出されているとは誰が思うだろうか。
高校を卒業したばかりで短期バイトを探していた珠美は、不思議な求人に足を止めた。
ただそれだけなのに、あれよあれよと異世界に落とされてしまう。
期間限定の、代理魔王として。
気付いたら幼児化しているし、目の前にはワイルドなイケオジ。ただしケモ耳。
最強だという魔法は使ってみたら取り扱い注意な代物なうえに、歴代魔王の日記からその代償を知ってしまった。
珠美は長年魔王の強力な魔法に頼りきっていたこの国を、変えることを決意する。
とは言っても、チートな魔法は封印せざるをえないし、
お城にお金がないと言っても、元の世界の知識を活かして商品開発とかもできないし(便利で欲しいものはあっても作り方わからん)、
国のトップの魔王だからスローライフなんてしてられない。
珠美はこの世界で自分ができることを試行錯誤しながら模索していく。
=============================
長くなりましたので、以下、各章のみどころ?です。
第一章 ケモ耳イケオジ護衛
第二章 魔王の正体
第三章 国の改革試行錯誤の末に
第四章 珠美の復活と恋愛ターン始まります
第五章 最終章
エピローグ ニートな珠美の就活
おまけ
※無断転載・複写はお断りいたします。
みにくい男の人魚のはなし
谷 亜里砂
ファンタジー
【一話につき700~1200字程度】
【完結保証】
みにくい男の人魚、名前はグリン。
気楽に生きてきた彼だが、健康状態の不安が勃発する。
背中に海藻が生えていたのだ!
グリンは医療を受けるべく、すみかを出て旅に出る。
めざすは高名とどろく医師・ナンデモミル。
グリンはナンデモミルに診てもらうことができるのか……?
心霊探偵はエレガントに〜karma〜
明智 颯茄
ファンタジー
探偵と刑事の物語は数あれど、これは心霊現象の事件簿――
神が与えし特殊能力――千里眼を持つ崇剛(すがた) ラハイアットは、街を一望できる高台のベルダージュ荘に執事たちや様々な存在とともに優雅な暮らしを送っている。
医者のいない時代で、スピリチュアルなものに治療を求め、崇剛のもとを訪れる患者があとを絶たず、別名――祓いの館とも呼ばれていた。
そんなある夕方、屋敷の玄関へ白い着物を着た霊がやって来て……。
心霊刑事――国立 彰彦と協力して捜査が始まるが、事件は思ってもみない結末へとたどり着く――
(BL要素が少しだけ入っています)
*この作品は、小説家になろう、エブリスタ、LINEノベルにも掲載されています。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる