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第三章 生きることの罪
守るべきもの
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ダニーとルイーズが部屋を後にしてから数時間後の夕方――。
「おう。どうだぁ、調子は」
オレンジ色の夕焼けの光を浴びながら、エフェルローンの病室の扉をノックもせずに開けて入ってきたのは、現在ぼっち休暇を鋭意消化中の先輩、ユーイングだった。
(ダニーから、先輩は昨夜、ずっと会議や会合に参加していたって聞いてたけど。今日は暇なのか――?)
そんなエフェルローンの心の声など完璧に無視し。
ユーイングは、充血した目でエフェルローンの傷口をじっと見つめると、眉を顰めてこう言った。
「随分と、ねちっこい奴にやられたみたいだな。ダニーから聞いたぞ」
「ユーイング先輩……忙しい所、わざわざすみません」
そう言って、心底恐縮するエフェルローンに。
ユーイングはひらひらと片手を振ると、エフェルローンのベッドの横に無造作に置かれていた椅子にひょいと腰かける。
そして、再度まじまじと傷口を見つめると、ため息と共に腕組みをしつつこう言った。
「一度ばかりか、二度、三度までもか。もう、恨みというよりは狂気すら感じるなぁ、おい。それにしてもお前……良くそんな中、正気でいられたな」
そう素直な感想を漏らすユーイングに。
エフェルローンはふっと黙り込むと、十数時間前の記憶を手繰り寄せつつこう言った。
「ええ、自分でも不思議に思います。ほんと……何であんなことが出来たのか」
そう言って、またふっと黙り込むエフェルローンを心配そうに眺め遣ると。
ユーイングは、話を切り替える様にこう言った。
「で、治療はもういいのか?」
「はい。一応、明日には退院出来るそうです。何でも、魔法医師が三人がかりで止血の処置をしてくれたらしくて。後は、人工血液を使ったり。そんなこともあって、あまり無理は出来ない感じではあるんですけど。でも、何とか生きてますよ。まぁ、いっそのこと、死んでしまっていた方が自分的には楽だったのかも知れませんけど」
そう言って、皮肉に嗤うエフェルローンを。
ユーイングは困ったように眺め遣ると、それでも誇らしげにこう言った。
「あのね、そう言う言い方はするもんじゃないよ、エフェル。でもさっすが、俺の後輩。しぶとくていいねぇ」
「どう、なんですかね」
(また、生き延びてしまって……)
何処までもプラス思考の陽気な先輩を前に。
エフェルローンはそう言って卑屈に嗤う。
そんな卑屈、且つ、後ろ向きな後輩を前に。
ユーイングは深いため息をひとつ吐くと、敢えて尋ねてこう言った。
「おいおい、どうした後輩。なんかあったか?」
両手を組み、顎を乗せ俯く、胡坐スタイルのエフェルローンを前に。
ユーイングは心に深い傷を負っているであろう後輩を心配し、ただ黙ってエフェルローンが話し出すのを待ち続けるのだった――。
※ ※ ※
それから一体、どのぐらいの時が過ぎただろうか。
赤く燃えるような夕日は形を潜め、夜の闇が幾重にも帳を下ろし始めた頃――。
魔法により自動で灯った蝋燭の頼りない明かりの下、エフェルローンはゆっくりと、自分の心の中にあったしこりを吐き出し始める。
「先輩は、生きてることの意味って考えたことありますか」
その重い問いかけに。
ユーイングは両手を膝の上に組むと、少し考える素振りを見せつつこう言った。
「生きていることの意味、ねぇ。お前には一笑に付されそうだが、俺の人生の命題が、まさにそれだ。まあ、俺の仕事は人殺したり、殺されそうになったり……下手すりゃ半分死にかけたりすような仕事だからな。そういうことを考えない奴の方がおかしいのかもって話だ。酷いときは走馬灯だって見えるしよ……」
そう言って、不愉快そうに顔を顰めるユーイングに。
エフェルローンは、慎重に言葉を選ひながらこう言った。
「それなのに、先輩は……どうしてそんな風に生きていられるんですか」
――そんな、平気そうな顔して、しかも楽しそうに。
(俺は……先輩のような殺し、殺されるだけの人生なんて、とても耐えられそうにない)
そう言って、心の中で嗤うエフェルローンを知ってか知らずか。
ユーイングは、下手に見えて、だが、挑戦的な質問をしてくる後輩を困ったように見つめると。
それでも、穏やかな笑みを浮かべつつ真摯に努めてこう言った。
「そうだなぁ、俺がこうやって生きてんのは、まあベタだけど、血の繋がった家族がいるからかねぇ。それと、部下とか同僚とか隊長とか……まあ、軍もある意味家族みたいなもんだしな。そいつらがいる限り、俺は死にたくても死ねないってな」
(死にたくても、死ねない、か……)
そう言って苦笑いするユーイングを、エフェルローンは眩しそうに見遣ると、視線を下に落としこう言った。
「……強いですね、先輩は」
(俺がこの人を苦手なのは、本当の強さを持っているからだ。硬くても、一度ひびが入れば直ぐに折れてしまう俺とは全く正反対の、葦のようにしなやかで、折れない強さを持つ人だから。だから俺はこの人が、羨ましくて、妬ましくて、眩しくて……憎らしい)
そう背中を丸め、体を固くするエフェルローンに。
ユーイングはため息をひとつ吐くと、力なく苦笑しながらこう言った。
「何も、俺は強かねぇよ。ただ、周りの奴らの存在に生かされてるってだけさ。そして俺の存在もまた、周りの誰かを生かしてるかもってな。例えば、お前とか……」
「……俺、ですか。でも俺は無理ですよ、先輩を支えるなんて……そんな力も、資格もありませんから」
(先輩が俺を支えていて、俺も先輩を支えている……? ハッ、馬鹿げてる。俺は世界でも指折りの最弱魔術師だ。同僚や上司から疎まれるだけの何の役にも立たない屑だ。そんな人間が、将来を約束されている先輩を支える? あり得ない……)
そう心の中で鼻で笑い飛ばし、内に内にと籠ろうとするエフェルローンに。
ユーイングは、「どうしたものか」と頭をかくと、ため息をひとつ吐き、心を決めた様にこう言った。
「あのな……俺も、ダニーもルイーズちゃんも、リアさんも、お前を支えていて、お前に支えられて辛うじて生きてるんだ。だから、『こいつは魔術に長けてるから強くて頼りになる奴だ』とか、『魔力が乏しいからこいつは頼りにならないダメな奴だ』とか……結局のところ、才能とか業の技量だけで、本当の強さや信頼ってのは測れるもんじゃないと、俺は思ってる。その証拠と言っては何だが……俺が実際、戦場で戦っていて感じるのは、本当に強い奴ってのは、才能とか技量がある奴じゃなくて、『守るものが多い奴』だってことだ。そういう奴ほど、しつこくて、粘り強くて……。挙句、憎らしいぐらい格好よく見えるから、腹が立ったりしてな。だってよ、追い詰めている俺の方が、まるで悪人みたいに思えてくるんだぜ? ……ったく、やってらんねぇっての」
そう言って、下唇を突き出しむくれるユーイングに。
エフェルローンは思わず苦笑する。
そんなエフェルローンをホッとしたように見遣ると、ユーイングは真面目な顔でこう話を結ぶ。
「強くなりたいなら守るべきものを増やせ、エフェル。それは、決してお前の弱点にはならない。逆にそれこそが、人を……お前を強くする一番の肝だと、俺は思う」
そんな、ユーイングの熱の籠った言葉の数々に。
エフェルローンの目頭は熱くなり、頭は自然と下に下がっていく。
「先輩、色々と……」
(すみませんでした。ほんと、不甲斐ない後輩で……)
そう心の中でも深々と頭を下げるエフェルローンに。
何を思ったか、ユーイングは突然「閃いた」というように指を鳴らすと、「これは名案だ」と云わんばかりに瞳を輝かせ、身を乗り出してこう言い放った。
「なあ、取り敢えず、彼女でも作ってみたらどうだ、エフェル。そうすりゃ守るものも出来て強くもなれて、一挙両得ってなぁ!」
「は……?」
その余りに無配慮な、且つ、不毛な提案に。
エフェルローンは片方の眉をひくひくとひくつかせると、呆れ果てた様にこう言った。
「……見た目が子供のこの俺に、それを言いますか、先輩」
(この人、頭の中に思考ってものがちゃんとあるのか……?)
ユーイングの、あまりに稚拙で無責任な発言に。
今までの感動と感謝の念が全て吹っ飛んでしまったエフェルローンの心には、もはや、殺人的な憤りしか湧き上がってはこない。
(俺の感動を、感謝を、涙を……貴重な時間を、返せ、返してくれ――!)
そんな、怒りに唇を震わせるエフェルローンの、今にも射殺さんばかりの冷たい視線に。
ユーイングは冷や汗を拭い、苦し紛れにこう宣った。
「……幼女、とか……どうよ? 巷じゃ、そんなような娯楽小説が流行ってるらしいって、ダニーが言っ……」
「一回死にましょうか? 先輩……」
薄く嗤い、且つ、指をバキバキと鳴らし、もはや手の付けられない程に怒り心頭なエフェルローンに。
ユーイングは、「まいりました」とばかりに叫んで言った。
「わ、悪い、悪かった、エフェル! 俺の配慮が足りなかった! くぅーっ! せっかく後輩に良い所見せようと頑張ったのによぉー! 最後の最後で下手打っちまったよぉー! 馬鹿、馬鹿、俺の馬鹿野郎ーっ!」
そう言って、大袈裟に悔しがるユーイングを。
「はぁ……」
エフェルローンは大きなため息と共に、冷めた目で見遣るのであった。
「おう。どうだぁ、調子は」
オレンジ色の夕焼けの光を浴びながら、エフェルローンの病室の扉をノックもせずに開けて入ってきたのは、現在ぼっち休暇を鋭意消化中の先輩、ユーイングだった。
(ダニーから、先輩は昨夜、ずっと会議や会合に参加していたって聞いてたけど。今日は暇なのか――?)
そんなエフェルローンの心の声など完璧に無視し。
ユーイングは、充血した目でエフェルローンの傷口をじっと見つめると、眉を顰めてこう言った。
「随分と、ねちっこい奴にやられたみたいだな。ダニーから聞いたぞ」
「ユーイング先輩……忙しい所、わざわざすみません」
そう言って、心底恐縮するエフェルローンに。
ユーイングはひらひらと片手を振ると、エフェルローンのベッドの横に無造作に置かれていた椅子にひょいと腰かける。
そして、再度まじまじと傷口を見つめると、ため息と共に腕組みをしつつこう言った。
「一度ばかりか、二度、三度までもか。もう、恨みというよりは狂気すら感じるなぁ、おい。それにしてもお前……良くそんな中、正気でいられたな」
そう素直な感想を漏らすユーイングに。
エフェルローンはふっと黙り込むと、十数時間前の記憶を手繰り寄せつつこう言った。
「ええ、自分でも不思議に思います。ほんと……何であんなことが出来たのか」
そう言って、またふっと黙り込むエフェルローンを心配そうに眺め遣ると。
ユーイングは、話を切り替える様にこう言った。
「で、治療はもういいのか?」
「はい。一応、明日には退院出来るそうです。何でも、魔法医師が三人がかりで止血の処置をしてくれたらしくて。後は、人工血液を使ったり。そんなこともあって、あまり無理は出来ない感じではあるんですけど。でも、何とか生きてますよ。まぁ、いっそのこと、死んでしまっていた方が自分的には楽だったのかも知れませんけど」
そう言って、皮肉に嗤うエフェルローンを。
ユーイングは困ったように眺め遣ると、それでも誇らしげにこう言った。
「あのね、そう言う言い方はするもんじゃないよ、エフェル。でもさっすが、俺の後輩。しぶとくていいねぇ」
「どう、なんですかね」
(また、生き延びてしまって……)
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エフェルローンはそう言って卑屈に嗤う。
そんな卑屈、且つ、後ろ向きな後輩を前に。
ユーイングは深いため息をひとつ吐くと、敢えて尋ねてこう言った。
「おいおい、どうした後輩。なんかあったか?」
両手を組み、顎を乗せ俯く、胡坐スタイルのエフェルローンを前に。
ユーイングは心に深い傷を負っているであろう後輩を心配し、ただ黙ってエフェルローンが話し出すのを待ち続けるのだった――。
※ ※ ※
それから一体、どのぐらいの時が過ぎただろうか。
赤く燃えるような夕日は形を潜め、夜の闇が幾重にも帳を下ろし始めた頃――。
魔法により自動で灯った蝋燭の頼りない明かりの下、エフェルローンはゆっくりと、自分の心の中にあったしこりを吐き出し始める。
「先輩は、生きてることの意味って考えたことありますか」
その重い問いかけに。
ユーイングは両手を膝の上に組むと、少し考える素振りを見せつつこう言った。
「生きていることの意味、ねぇ。お前には一笑に付されそうだが、俺の人生の命題が、まさにそれだ。まあ、俺の仕事は人殺したり、殺されそうになったり……下手すりゃ半分死にかけたりすような仕事だからな。そういうことを考えない奴の方がおかしいのかもって話だ。酷いときは走馬灯だって見えるしよ……」
そう言って、不愉快そうに顔を顰めるユーイングに。
エフェルローンは、慎重に言葉を選ひながらこう言った。
「それなのに、先輩は……どうしてそんな風に生きていられるんですか」
――そんな、平気そうな顔して、しかも楽しそうに。
(俺は……先輩のような殺し、殺されるだけの人生なんて、とても耐えられそうにない)
そう言って、心の中で嗤うエフェルローンを知ってか知らずか。
ユーイングは、下手に見えて、だが、挑戦的な質問をしてくる後輩を困ったように見つめると。
それでも、穏やかな笑みを浮かべつつ真摯に努めてこう言った。
「そうだなぁ、俺がこうやって生きてんのは、まあベタだけど、血の繋がった家族がいるからかねぇ。それと、部下とか同僚とか隊長とか……まあ、軍もある意味家族みたいなもんだしな。そいつらがいる限り、俺は死にたくても死ねないってな」
(死にたくても、死ねない、か……)
そう言って苦笑いするユーイングを、エフェルローンは眩しそうに見遣ると、視線を下に落としこう言った。
「……強いですね、先輩は」
(俺がこの人を苦手なのは、本当の強さを持っているからだ。硬くても、一度ひびが入れば直ぐに折れてしまう俺とは全く正反対の、葦のようにしなやかで、折れない強さを持つ人だから。だから俺はこの人が、羨ましくて、妬ましくて、眩しくて……憎らしい)
そう背中を丸め、体を固くするエフェルローンに。
ユーイングはため息をひとつ吐くと、力なく苦笑しながらこう言った。
「何も、俺は強かねぇよ。ただ、周りの奴らの存在に生かされてるってだけさ。そして俺の存在もまた、周りの誰かを生かしてるかもってな。例えば、お前とか……」
「……俺、ですか。でも俺は無理ですよ、先輩を支えるなんて……そんな力も、資格もありませんから」
(先輩が俺を支えていて、俺も先輩を支えている……? ハッ、馬鹿げてる。俺は世界でも指折りの最弱魔術師だ。同僚や上司から疎まれるだけの何の役にも立たない屑だ。そんな人間が、将来を約束されている先輩を支える? あり得ない……)
そう心の中で鼻で笑い飛ばし、内に内にと籠ろうとするエフェルローンに。
ユーイングは、「どうしたものか」と頭をかくと、ため息をひとつ吐き、心を決めた様にこう言った。
「あのな……俺も、ダニーもルイーズちゃんも、リアさんも、お前を支えていて、お前に支えられて辛うじて生きてるんだ。だから、『こいつは魔術に長けてるから強くて頼りになる奴だ』とか、『魔力が乏しいからこいつは頼りにならないダメな奴だ』とか……結局のところ、才能とか業の技量だけで、本当の強さや信頼ってのは測れるもんじゃないと、俺は思ってる。その証拠と言っては何だが……俺が実際、戦場で戦っていて感じるのは、本当に強い奴ってのは、才能とか技量がある奴じゃなくて、『守るものが多い奴』だってことだ。そういう奴ほど、しつこくて、粘り強くて……。挙句、憎らしいぐらい格好よく見えるから、腹が立ったりしてな。だってよ、追い詰めている俺の方が、まるで悪人みたいに思えてくるんだぜ? ……ったく、やってらんねぇっての」
そう言って、下唇を突き出しむくれるユーイングに。
エフェルローンは思わず苦笑する。
そんなエフェルローンをホッとしたように見遣ると、ユーイングは真面目な顔でこう話を結ぶ。
「強くなりたいなら守るべきものを増やせ、エフェル。それは、決してお前の弱点にはならない。逆にそれこそが、人を……お前を強くする一番の肝だと、俺は思う」
そんな、ユーイングの熱の籠った言葉の数々に。
エフェルローンの目頭は熱くなり、頭は自然と下に下がっていく。
「先輩、色々と……」
(すみませんでした。ほんと、不甲斐ない後輩で……)
そう心の中でも深々と頭を下げるエフェルローンに。
何を思ったか、ユーイングは突然「閃いた」というように指を鳴らすと、「これは名案だ」と云わんばかりに瞳を輝かせ、身を乗り出してこう言い放った。
「なあ、取り敢えず、彼女でも作ってみたらどうだ、エフェル。そうすりゃ守るものも出来て強くもなれて、一挙両得ってなぁ!」
「は……?」
その余りに無配慮な、且つ、不毛な提案に。
エフェルローンは片方の眉をひくひくとひくつかせると、呆れ果てた様にこう言った。
「……見た目が子供のこの俺に、それを言いますか、先輩」
(この人、頭の中に思考ってものがちゃんとあるのか……?)
ユーイングの、あまりに稚拙で無責任な発言に。
今までの感動と感謝の念が全て吹っ飛んでしまったエフェルローンの心には、もはや、殺人的な憤りしか湧き上がってはこない。
(俺の感動を、感謝を、涙を……貴重な時間を、返せ、返してくれ――!)
そんな、怒りに唇を震わせるエフェルローンの、今にも射殺さんばかりの冷たい視線に。
ユーイングは冷や汗を拭い、苦し紛れにこう宣った。
「……幼女、とか……どうよ? 巷じゃ、そんなような娯楽小説が流行ってるらしいって、ダニーが言っ……」
「一回死にましょうか? 先輩……」
薄く嗤い、且つ、指をバキバキと鳴らし、もはや手の付けられない程に怒り心頭なエフェルローンに。
ユーイングは、「まいりました」とばかりに叫んで言った。
「わ、悪い、悪かった、エフェル! 俺の配慮が足りなかった! くぅーっ! せっかく後輩に良い所見せようと頑張ったのによぉー! 最後の最後で下手打っちまったよぉー! 馬鹿、馬鹿、俺の馬鹿野郎ーっ!」
そう言って、大袈裟に悔しがるユーイングを。
「はぁ……」
エフェルローンは大きなため息と共に、冷めた目で見遣るのであった。
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