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第三章 生きることの罪
過激派人権組織:べトフォードの涙
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「先輩、本当に良かった……」
そう言うと、ダニーはホッとしたように肩を落とした。
「傷、痛みます?」
スイーズも、エフェルローンの首元の傷を酷く気にしながらそう言う。
昨夜から半日ほど経った午後十二刻頃――。
エフェルローンに王立病院まで付き添ったダニーと、朝早くダニーからエフェルローンの容態を知らさせたルイーズは、エフェルローンに意識が戻り、話も出来るようになったことを聞き付け、早速、見舞いに駆けつけていた。
酷く心配そうに顔を覗き込む二人に。
エフェルローンは眉間に眉を顰めると、「あまり騒いでくれるな」というようにこう言った。
「傷跡は少し痛々しいが、もう痛みはほとんど無い。大丈夫だ」
そう言って二人を落ち着かせ、エフェルローンはベッドから起き上がると、枕をクッション代わりに、その背もたれに体を預ける。
それを確認すると、ダニーは「早速」というように、声を潜めてこう言った。
「さっき、憲兵庁の人から聞いたんですけど。襲撃者は[べトフォードの涙]の連中だって言ってました。先輩を襲ったのも、やっぱり[べトフォードの涙]……」
「ああ、本人がそう言ってた」
(あまり、思い出したくはない記憶だが……)
記憶を手繰り、眉間に皺を寄せながらそう答えるエフェルローン。
そんなエフェルローンの言葉に深く頷くこと、一回。
ダニーは、やはり「解せない」とでも言うようにこう言った。
「それにしても、[べトフォードの涙]は何処で日記の存在を知ったんでしょうね。しかも、先輩が持っているなんてことまで」
「だよな……」
(出回っていないはずの情報が、なぜ[べトフォードの涙]に伝わっているのか――)
誰が、何のために日記の在処をリークしたのか。
エフェルローンは、顎に片手を当てて宙を睨んだ。
(バックランド候とキースリーが共謀して、日記の消滅に本腰を入れ始めたか。その場合、キースリーが実行隊として動くのだろうが、奴にも伯爵としての公的な立場がある。過激派組織として名高い[べトフォードの涙]との繋がりをわざわざ作って、新聞記者たちの餌食にはなりたくないだろう。じゃあ一体、誰を使って犯行を唆した――?)
そう考えに沈んでいるエフェルローンに、ダニーが考えあぐねる様にこう言った。
「例えば、アダムくんが世間に真実を広める為に、[べトフォードの涙]の誰かと接触を図っていた、とか。あの亡くなった新聞記者みたいな人に……」
そう言って、ふと考え込むダニーに。
エフェルローンは大きくかぶりを振るとこう言った。
「いや、アダムは慎重な男だ。一度、[べトフォードの涙]の熱心な活動家だった新聞記者のグラハム・エイブリーに接触して、奴をバックランド候の息のかかった者に殺されている経緯がある。それはまず無いだろう」
「そうですよね」
そう言って、「うーん」と唸るダニー。
そんなダニーをちらりと見ると、ルイーズが遠慮がちにこう言った。
「あのぅ……やっぱり、暗殺者を送り込んで来るバックランド候とか、そのバックランド候を義父に持つキースリーとかじゃないですかね。なんか一番怪しくて、怪しくなさそうでいて、一番怪しい気がします……」
目を眇め、憎たらしそうにそう言うルイーズに。
エフェルローンは大きく頷くとこう言った。
「……だろうな。当たりを付けるとするなら、今はそこが一番妥当だ」
「よし!」
ガッツポーズを作るルイーズを呆れた様に見遣ると、エフェルローンは思考を元に戻すと「まいったな」というようにこう言った。
「それにしても、やりにくくなるな」
その言葉に、ダニーが頷きながらこういう。
「確かに。[バックランド候]に[キースリー長官]それに、[べトフォードの涙]……敵が多すぎますね」
そう言ってため息交じりに腕を組むダニーと、無言で頷くルイーズを交互に見遣ると。
(説得するなら今、か――)
エフェルローンは心の中でそう決断を下すと、[べトフォードの涙]の襲撃の時から思っていたことを口に出してこう言った。
「なあ、改めて言うが。俺がこうなった以上、お前たちも同じような目に合わないとは言えない。俺も、お前たちを最後まで守り抜く自信はない。だから……」
そう言って二人から視線を逸らし、ベッドの上に胡坐を組むと。
エフェルローンは後頭部を苛々と激しく搔いた。
と、そんな何とも煮え切らないエフェルローンを前に。
ダニーはムッとした顔をすると、断固とした強い口調でこう言い張った。
「先輩、それは言いっこ無しです。僕は、もう心に決めていますから。この事件、解決するまでは、絶対に先輩から離れないって」
「私も、ここまで関わったからには、最後までこの事件を見届けたいです。この事件の本当の姿と、その結末を……」
そう言って瞳に決意の色を湛えたルイーズは、形の良い薄桃色の唇を横一文字に引き結んだ。
そんな、決意も固い二人を前に。
エフェルローンは大きなため息をひとつ吐くと、投げやりな態度でこう言った。
「お前ら、死ぬぞ」
その捨て鉢なセリフを一笑に付すと。
ダニーは、強気な言葉でこう宣言する。
「望むところです! でも、先輩みたいに『最後まで足掻く』のも、忘れませんよ!」
そんな饒舌なダニーに続き、ルイーズも同感とばかりに両の手に拳を作ると、力を込めてこう言った。
「足掻いて、足掻いて命が救われることもありますもんね! そしてどこからか、法律書が降ってきたり……」
そう言って、法律書を上から降り下ろす真似をするルイーズ。
そんなルイーズを受けて、ダニーが力強く頷くと、片手に握り拳を作りこう言った。
「そうですよ! 三人いれば、お互いにカバーできて、尚且つ、死なない確率もぐんと上がりますよ!」
怒涛のようにそう畳み掛けるダニーとルイーズに。
エフェルローンは、頭を押さえ、片手を軽く振ると「降参だ」と云わんばかりにこう言った。
「もう、いい。分かった……好きにしろ」
そう言って、項垂れるエフェルローンを尻目に。
「やった!」
「ふふ、上手くいきましたね!」
そう言って、ハイタッチし合う二人。
そんな嬉しそうな二人を眺めながら、エフェルローンは深いため息と共に、照れたように後頭部を搔く。
と、そんなエフェルローンの首元をそっと盗み見たルイーズは、栗色の瞳をじわりと潤ませると、少し掠れた声でこう言った。
「先輩」
「あ?」
「ほんとに、生きててくれて良かった、です……」
そう言って、心底嬉しそうに微笑むルイーズに。
「……ああ」
エフェルローンは何とも言えない照れくささを感じ、更に後頭部を激しく搔き毟るのだった。
そう言うと、ダニーはホッとしたように肩を落とした。
「傷、痛みます?」
スイーズも、エフェルローンの首元の傷を酷く気にしながらそう言う。
昨夜から半日ほど経った午後十二刻頃――。
エフェルローンに王立病院まで付き添ったダニーと、朝早くダニーからエフェルローンの容態を知らさせたルイーズは、エフェルローンに意識が戻り、話も出来るようになったことを聞き付け、早速、見舞いに駆けつけていた。
酷く心配そうに顔を覗き込む二人に。
エフェルローンは眉間に眉を顰めると、「あまり騒いでくれるな」というようにこう言った。
「傷跡は少し痛々しいが、もう痛みはほとんど無い。大丈夫だ」
そう言って二人を落ち着かせ、エフェルローンはベッドから起き上がると、枕をクッション代わりに、その背もたれに体を預ける。
それを確認すると、ダニーは「早速」というように、声を潜めてこう言った。
「さっき、憲兵庁の人から聞いたんですけど。襲撃者は[べトフォードの涙]の連中だって言ってました。先輩を襲ったのも、やっぱり[べトフォードの涙]……」
「ああ、本人がそう言ってた」
(あまり、思い出したくはない記憶だが……)
記憶を手繰り、眉間に皺を寄せながらそう答えるエフェルローン。
そんなエフェルローンの言葉に深く頷くこと、一回。
ダニーは、やはり「解せない」とでも言うようにこう言った。
「それにしても、[べトフォードの涙]は何処で日記の存在を知ったんでしょうね。しかも、先輩が持っているなんてことまで」
「だよな……」
(出回っていないはずの情報が、なぜ[べトフォードの涙]に伝わっているのか――)
誰が、何のために日記の在処をリークしたのか。
エフェルローンは、顎に片手を当てて宙を睨んだ。
(バックランド候とキースリーが共謀して、日記の消滅に本腰を入れ始めたか。その場合、キースリーが実行隊として動くのだろうが、奴にも伯爵としての公的な立場がある。過激派組織として名高い[べトフォードの涙]との繋がりをわざわざ作って、新聞記者たちの餌食にはなりたくないだろう。じゃあ一体、誰を使って犯行を唆した――?)
そう考えに沈んでいるエフェルローンに、ダニーが考えあぐねる様にこう言った。
「例えば、アダムくんが世間に真実を広める為に、[べトフォードの涙]の誰かと接触を図っていた、とか。あの亡くなった新聞記者みたいな人に……」
そう言って、ふと考え込むダニーに。
エフェルローンは大きくかぶりを振るとこう言った。
「いや、アダムは慎重な男だ。一度、[べトフォードの涙]の熱心な活動家だった新聞記者のグラハム・エイブリーに接触して、奴をバックランド候の息のかかった者に殺されている経緯がある。それはまず無いだろう」
「そうですよね」
そう言って、「うーん」と唸るダニー。
そんなダニーをちらりと見ると、ルイーズが遠慮がちにこう言った。
「あのぅ……やっぱり、暗殺者を送り込んで来るバックランド候とか、そのバックランド候を義父に持つキースリーとかじゃないですかね。なんか一番怪しくて、怪しくなさそうでいて、一番怪しい気がします……」
目を眇め、憎たらしそうにそう言うルイーズに。
エフェルローンは大きく頷くとこう言った。
「……だろうな。当たりを付けるとするなら、今はそこが一番妥当だ」
「よし!」
ガッツポーズを作るルイーズを呆れた様に見遣ると、エフェルローンは思考を元に戻すと「まいったな」というようにこう言った。
「それにしても、やりにくくなるな」
その言葉に、ダニーが頷きながらこういう。
「確かに。[バックランド候]に[キースリー長官]それに、[べトフォードの涙]……敵が多すぎますね」
そう言ってため息交じりに腕を組むダニーと、無言で頷くルイーズを交互に見遣ると。
(説得するなら今、か――)
エフェルローンは心の中でそう決断を下すと、[べトフォードの涙]の襲撃の時から思っていたことを口に出してこう言った。
「なあ、改めて言うが。俺がこうなった以上、お前たちも同じような目に合わないとは言えない。俺も、お前たちを最後まで守り抜く自信はない。だから……」
そう言って二人から視線を逸らし、ベッドの上に胡坐を組むと。
エフェルローンは後頭部を苛々と激しく搔いた。
と、そんな何とも煮え切らないエフェルローンを前に。
ダニーはムッとした顔をすると、断固とした強い口調でこう言い張った。
「先輩、それは言いっこ無しです。僕は、もう心に決めていますから。この事件、解決するまでは、絶対に先輩から離れないって」
「私も、ここまで関わったからには、最後までこの事件を見届けたいです。この事件の本当の姿と、その結末を……」
そう言って瞳に決意の色を湛えたルイーズは、形の良い薄桃色の唇を横一文字に引き結んだ。
そんな、決意も固い二人を前に。
エフェルローンは大きなため息をひとつ吐くと、投げやりな態度でこう言った。
「お前ら、死ぬぞ」
その捨て鉢なセリフを一笑に付すと。
ダニーは、強気な言葉でこう宣言する。
「望むところです! でも、先輩みたいに『最後まで足掻く』のも、忘れませんよ!」
そんな饒舌なダニーに続き、ルイーズも同感とばかりに両の手に拳を作ると、力を込めてこう言った。
「足掻いて、足掻いて命が救われることもありますもんね! そしてどこからか、法律書が降ってきたり……」
そう言って、法律書を上から降り下ろす真似をするルイーズ。
そんなルイーズを受けて、ダニーが力強く頷くと、片手に握り拳を作りこう言った。
「そうですよ! 三人いれば、お互いにカバーできて、尚且つ、死なない確率もぐんと上がりますよ!」
怒涛のようにそう畳み掛けるダニーとルイーズに。
エフェルローンは、頭を押さえ、片手を軽く振ると「降参だ」と云わんばかりにこう言った。
「もう、いい。分かった……好きにしろ」
そう言って、項垂れるエフェルローンを尻目に。
「やった!」
「ふふ、上手くいきましたね!」
そう言って、ハイタッチし合う二人。
そんな嬉しそうな二人を眺めながら、エフェルローンは深いため息と共に、照れたように後頭部を搔く。
と、そんなエフェルローンの首元をそっと盗み見たルイーズは、栗色の瞳をじわりと潤ませると、少し掠れた声でこう言った。
「先輩」
「あ?」
「ほんとに、生きててくれて良かった、です……」
そう言って、心底嬉しそうに微笑むルイーズに。
「……ああ」
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