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第三章 生きることの罪
蘇る過去
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べトフォードでの戦闘のあったその日の夕方――。
エフェルローンとダニーは薄明りの中、期待と不安の入り混じった思いを抱えながら、日記の中身に目を通す為、番号式の鍵のロックを解除する。
暗証番号は――4864。
アダムの父、トーマス・バートンの、その分厚い日記に乱雑に書き殴られていたこと、それは――。
「これって、本当なんですか……」
日記から目を上げると、ダニーが「信じられない」という面持ちで、エフェルローンを見る。
同じくエフェルローンも日記から目を逸らすと、口元を片手で覆いつつ肘を突いた。
アダムの父、トーマス・バートンが記したその事実は、あまりにも惨く、あまりにも悍ましいものであった。
街がひとつ消え去り、多くの命が失われた、誰のせいでもないかも知れない不慮の事故――[爆弾娘]事件。
「[爆弾娘]事件が、不慮の事故なんかじゃなくて、バックランド侯爵の手で仕組まれたものだったなんて……」
そう言って、憤りに唇と声を震わせるダニー。
エフェルローンはその事実に動じることも無く、酷く冷静な口調でこう言った。
「アダムを信じたからには、俺たちは信じるしかないだろ。ここに書かれていること全てを」
それでも、納得がいかないのか。
ダニーは、怒りに顔を赤く染め、ダニーにしてはかなり強い口調でこう言い放った。
「街ひとつですよ? それを全て犠牲にしてまでグランシール兵を殺す意味って、一体何なんですか!」
そう言って、やり場のない気持ちをエフェルローンの執務机にぶつけると。
ダニーは苛立ちを隠さず、座り慣れたソファーにふんぞり返る。
そんなダニーを正面に見遣ると。
エフェルローンは、一人掛けの、執務用の革張り椅子に寄り掛かると、魔法の明かりの影に揺れる天井を眺めながらこう言った。
「さあな、俺にも理解できない」
ダニーも、「同意」とばかりに深く頷くと、更に言葉を続けてこう言った。
「それに、何も知らない[爆弾娘]をべトフォートのバックランド候の別邸に、敵兵のど真ん中にわざと置き去りにするなんて。しかも、まだ十七歳の、成人もしていない少女を、『私の娘の友達になって欲しい』って言って、巧みにべトフォードの別邸に誘い出しての、ですよ?」
「許しがたい」、というように苦々しい顔をすると、ダニーはイライラと片足を踏み鳴らす。
そんな怒り心頭のダニーを見据え、エフェルローンは冷静な視点で日記の内容を分析する。
「だが、それこそがバックランド候の肝だったんだろう。自分の手を汚さず、不幸な事故で事件を片付け、自らの名誉と地位を守り、尚且つ、グランシール兵をも壊滅させ、武勲も立てる……見事な計画、だが……エグい話だ」
そう言って、冷めたコーヒーを一口啜ると、エフェルローンは目の前の日記にもう一度視線を落とす。
感情のままに書き殴られた日記の文字からは、アダムの父――トーマス・バートンの、バックランド候への憤りや、遣り切れなさといったものが、内容を読まなくてもひしひしと伝わって来る。
エフェルローンは、また遣り切れない気持ちに襲われ、日記から目を逸らした。
すると、突然――。
少し怒りが収まってきたのか、冷静になったダニーがソファーに背を預気ながら真面目な口調でこう言った。
「先輩、僕……[爆弾娘]のことなんて、本当はあまり深く考えたことありませんでした。ほんと、『悲惨なことで有名な事件の犯人』ってだけで。でも、アダム君のお父さんの日記を読んで、バックランド候のしたことを全て知ってしまった今、ちょっと見方が変わりました。彼女は、[爆弾娘]事件の犯人ですけど、本当は被害者でもあるんだなって」
「被害者、か」
エフェルローンはそう言うと、腹の上に両手を重ね、ゆっくり目を閉じる。
(被害者ではある。だが、本人にとってその罪は、あまりに重く、辛いものだ。それは、きっと自身の死をも望むぐらいに……)
脳裏に、四年前の[爆弾娘]の顔が思い浮かぶ。
その、栗色の瞳を涙で濡らし、「死にたい」と漏らした、あの少女の姿を。
もし、バックランドと関わり合いになっていなければ、彼女は今頃、罪の意識に苛まれることも無く、幸せに暮らしていたかもしれない。
そう考えると、バックランド候のしたことの罪深さに、改めて憤りが込み上げて来る。
そうして、考えに沈むこと数分――。
しばらく沈黙していたダニーが、ふと口を開くとこう言った。
「先輩は、どうして[爆弾娘]を助けたんです?」
直球の質問に、エフェルローンは苦笑しながら答えて言った。
「別に、崇高な理由があった訳じゃない。ただ、自分が信じていたものに対する、子供じみた意地とプライド、かな」
「子供じみた、意地とプライド……ですか」
噛み締めるように、そうエフェルローンの言葉を繰り返すダニーに。
エフェルローンは、「そんなもの」と云わんばかりに鼻を鳴らすと、自分の人生を根本から覆すようにこう言った。
「まぁ、そんなちんけなプライドなんて、結局……命がけで守り通したところで、飯の種にすらならないんだけどな」
そう言って、皮肉な笑みを浮かべるエフェルローン。
そんな卑屈な先輩を、ダニーは困惑したように見遣る。
「先輩、そんな言い方……」
そう言って、唇を噛むダニーを一瞥すると。
エフェルローンはため息をひとつ吐き、おどけた様にこう言い放つ。
「で、今の俺が望むものは、『日々の平和と生活に必要な金』のみだ。それさえあれば、俺は……地位も名誉も大金も、何もいらない」
「変わりましたよね、先輩。それが先輩にとって、良い事だったのか悪い事だったのかは僕には分かりませんけれど」
そう言って、少し無念そうに話すダニー。
それから、しばらく無言だったダニーは、ソファーの前に置かれたローテーブルに両肘を突くと、そこに顎を乗せながらこう言った。
「僕……昔の先輩、結構好きだったんですよ。東の楼蘭帝国の、抜き身の刀みたいにギラギラしてた先輩のこと。ハングリー精神旺盛で、いつも自信に満ち溢れていて、堂々としていて、迷いも無くて……ほんと、格好いいなって」
「ばーか、おだてても何も出ないぞ」
エフェルローンはほんのり赤くなった顔を隠すように、顔の上に朝の朝刊を乗せる。
そんなエフェルローンを、口元に笑みを浮かべながら見つめると。
ダニーは、偽りのない本当の気持ちを拙い言葉に託して言った。
「おだてるなんて、そんな……全部本当のことです」
そう言って、苦笑するダニーの声を遠くに聞きながら。
エフェルローンは、椅子に寄り掛かり、後頭部を両手に乗せながらこう言った。
「昔、か……」
(昔は、悩みなんか無くて、ただ信じた正義にのみ邁進するだけで良かった。だけど、今を思えばその正義が本当に正しかったかどうかは、正直、今の俺には断言できない……)
「昔の俺は、ある意味……バックランド候のような、正義に四角四面な人間だったのかもしれない」
だが、そうだったとして。
過ぎてしまった時間を取り戻すことは出来ない。
ならば――。
そう気持ちを切り替えると。
エフェルローンは新聞を顔の上から取り外し、椅子から体を起き上がらせると、気合を入れつつこう言った。
「ダニー。今夜は日記を徹底的に調べて、バックランド候とキースリーをどう追い詰めていくかについて、細かく検討する、いいな」
「あ、はい!」
そう言って、眉毛をきりりと吊り上げるダニー顔を正面に。
エフェルローンは、再度、トーマス・バートンの日記の記録を脳裏に刻み付けることに、全精力を傾けるのであった。
エフェルローンとダニーは薄明りの中、期待と不安の入り混じった思いを抱えながら、日記の中身に目を通す為、番号式の鍵のロックを解除する。
暗証番号は――4864。
アダムの父、トーマス・バートンの、その分厚い日記に乱雑に書き殴られていたこと、それは――。
「これって、本当なんですか……」
日記から目を上げると、ダニーが「信じられない」という面持ちで、エフェルローンを見る。
同じくエフェルローンも日記から目を逸らすと、口元を片手で覆いつつ肘を突いた。
アダムの父、トーマス・バートンが記したその事実は、あまりにも惨く、あまりにも悍ましいものであった。
街がひとつ消え去り、多くの命が失われた、誰のせいでもないかも知れない不慮の事故――[爆弾娘]事件。
「[爆弾娘]事件が、不慮の事故なんかじゃなくて、バックランド侯爵の手で仕組まれたものだったなんて……」
そう言って、憤りに唇と声を震わせるダニー。
エフェルローンはその事実に動じることも無く、酷く冷静な口調でこう言った。
「アダムを信じたからには、俺たちは信じるしかないだろ。ここに書かれていること全てを」
それでも、納得がいかないのか。
ダニーは、怒りに顔を赤く染め、ダニーにしてはかなり強い口調でこう言い放った。
「街ひとつですよ? それを全て犠牲にしてまでグランシール兵を殺す意味って、一体何なんですか!」
そう言って、やり場のない気持ちをエフェルローンの執務机にぶつけると。
ダニーは苛立ちを隠さず、座り慣れたソファーにふんぞり返る。
そんなダニーを正面に見遣ると。
エフェルローンは、一人掛けの、執務用の革張り椅子に寄り掛かると、魔法の明かりの影に揺れる天井を眺めながらこう言った。
「さあな、俺にも理解できない」
ダニーも、「同意」とばかりに深く頷くと、更に言葉を続けてこう言った。
「それに、何も知らない[爆弾娘]をべトフォートのバックランド候の別邸に、敵兵のど真ん中にわざと置き去りにするなんて。しかも、まだ十七歳の、成人もしていない少女を、『私の娘の友達になって欲しい』って言って、巧みにべトフォードの別邸に誘い出しての、ですよ?」
「許しがたい」、というように苦々しい顔をすると、ダニーはイライラと片足を踏み鳴らす。
そんな怒り心頭のダニーを見据え、エフェルローンは冷静な視点で日記の内容を分析する。
「だが、それこそがバックランド候の肝だったんだろう。自分の手を汚さず、不幸な事故で事件を片付け、自らの名誉と地位を守り、尚且つ、グランシール兵をも壊滅させ、武勲も立てる……見事な計画、だが……エグい話だ」
そう言って、冷めたコーヒーを一口啜ると、エフェルローンは目の前の日記にもう一度視線を落とす。
感情のままに書き殴られた日記の文字からは、アダムの父――トーマス・バートンの、バックランド候への憤りや、遣り切れなさといったものが、内容を読まなくてもひしひしと伝わって来る。
エフェルローンは、また遣り切れない気持ちに襲われ、日記から目を逸らした。
すると、突然――。
少し怒りが収まってきたのか、冷静になったダニーがソファーに背を預気ながら真面目な口調でこう言った。
「先輩、僕……[爆弾娘]のことなんて、本当はあまり深く考えたことありませんでした。ほんと、『悲惨なことで有名な事件の犯人』ってだけで。でも、アダム君のお父さんの日記を読んで、バックランド候のしたことを全て知ってしまった今、ちょっと見方が変わりました。彼女は、[爆弾娘]事件の犯人ですけど、本当は被害者でもあるんだなって」
「被害者、か」
エフェルローンはそう言うと、腹の上に両手を重ね、ゆっくり目を閉じる。
(被害者ではある。だが、本人にとってその罪は、あまりに重く、辛いものだ。それは、きっと自身の死をも望むぐらいに……)
脳裏に、四年前の[爆弾娘]の顔が思い浮かぶ。
その、栗色の瞳を涙で濡らし、「死にたい」と漏らした、あの少女の姿を。
もし、バックランドと関わり合いになっていなければ、彼女は今頃、罪の意識に苛まれることも無く、幸せに暮らしていたかもしれない。
そう考えると、バックランド候のしたことの罪深さに、改めて憤りが込み上げて来る。
そうして、考えに沈むこと数分――。
しばらく沈黙していたダニーが、ふと口を開くとこう言った。
「先輩は、どうして[爆弾娘]を助けたんです?」
直球の質問に、エフェルローンは苦笑しながら答えて言った。
「別に、崇高な理由があった訳じゃない。ただ、自分が信じていたものに対する、子供じみた意地とプライド、かな」
「子供じみた、意地とプライド……ですか」
噛み締めるように、そうエフェルローンの言葉を繰り返すダニーに。
エフェルローンは、「そんなもの」と云わんばかりに鼻を鳴らすと、自分の人生を根本から覆すようにこう言った。
「まぁ、そんなちんけなプライドなんて、結局……命がけで守り通したところで、飯の種にすらならないんだけどな」
そう言って、皮肉な笑みを浮かべるエフェルローン。
そんな卑屈な先輩を、ダニーは困惑したように見遣る。
「先輩、そんな言い方……」
そう言って、唇を噛むダニーを一瞥すると。
エフェルローンはため息をひとつ吐き、おどけた様にこう言い放つ。
「で、今の俺が望むものは、『日々の平和と生活に必要な金』のみだ。それさえあれば、俺は……地位も名誉も大金も、何もいらない」
「変わりましたよね、先輩。それが先輩にとって、良い事だったのか悪い事だったのかは僕には分かりませんけれど」
そう言って、少し無念そうに話すダニー。
それから、しばらく無言だったダニーは、ソファーの前に置かれたローテーブルに両肘を突くと、そこに顎を乗せながらこう言った。
「僕……昔の先輩、結構好きだったんですよ。東の楼蘭帝国の、抜き身の刀みたいにギラギラしてた先輩のこと。ハングリー精神旺盛で、いつも自信に満ち溢れていて、堂々としていて、迷いも無くて……ほんと、格好いいなって」
「ばーか、おだてても何も出ないぞ」
エフェルローンはほんのり赤くなった顔を隠すように、顔の上に朝の朝刊を乗せる。
そんなエフェルローンを、口元に笑みを浮かべながら見つめると。
ダニーは、偽りのない本当の気持ちを拙い言葉に託して言った。
「おだてるなんて、そんな……全部本当のことです」
そう言って、苦笑するダニーの声を遠くに聞きながら。
エフェルローンは、椅子に寄り掛かり、後頭部を両手に乗せながらこう言った。
「昔、か……」
(昔は、悩みなんか無くて、ただ信じた正義にのみ邁進するだけで良かった。だけど、今を思えばその正義が本当に正しかったかどうかは、正直、今の俺には断言できない……)
「昔の俺は、ある意味……バックランド候のような、正義に四角四面な人間だったのかもしれない」
だが、そうだったとして。
過ぎてしまった時間を取り戻すことは出来ない。
ならば――。
そう気持ちを切り替えると。
エフェルローンは新聞を顔の上から取り外し、椅子から体を起き上がらせると、気合を入れつつこう言った。
「ダニー。今夜は日記を徹底的に調べて、バックランド候とキースリーをどう追い詰めていくかについて、細かく検討する、いいな」
「あ、はい!」
そう言って、眉毛をきりりと吊り上げるダニー顔を正面に。
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