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第三章 生きることの罪
これもまた運命
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二人が見つめ合うこと数秒。
短くも濃密なその時間は、憲兵の鬼気迫る叫び声により直ぐに終わりを告げた。
「敵襲ー! 賊が攻めてきたぞー!」
「キャー! 賊よー!」
「に、逃げろー! 家に隠れろー!」
「ママー! こわいよー!」
その怒鳴り声と共に、市民たちが自分たちの家や、扉のある店へと右往左往しながら逃げ始める。
エフェルローンは思考を瞬時に戦闘モードに切り替えると、辺りを素早く見回す。
脇を、憲兵や騎士たちが足早に通り過ぎ、広場に乱入してくる賊の応戦を開始する。
だが、兵士たちが取りこぼした賊の一部は、露店の商品を片っ端から袋に詰め込んでいた。
「ちっ、露店にまで手が回らない……! それよりダニーにルイーズは……」
(アダムを狙う暗殺者たちにとって、この騒ぎは渡りに船だ。アダムの命と日記は、何が何でも奪われるわけにはいかない!)
エフェルローンは、一刻も早くダニーとルイーズたちに合流するため、辺りを必死に見回す。
そうして、辺りを食い入るように見回していたその時――。
「お嬢さまをお守りしろ!」
「分かっている! だが、人数が多過ぎる……!」
そう言って、石壁を背にクローディアを守る騎士たちが余裕のない声を上げた。
エフェルローンの視界に、賊に囲まれるクローディアが飛び込んで来る。
「クローディア……くそっ!」
そう言うと、エフェルローンはダニーとルイーズたちを探すのを諦め、クローディアの下へと駆け込んでいく。
(これもまた、運命って奴なのか――)
そう心で呟くと同時に、エフェルローンは走りながら呪文を口にする。
「大地よ、母なる大地よ、我が声を聞け。命令する、[土の罠]――!」
エフェルローンがそう言うが早いが、賊たちの足元が一瞬にしてぬかるみ始める。
「な……ま、魔術師か! くそっ、足が……」
ぬかるみに足を取られた賊たちが、立ち往生する。
「行け、今だ!」
エフェルローンの掛け声で、クローディアの前に盾となっていた騎士たちが動く。
だが――。
エフェルローンの後ろから、クローディア目掛けて執拗に弓矢までもが射かけられて来る。
エフェルローンは、転がるように地面を駆け抜け、賊たちの足元を潜り抜けると、クローディアの前に躍り出た。
そして、腰の短剣を素早く引き抜くと、射かけられる矢を片っ端から叩き落としていく。
クローディアを標的にしたその攻撃の緻密性に。
エフェルローンは、心の中で首を捻った。
(賊にしては、戦慣れしている気がする……こいつら、本当に賊なのか――?)
エフェルローンのそんな疑問に答えるかのように、一人の賊がこう言った。
「クローディア・フォン・バックランド……いや、今はキースリー伯爵夫人か。貴方に恨みはないが、命は頂く。恨むなら自分の父を恨むことだ……我らがグランシールの同胞たちの恨み、晴らさせてもらう!」
「父も私も、あなた方には屈しません! 殺したければ殺しなさい!」
クローディアがそう言って、一歩足を踏み出したその時――。
クローディアの前方、斜め上がきらりと光った。
(まずい――!)
エフェルローンはとっさにクローディアに体当たりする。
「きゃっ!」
大きくよろめくクローディア。
クローディアの前に背中を張ったエフェルローンの肩口には、銀の短刀が深々と突き刺さっていた。
(くっ、短刀か。想定より傷が深そうだ……)
「エフェル! あなた……肩に!」
クローディアのその悲鳴に近い言葉に背を向けると、エフェルローンは直ぐに呪文を口ずさむ。
(こいつを生かしておくのは厄介だ。まずはこいつを片付ける)
そう思うが早いが、エフェルローンは直ぐに呪文を紡ぎ始める。
滑らかに、歌うように――。
「炎よ、熱き力の源よ……我が手に集え、命令す、[炎の矢]――!」
炎の尾を引き、炎の矢が一直線に斜め上の、ダガーが放たれた建造物に吸い込まれていく。
すると、数秒も経たないうちに男が一人、建造物の上方から滑り落ちて来る。
(ビンゴ――さて、お次は誰だ)
そう辺りを物色するエフェルローンに、リーダーらしき男が、口惜しそうな顔をしながらこう言った。
「くっ、魔術師如きが余計な邪魔を……! 仕方ない。皆、一旦、引くぞ!」
リーダーらしき男の合図で、一斉に賊が引いていく。
その素早さも、賊と呼ぶにはあまりに見事過ぎた。
(こいつら、賊じゃなくて騎士か? [グランシールの同胞たち]ってことは多分、バックランド候に恨みを持っているグランシールの騎士たちの襲撃ってところか。少々手間どったが、取り敢えずまずはひと段落だな……)
そう心の中で呟くと、エフェルローンは肩を苦しそうに上下させる騎士たち向かってこう言った。
「君たちの主を狙う賊は、去った。後は、出来るだけ早くこの場から去ることだ。行け!」
「す、すまない……助かった」
「お嬢様、さ……行きましょう」
そう言って、クローディアの左右を守るように去っていく騎士たちを背に、エフェルローンは肩の傷も気にせず、ダニーとアダムの姿を探すのであった。
短くも濃密なその時間は、憲兵の鬼気迫る叫び声により直ぐに終わりを告げた。
「敵襲ー! 賊が攻めてきたぞー!」
「キャー! 賊よー!」
「に、逃げろー! 家に隠れろー!」
「ママー! こわいよー!」
その怒鳴り声と共に、市民たちが自分たちの家や、扉のある店へと右往左往しながら逃げ始める。
エフェルローンは思考を瞬時に戦闘モードに切り替えると、辺りを素早く見回す。
脇を、憲兵や騎士たちが足早に通り過ぎ、広場に乱入してくる賊の応戦を開始する。
だが、兵士たちが取りこぼした賊の一部は、露店の商品を片っ端から袋に詰め込んでいた。
「ちっ、露店にまで手が回らない……! それよりダニーにルイーズは……」
(アダムを狙う暗殺者たちにとって、この騒ぎは渡りに船だ。アダムの命と日記は、何が何でも奪われるわけにはいかない!)
エフェルローンは、一刻も早くダニーとルイーズたちに合流するため、辺りを必死に見回す。
そうして、辺りを食い入るように見回していたその時――。
「お嬢さまをお守りしろ!」
「分かっている! だが、人数が多過ぎる……!」
そう言って、石壁を背にクローディアを守る騎士たちが余裕のない声を上げた。
エフェルローンの視界に、賊に囲まれるクローディアが飛び込んで来る。
「クローディア……くそっ!」
そう言うと、エフェルローンはダニーとルイーズたちを探すのを諦め、クローディアの下へと駆け込んでいく。
(これもまた、運命って奴なのか――)
そう心で呟くと同時に、エフェルローンは走りながら呪文を口にする。
「大地よ、母なる大地よ、我が声を聞け。命令する、[土の罠]――!」
エフェルローンがそう言うが早いが、賊たちの足元が一瞬にしてぬかるみ始める。
「な……ま、魔術師か! くそっ、足が……」
ぬかるみに足を取られた賊たちが、立ち往生する。
「行け、今だ!」
エフェルローンの掛け声で、クローディアの前に盾となっていた騎士たちが動く。
だが――。
エフェルローンの後ろから、クローディア目掛けて執拗に弓矢までもが射かけられて来る。
エフェルローンは、転がるように地面を駆け抜け、賊たちの足元を潜り抜けると、クローディアの前に躍り出た。
そして、腰の短剣を素早く引き抜くと、射かけられる矢を片っ端から叩き落としていく。
クローディアを標的にしたその攻撃の緻密性に。
エフェルローンは、心の中で首を捻った。
(賊にしては、戦慣れしている気がする……こいつら、本当に賊なのか――?)
エフェルローンのそんな疑問に答えるかのように、一人の賊がこう言った。
「クローディア・フォン・バックランド……いや、今はキースリー伯爵夫人か。貴方に恨みはないが、命は頂く。恨むなら自分の父を恨むことだ……我らがグランシールの同胞たちの恨み、晴らさせてもらう!」
「父も私も、あなた方には屈しません! 殺したければ殺しなさい!」
クローディアがそう言って、一歩足を踏み出したその時――。
クローディアの前方、斜め上がきらりと光った。
(まずい――!)
エフェルローンはとっさにクローディアに体当たりする。
「きゃっ!」
大きくよろめくクローディア。
クローディアの前に背中を張ったエフェルローンの肩口には、銀の短刀が深々と突き刺さっていた。
(くっ、短刀か。想定より傷が深そうだ……)
「エフェル! あなた……肩に!」
クローディアのその悲鳴に近い言葉に背を向けると、エフェルローンは直ぐに呪文を口ずさむ。
(こいつを生かしておくのは厄介だ。まずはこいつを片付ける)
そう思うが早いが、エフェルローンは直ぐに呪文を紡ぎ始める。
滑らかに、歌うように――。
「炎よ、熱き力の源よ……我が手に集え、命令す、[炎の矢]――!」
炎の尾を引き、炎の矢が一直線に斜め上の、ダガーが放たれた建造物に吸い込まれていく。
すると、数秒も経たないうちに男が一人、建造物の上方から滑り落ちて来る。
(ビンゴ――さて、お次は誰だ)
そう辺りを物色するエフェルローンに、リーダーらしき男が、口惜しそうな顔をしながらこう言った。
「くっ、魔術師如きが余計な邪魔を……! 仕方ない。皆、一旦、引くぞ!」
リーダーらしき男の合図で、一斉に賊が引いていく。
その素早さも、賊と呼ぶにはあまりに見事過ぎた。
(こいつら、賊じゃなくて騎士か? [グランシールの同胞たち]ってことは多分、バックランド候に恨みを持っているグランシールの騎士たちの襲撃ってところか。少々手間どったが、取り敢えずまずはひと段落だな……)
そう心の中で呟くと、エフェルローンは肩を苦しそうに上下させる騎士たち向かってこう言った。
「君たちの主を狙う賊は、去った。後は、出来るだけ早くこの場から去ることだ。行け!」
「す、すまない……助かった」
「お嬢様、さ……行きましょう」
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