92 / 127
第三章 生きることの罪
翡翠のブローチ
しおりを挟む
ルイーズとアダムのデート当日、午前九刻を少し過ぎた頃――。
エフェルローンはダニーと共に、図書館から少し離れた小さなカフェのテラスで遅めの朝食を摂っていた。
「先輩。昨日は眠れましたか」
白い半袖チュニックに黒い革のジャケットをはおり、黒革のズボンに黒革の長靴を穿いたダニーは、そう言って千切ったクロワッサンを口に頬り込んだ。
首には、細いベルトのような黒革のチョーカを巻いている。
「……愚問だろ、それ」
充血した灰青色《はいあおいろ》の瞳を横に逸らすと。
白いブラウスに、鉄紺――暗い紫寄りの青――の上着をはおり、黒色のキュロットに紐付きの黒い短ブーツを穿いたエフェルローンは、スクランブルエッグをナイフでフォークに器用に乗せると、憮然とした顔でそう言った。
そんなエフェルローンの首元を彩る白い襞のような胸飾りの中央には、金の台座に上品に収まった長方形の石――少し灰色がかった薄水色の半透明の石――が、一際、美しく輝いている。
「はは、そうですよね。僕も眠れませんでしたし。それにしても、先輩」
そう言うと、ダニーはエフェルローンの胸元を指さしてこう言った。
「それ、そのブローチの石。先輩の瞳の色と同じ、青磁器を半透明にしたみたいな色で凄く素敵な石ですけど、一体、何の石なんですか」
そう言って、もう一口クロワッサンを頬張るダニー。
「ああ、これか。これはこう見えても翡翠なんだ」
そう言うと、エフェルローンは指でそのブローチを上向きに少し動かした。
その動きに合わせ、灰色がかった半透明の翡翠は、日差しに照らされ、湖面の様にキラキラと光る。
――この石、綺麗でしょ? 貴方の瞳の色と同じ色なの。見つけた瞬間、思わず買っちゃった。良かったら受け取って頂戴。きっとブローチとかにしたら、貴方に似合うと思うの。
そう言って、かつて婚約者であったクローディアから渡された原石を、エフェルローンは半分ブローチに、そしてもう半分をピアスに加工した。
ブローチはエフェルローンが。
そしてピアスは、愛するあの女性の耳元に――。
そんな昔懐かしい石の、その色褪せない輝きを前に。
エフェルローンの脳裏には、一種のノスタルジックな思いがゆっくりと去来していた。
と、そんな過去に耽り、遠い目をするエフェルローンを尻目に。
「翡翠? それにしては、透明な硝子みたいなキラキラ感が、全然足りない気がするんですけど」
そう眉を顰め、不思議そうに首を捻るダニーの、その一際甲高い声に。
エフェルローンは意識を無理やり現実に引き戻され、少し不機嫌そうにこう言った。
「確かにな。でも一応、これはこれで翡翠なんだ。流通の少ない希少な物らしくて、かなり値が張るらしい。まあ、貰いものだから何とも言えないんだが」
そう言って、ブローチから手を外すエフェルローンに、ダニーは目を丸くするとこう言った。
「貰い物って……そんな高価な物、一体、誰から貰ったんですか」
(この話の流れだと、そう来るよな……)
身体が小さくなってから、精神的に身に着ける事が出来なくなっていたこのブローチ。
ただ最近、希少な物をこのまま眠らせておくのもどうかと思い始め、久しぶりに身に着けてみたのだが――。
朝食を食べる手を止め、深いため息をひとつ吐くと。
エフェルローンは、話がデリケートなものだけに、神妙な顔で一言、こう言った。
「ノーコメント」
「はは、そう来ますか」
話をはぐらかされた事を悟ったダニーはそれ以上の追及はせず、手元のミルクたっぷりのホットコーヒーを一口啜る。
と、その時――。
「おはようございます! あ、あれ? なんか先輩にダニーさん、目の下が黒くなってるんですけど、何があったんですか? って……あーっ! もしかして、二人してしこたまお酒飲んで、徹夜したんですか! 全く、こんな大事な日の前に……」
焦げ茶色の長袖Aラインワンピースに、白いベルトと白い長靴《ブーツ》で身を装ったルイーズは、赤い小さなバッグを両手に抱えると、エフェルローンの横の空いている席に苛立たし気に腰を下ろした。
好きでも無い相手とのデートの日のはずなのに、朝から思いのほか元気で気合の入ったルイーズに。
エフェルローンはうんざりした表情を浮かべると、胃の辺りを擦りながらこう言った。
「色々あってな」
「そうそう、色々です。色々……」
ダニーも、疲れたような顔でそう言って頷く。
そんな息ぴったりの二人の様子に。
ルイーズは、懐疑心を剝き出しにして目を細めると、腕組みしながらこう言った。
「ふーん、何か隠してますね? 何があったんです? ねえ!」
そう言って、エフェルローンの肩をゆさゆさと揺するルイーズに。
エフェルローンは怒りも顕にこう言った。
「うるさい、吐きそうだから止めろ……」
青い顔でそう言うと、エフェルローンは透明なグラスに入った水をがぶ飲みする。
「……二人だけで、なんかずるい」
そう言って、下唇を突き出し拗ねるルイーズに。
ダニーは苦笑しながらこう言った。
「男性には、女性には理解出来ない男性特有の悩みというか、そう云うものがあってですね……」
その言葉に。
ルイーズはダニーの広い額をじっと見つめると、なぜか納得したようにこう言った。
「……それは、仕方がないですね。追及するのは止めておきます」
失礼にも、そう言って追及の手を止めるルイーズ。
そんなルイーズに、ダニーはというと、引きつった笑みを浮かべたまま両肩を落とした。
と、次の瞬間――。
ルイーズの、その薄い栗色の瞳が、まるで吸い込まれるようにエフェルローンのブローチの上で止まる。
そして、神妙な顔で口元に手を当てると、ルイーズは眉間に眉を顰めてこう言った。
「そのブローチ、誰から貰ったんですか。もしかして、女の人からとか」
「えっ」
思いがけないその言葉に、真実を薄々感じ取っていたダニーが思わず目を丸くした。
(何で、そこまで分かるんだ……?)
多少のずれはあるものの、その大筋はぴたりと言い当てるルイーズに。
エフェルローンもダニー同様、その野性的な勘の鋭さに思わず顔を青くする。
とはいえ、只の同僚でしかないルイーズに、自分のプライベートな事をぺらぺらと話すつもりなど毛頭ない。
そんな事もあり、エフェルローンはルイーズを無視し、無言で水をもう一口がぶ飲みする。
だが――。
面倒くさいことに。
それでもルイーズは「真実を明かせ」とばかりに、エフェルローンを穴が開くほどジト目で見つめてくる。
と、そんな無言で圧を掛けてくるルイーズを、とっととあしらいたい一心で。
エフェルローンは、差し障りのない真実だけを切り取り、こう言った。
「俺が自分で注文して作った、何か文句あるか」
そんなエフェルローンの、ある種いい加減な答えに。
ルイーズは、「うーん」と悩まし気に唸ると、徐に首を捻ってこう言った。
「先輩の瞳の色と同じ石だなんて……先輩にしては、あまりに趣味が良過ぎる気がして変だと思ったんだけどなぁ……」
そう言って、ばつが悪そうに頭を搔くルイーズに。
エフェルローンはどこか末恐ろしいものを感じ、心の中で打ち震えるのであった。
エフェルローンはダニーと共に、図書館から少し離れた小さなカフェのテラスで遅めの朝食を摂っていた。
「先輩。昨日は眠れましたか」
白い半袖チュニックに黒い革のジャケットをはおり、黒革のズボンに黒革の長靴を穿いたダニーは、そう言って千切ったクロワッサンを口に頬り込んだ。
首には、細いベルトのような黒革のチョーカを巻いている。
「……愚問だろ、それ」
充血した灰青色《はいあおいろ》の瞳を横に逸らすと。
白いブラウスに、鉄紺――暗い紫寄りの青――の上着をはおり、黒色のキュロットに紐付きの黒い短ブーツを穿いたエフェルローンは、スクランブルエッグをナイフでフォークに器用に乗せると、憮然とした顔でそう言った。
そんなエフェルローンの首元を彩る白い襞のような胸飾りの中央には、金の台座に上品に収まった長方形の石――少し灰色がかった薄水色の半透明の石――が、一際、美しく輝いている。
「はは、そうですよね。僕も眠れませんでしたし。それにしても、先輩」
そう言うと、ダニーはエフェルローンの胸元を指さしてこう言った。
「それ、そのブローチの石。先輩の瞳の色と同じ、青磁器を半透明にしたみたいな色で凄く素敵な石ですけど、一体、何の石なんですか」
そう言って、もう一口クロワッサンを頬張るダニー。
「ああ、これか。これはこう見えても翡翠なんだ」
そう言うと、エフェルローンは指でそのブローチを上向きに少し動かした。
その動きに合わせ、灰色がかった半透明の翡翠は、日差しに照らされ、湖面の様にキラキラと光る。
――この石、綺麗でしょ? 貴方の瞳の色と同じ色なの。見つけた瞬間、思わず買っちゃった。良かったら受け取って頂戴。きっとブローチとかにしたら、貴方に似合うと思うの。
そう言って、かつて婚約者であったクローディアから渡された原石を、エフェルローンは半分ブローチに、そしてもう半分をピアスに加工した。
ブローチはエフェルローンが。
そしてピアスは、愛するあの女性の耳元に――。
そんな昔懐かしい石の、その色褪せない輝きを前に。
エフェルローンの脳裏には、一種のノスタルジックな思いがゆっくりと去来していた。
と、そんな過去に耽り、遠い目をするエフェルローンを尻目に。
「翡翠? それにしては、透明な硝子みたいなキラキラ感が、全然足りない気がするんですけど」
そう眉を顰め、不思議そうに首を捻るダニーの、その一際甲高い声に。
エフェルローンは意識を無理やり現実に引き戻され、少し不機嫌そうにこう言った。
「確かにな。でも一応、これはこれで翡翠なんだ。流通の少ない希少な物らしくて、かなり値が張るらしい。まあ、貰いものだから何とも言えないんだが」
そう言って、ブローチから手を外すエフェルローンに、ダニーは目を丸くするとこう言った。
「貰い物って……そんな高価な物、一体、誰から貰ったんですか」
(この話の流れだと、そう来るよな……)
身体が小さくなってから、精神的に身に着ける事が出来なくなっていたこのブローチ。
ただ最近、希少な物をこのまま眠らせておくのもどうかと思い始め、久しぶりに身に着けてみたのだが――。
朝食を食べる手を止め、深いため息をひとつ吐くと。
エフェルローンは、話がデリケートなものだけに、神妙な顔で一言、こう言った。
「ノーコメント」
「はは、そう来ますか」
話をはぐらかされた事を悟ったダニーはそれ以上の追及はせず、手元のミルクたっぷりのホットコーヒーを一口啜る。
と、その時――。
「おはようございます! あ、あれ? なんか先輩にダニーさん、目の下が黒くなってるんですけど、何があったんですか? って……あーっ! もしかして、二人してしこたまお酒飲んで、徹夜したんですか! 全く、こんな大事な日の前に……」
焦げ茶色の長袖Aラインワンピースに、白いベルトと白い長靴《ブーツ》で身を装ったルイーズは、赤い小さなバッグを両手に抱えると、エフェルローンの横の空いている席に苛立たし気に腰を下ろした。
好きでも無い相手とのデートの日のはずなのに、朝から思いのほか元気で気合の入ったルイーズに。
エフェルローンはうんざりした表情を浮かべると、胃の辺りを擦りながらこう言った。
「色々あってな」
「そうそう、色々です。色々……」
ダニーも、疲れたような顔でそう言って頷く。
そんな息ぴったりの二人の様子に。
ルイーズは、懐疑心を剝き出しにして目を細めると、腕組みしながらこう言った。
「ふーん、何か隠してますね? 何があったんです? ねえ!」
そう言って、エフェルローンの肩をゆさゆさと揺するルイーズに。
エフェルローンは怒りも顕にこう言った。
「うるさい、吐きそうだから止めろ……」
青い顔でそう言うと、エフェルローンは透明なグラスに入った水をがぶ飲みする。
「……二人だけで、なんかずるい」
そう言って、下唇を突き出し拗ねるルイーズに。
ダニーは苦笑しながらこう言った。
「男性には、女性には理解出来ない男性特有の悩みというか、そう云うものがあってですね……」
その言葉に。
ルイーズはダニーの広い額をじっと見つめると、なぜか納得したようにこう言った。
「……それは、仕方がないですね。追及するのは止めておきます」
失礼にも、そう言って追及の手を止めるルイーズ。
そんなルイーズに、ダニーはというと、引きつった笑みを浮かべたまま両肩を落とした。
と、次の瞬間――。
ルイーズの、その薄い栗色の瞳が、まるで吸い込まれるようにエフェルローンのブローチの上で止まる。
そして、神妙な顔で口元に手を当てると、ルイーズは眉間に眉を顰めてこう言った。
「そのブローチ、誰から貰ったんですか。もしかして、女の人からとか」
「えっ」
思いがけないその言葉に、真実を薄々感じ取っていたダニーが思わず目を丸くした。
(何で、そこまで分かるんだ……?)
多少のずれはあるものの、その大筋はぴたりと言い当てるルイーズに。
エフェルローンもダニー同様、その野性的な勘の鋭さに思わず顔を青くする。
とはいえ、只の同僚でしかないルイーズに、自分のプライベートな事をぺらぺらと話すつもりなど毛頭ない。
そんな事もあり、エフェルローンはルイーズを無視し、無言で水をもう一口がぶ飲みする。
だが――。
面倒くさいことに。
それでもルイーズは「真実を明かせ」とばかりに、エフェルローンを穴が開くほどジト目で見つめてくる。
と、そんな無言で圧を掛けてくるルイーズを、とっととあしらいたい一心で。
エフェルローンは、差し障りのない真実だけを切り取り、こう言った。
「俺が自分で注文して作った、何か文句あるか」
そんなエフェルローンの、ある種いい加減な答えに。
ルイーズは、「うーん」と悩まし気に唸ると、徐に首を捻ってこう言った。
「先輩の瞳の色と同じ石だなんて……先輩にしては、あまりに趣味が良過ぎる気がして変だと思ったんだけどなぁ……」
そう言って、ばつが悪そうに頭を搔くルイーズに。
エフェルローンはどこか末恐ろしいものを感じ、心の中で打ち震えるのであった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
墓地々々でんな ~異世界転生がしたかったけど、うまく逝けませんでした~
葛屋伍美
ファンタジー
死んだ後に「異世界転生」する事を本気で望んでいた高校生
「善湖 善朗」(ヨシウミ ヨシロウ)
猫を助けるために川に入って、無事死亡。
死んだ先にあったのは夢にまで見た異世界!・・・ではなく、
もっと身近な死後の世界「霊界」だった。
幽霊となった善朗は幽霊を霊界の先の
極楽か地獄か転生に導く案内人「迷手 乃華」(メイシュ ノバナ)と共に
霊界ライフでテンヤワンヤ!ご先祖様も巻き込んで、向かう先は極楽「高天原」か??
前書き
廃り流行りとあるけれど、今も楽しい異世界転生。
若き命が希望を胸に、新たな世界の光に惹かれる。
そんな時代に健気に死んだ。若き命がまた一つ・・・。
新たな世界の扉を開いた!
開いた先は、過去か未来か、異世界か?
そんな先の世界より、身近な世界がそこにある!
今も昔も人の世の、現と幻の狭間の世界
きっとあなたも感じてる!そんな世界の物語〔ベンベンッ〕
注1:「小説家になろう様」「カクヨム様」「ノベルアップ+様」「ハーメルン様」にも掲載しています。
注2:作者は霊感0です。霊の捉え方は全て想像であり、フィクションです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。

伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

婚約破棄されるのらしいで、今まで黙っていた事を伝えてあげたら、婚約破棄をやめたいと言われました
新野乃花(大舟)
恋愛
ロベルト第一王子は、婚約者であるルミアに対して婚約破棄を告げた。しかしその時、ルミアはそれまで黙っていた事をロベルトに告げることとした。それを聞いたロベルトは慌てふためき、婚約破棄をやめたいと言い始めるのだったが…。

魔術師セナリアンの憂いごと
野村にれ
ファンタジー
エメラルダ王国。優秀な魔術師が多く、大陸から少し離れた場所にある島国である。
偉大なる魔術師であったシャーロット・マクレガーが災い、争いを防ぎ、魔力による弊害を律し、国の礎を作ったとされている。
シャーロットは王家に忠誠を、王家はシャーロットに忠誠を誓い、この国は栄えていった。
現在は魔力が無い者でも、生活や移動するのに便利な魔道具もあり、移住したい国でも挙げられるほどになった。
ルージエ侯爵家の次女・セナリアンは恵まれた人生だと多くの人は言うだろう。
公爵家に嫁ぎ、あまり表舞台に出る質では無かったが、経営や商品開発にも尽力した。
魔術師としても優秀であったようだが、それはただの一端でしかなかったことは、没後に判明することになる。
厄介ごとに溜息を付き、憂鬱だと文句を言いながら、日々生きていたことをほとんど知ることのないままである。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる