3 / 127
第零章 すべての始まり
仲間の命、咎人の命
しおりを挟む
――[爆弾娘(リズ・ボマー)]。
二年前、自身の絶大な魔力を制御できず、村ひとつ消し去ってしまったという、アルカサール王国の歩く無差別大量破壊兵器。
「大量殺人者だぞ? 見殺しにしたところで上だって文句は言わないだろうさ」
そんなディーンの人権を無視した言葉に。
エフェルローンは不快感も露にこう怒鳴った。
「殺人者だからって、殺して言い理由にはならない! 殺すか殺さないか、それを決めるのは法だ。間違っても俺たちじゃない!」
そう正論を吐くエフェルローンに。
ディーンは無慈悲にもこう言い切った。
「だが、俺たちは無敵じゃない。それに、正論だけじゃ正義は守れはしない。何かを取れば、別の何かを失う。任務成功を取るなら……分かるだろ、エフェル」
「…………」
確かに。
ディーンの体力もダニーの体力も、限界が近付いているのは事実。
それに何より、悪魔召喚の魔法陣の状況は一刻を争っている。
アルカサールの国民をむざむざと悪魔の餌食にする訳にはいかない。
それはある意味、ディーンの言っていることを暗に裏付けている。
――何かを取れば、別の何かを失う。
(多くの命には代えられない、か)
エフェルローンはそう意を決すると、台座に焦点を絞り込む。
そして、流暢な[古代上級魔法語]で呪文の詠唱を開始した。
それは、息を深く吸って吐くぐらいの短い時間。
その短い時間の間に。
無意識に少女を目で追っていたエフェルローンの視線は、少女の視線とぶつかる。
「…………」
少女の瞳から、涙が一粒零れ落ちる。
それは、「生きたい」と願う少女の無言の抵抗――。
その瞬間。
エフェルローンの呪文が意図せずに発動した。
「しまっ……」
[紫電の雷]は吸い込まれるように、台座目掛けて垂直に落ちていく。
そして、案の定。
雷は台座を外れ、魔法陣の一部を破壊し、消えた。
それを見た瞬間。
女魔術師アデラは舌打ちし、直ぐに呪文を唱え始めた。
それに呼応するかのように。
アデラの周りの空間がゆっくりと歪み始める。
([瞬間移動]か!)
そんなエフェルローンの予想を肯定するかのように、アデラの姿が次第におぼろげになっていく。
「ディーン! [瞬間移動]だ!」
叫ぶエフェルローンにディーンが素早く反応する。
「させるかよ!」
彼は、女魔術師の正面に迫ると、その懐に一気に飛び込んだ。
「ダニー、アデラに[気絶]!」
「は、はい!」
エフェルローンの指示に、ダニーが素早く反応する。
唱えられる呪文。
そして、懐に飛び込んだディーンがアデラ目掛け長剣を振り下ろしたその瞬間――。
女魔術師の呪文は完成し、アデラは異空間に消えて居なくなった。
「逃がしたか……」
周りを注意深く見まわすエフェルローン。
「……いないな」
苦々しくそう呟くディーンに、ダニーも辺りをびくびくと見渡しながらこう言った。
「け、気配を感じません」
呆然と立ち尽くす三人の憲兵。
今までの喧騒が嘘のように。
地下空洞は、まるで水を打ったかのようにしんと静まり返っている。
と、そんな異様な静けさを早々に打ち破ったのは、憲兵騎士のディーンであった。
彼は、若干疑いを孕んだ瞳でエフェルローンを見遣ると、皮肉混じりにこう言った。
「それにしても、台座の破壊の失敗だと? お前にしては珍しいな、エフェル」
ディーンの、意地の悪いその物言いに。
エフェルローンは素直に頭を下げるとこう言った。
「済まない、集中力が乱れた」
「ったく、しょうがないな。それにしても」
そう言って、アデラの消えた空間を見つめながら、ディーンは悔しそうにこう言った。
「アデラの奴、上手く逃げやがって……くそが」
正義感の強いディーンは苦々しくそう呟くと、酷く悔しそうに舌打ちする。
アデラがどこに逃げたのかは定かではないが、なぜアデラが逃げたのかは、エフェルローンには分かっていた。
統制を失いつつある禍々しい気配をじっと見据えながら。
エフェルローンはディーンに向かってこう言った。
「ディーン、今すぐここから撤退しろ」
呪文の破壊の失敗――それは、魔術の暴走を意味する。
爆発するか、呪われるか……何が起こるかわからない非常事態。
アデラが逃げるもの当然、といったところだろう。
となれば、もうここに留まる理由は無い。
「あ? どういうことだ、おい……」
台座の呪文の破壊を失敗させたこともあるだろう。
ディーンが射殺すような眼差しでエフェルローンを据える。
腹の底から響くようなその声音は低く、ディーンの並々ならぬ憤りがひしひしと感じられた。
そんな怒り心頭のディーンを前に、エフェルローンは淡々とした口調でこう言う。
「魔術が暴走してる。ここに居たら何が起こるか分からない」
その言葉に、ディーンはサッと表情を硬くしながらこう尋ねた。
「おい、魔力の暴走って。それはどういう……」
「説明している暇はない。急げ」
目を怒らせ、至極冷静にそう告げるエフェルローンに、さすがのディーンも気圧され気味にこう言った。
「……わ、分かった。分かったよエフェル。で、その暴発までの猶予は?」
そう言って、辺りを抜け目無く警戒するディーンに、エフェルローンはきっぱりとこう言い切った。
「少なく見積もってあと十分強。急がないと命の保証は出来ない」
まるで他人事のようにそう宣告するエフェルローンに、ディーンは不可解そうにこう言った。
「おい、ちょっと待て。逃げろって言ったってお前……俺たちにはお前の[瞬間移動]があるじゃないか! 今ならまだ全然余裕だろう?」
そんなの腑に落ちない、と言わんばかりのディーンの言葉に。
エフェルローンは意を決したようにこう言った。
「俺は、行けない」
「……は、何だって?」
口をぽかんとあけて、呆気にとられるディーン。
そんなディーンに、エフェルローンは至極真面目な顔でこう言い放った。
「俺は、お前たちとは一緒に行かない」
「おいおい、ちょっと待て。まさか、本気じゃないよなぁ、おい」
口元は笑いながらも、エフェルローンの真意を深く探るように、鋭く双眸を光らせるディーン。
そんなディーンの執拗な視線から逃れようとするかのように。
エフェルローンはつと視線をそらすと、ディーンの心配を一蹴するように鼻で笑ってこう言った。
「本気だよ。どうしても、言われた命令を果たしたくてさ。上からの命令は、確か……アデラの捕獲もしくは殺害、魔法陣の破壊。そしてこの少女の保護、だろ? アデラを取り逃がした今、出来るだけ多くの成果を上げないと次の昇進の査定に響くってね。お前だって行きたいだろ、上に」
そう言って口の端を吊り上げるエフェルローン。
その尤もらしい答えに。
ディーンは一瞬、憮然とした顔で口を開きかけるも、すぐに諦めたようにこう言った。
「……理解できないとは言わないが、賛同は出来ない。でも、お前がそうと決めたんならしょうがない。ただ……姉君を、リアさんだけは悲しませるようなことはするなよ」
真面目な顔でそう言うディーンに。
「ああ、分かってる」
そう言って、エフェルローンはニヤリと笑ってみせる。
そして、辺りをびくびくと警戒しているダニーを見と、エフェルローンは苦笑気味にこう言った。
「それと、ダニーを頼む」
そんなエフェルローンに、ディーンは不敵に笑って見せるとこう言った。
「……ああ。任せろ」
そして、無駄にきょろきょろしているダニーの細い肩をぐいと掴むとこう怒鳴る。
「ほら、行くぞダニー!」
しかし――。
「……で、出来ません! そんなこと……」
何を思ったか、小心者のダニーがこの危機的状況に及んで急に自我を発揮し始めた。
「先輩を、クェンビー先輩を置いて行くなんて!」
その言葉に、ディーンの表情がみるみる険しくなっていく。
「あのなあ、ダニー。状況を冷静に考えろ。俺たちは今、ここから逃げるのが先決だ。行くぞ」
だが、ダニーは一向にその場を動く気配がない。
ディーンはチッと舌打ちし、怒鳴って言った。
「いいから、行くんだよ!」
そう苛立たしげにダニーの腕を掴み、ぐいと引っ張るディーンに。
ダニーは必死の抵抗をしながらこう言った。
「でも先輩、クェンビー先輩を残していくなんてやっぱり僕には――!」
そう言って、ディーンの手を跳ね除けようとするダニーを、ディーンは鋭く睨むとこう言った。
「じゃあ聞くが。お前に何が出来る? 子供みたいな安っぽい正義感なんざ、生きるか死ぬかのこの場にゃ邪魔なだけだ。そんなもの捨てちまえ。俺の言ってることの意味、わかるよな……分かるなら、とっとと着いてこい」
その、凄みの効いたディーンの言葉に。
ダニーの両肩が病的にびくりと跳ね上がる。
そして、唇をふるふると震わせると、ダニーはがっくりと肩を落としながらこう言った。
「……はい、先輩」
こうして。
ディーンとダニーは、それ以上言葉を交わすことも後ろを振り返ることもなく、無言でこの場を後にするのだった。
二年前、自身の絶大な魔力を制御できず、村ひとつ消し去ってしまったという、アルカサール王国の歩く無差別大量破壊兵器。
「大量殺人者だぞ? 見殺しにしたところで上だって文句は言わないだろうさ」
そんなディーンの人権を無視した言葉に。
エフェルローンは不快感も露にこう怒鳴った。
「殺人者だからって、殺して言い理由にはならない! 殺すか殺さないか、それを決めるのは法だ。間違っても俺たちじゃない!」
そう正論を吐くエフェルローンに。
ディーンは無慈悲にもこう言い切った。
「だが、俺たちは無敵じゃない。それに、正論だけじゃ正義は守れはしない。何かを取れば、別の何かを失う。任務成功を取るなら……分かるだろ、エフェル」
「…………」
確かに。
ディーンの体力もダニーの体力も、限界が近付いているのは事実。
それに何より、悪魔召喚の魔法陣の状況は一刻を争っている。
アルカサールの国民をむざむざと悪魔の餌食にする訳にはいかない。
それはある意味、ディーンの言っていることを暗に裏付けている。
――何かを取れば、別の何かを失う。
(多くの命には代えられない、か)
エフェルローンはそう意を決すると、台座に焦点を絞り込む。
そして、流暢な[古代上級魔法語]で呪文の詠唱を開始した。
それは、息を深く吸って吐くぐらいの短い時間。
その短い時間の間に。
無意識に少女を目で追っていたエフェルローンの視線は、少女の視線とぶつかる。
「…………」
少女の瞳から、涙が一粒零れ落ちる。
それは、「生きたい」と願う少女の無言の抵抗――。
その瞬間。
エフェルローンの呪文が意図せずに発動した。
「しまっ……」
[紫電の雷]は吸い込まれるように、台座目掛けて垂直に落ちていく。
そして、案の定。
雷は台座を外れ、魔法陣の一部を破壊し、消えた。
それを見た瞬間。
女魔術師アデラは舌打ちし、直ぐに呪文を唱え始めた。
それに呼応するかのように。
アデラの周りの空間がゆっくりと歪み始める。
([瞬間移動]か!)
そんなエフェルローンの予想を肯定するかのように、アデラの姿が次第におぼろげになっていく。
「ディーン! [瞬間移動]だ!」
叫ぶエフェルローンにディーンが素早く反応する。
「させるかよ!」
彼は、女魔術師の正面に迫ると、その懐に一気に飛び込んだ。
「ダニー、アデラに[気絶]!」
「は、はい!」
エフェルローンの指示に、ダニーが素早く反応する。
唱えられる呪文。
そして、懐に飛び込んだディーンがアデラ目掛け長剣を振り下ろしたその瞬間――。
女魔術師の呪文は完成し、アデラは異空間に消えて居なくなった。
「逃がしたか……」
周りを注意深く見まわすエフェルローン。
「……いないな」
苦々しくそう呟くディーンに、ダニーも辺りをびくびくと見渡しながらこう言った。
「け、気配を感じません」
呆然と立ち尽くす三人の憲兵。
今までの喧騒が嘘のように。
地下空洞は、まるで水を打ったかのようにしんと静まり返っている。
と、そんな異様な静けさを早々に打ち破ったのは、憲兵騎士のディーンであった。
彼は、若干疑いを孕んだ瞳でエフェルローンを見遣ると、皮肉混じりにこう言った。
「それにしても、台座の破壊の失敗だと? お前にしては珍しいな、エフェル」
ディーンの、意地の悪いその物言いに。
エフェルローンは素直に頭を下げるとこう言った。
「済まない、集中力が乱れた」
「ったく、しょうがないな。それにしても」
そう言って、アデラの消えた空間を見つめながら、ディーンは悔しそうにこう言った。
「アデラの奴、上手く逃げやがって……くそが」
正義感の強いディーンは苦々しくそう呟くと、酷く悔しそうに舌打ちする。
アデラがどこに逃げたのかは定かではないが、なぜアデラが逃げたのかは、エフェルローンには分かっていた。
統制を失いつつある禍々しい気配をじっと見据えながら。
エフェルローンはディーンに向かってこう言った。
「ディーン、今すぐここから撤退しろ」
呪文の破壊の失敗――それは、魔術の暴走を意味する。
爆発するか、呪われるか……何が起こるかわからない非常事態。
アデラが逃げるもの当然、といったところだろう。
となれば、もうここに留まる理由は無い。
「あ? どういうことだ、おい……」
台座の呪文の破壊を失敗させたこともあるだろう。
ディーンが射殺すような眼差しでエフェルローンを据える。
腹の底から響くようなその声音は低く、ディーンの並々ならぬ憤りがひしひしと感じられた。
そんな怒り心頭のディーンを前に、エフェルローンは淡々とした口調でこう言う。
「魔術が暴走してる。ここに居たら何が起こるか分からない」
その言葉に、ディーンはサッと表情を硬くしながらこう尋ねた。
「おい、魔力の暴走って。それはどういう……」
「説明している暇はない。急げ」
目を怒らせ、至極冷静にそう告げるエフェルローンに、さすがのディーンも気圧され気味にこう言った。
「……わ、分かった。分かったよエフェル。で、その暴発までの猶予は?」
そう言って、辺りを抜け目無く警戒するディーンに、エフェルローンはきっぱりとこう言い切った。
「少なく見積もってあと十分強。急がないと命の保証は出来ない」
まるで他人事のようにそう宣告するエフェルローンに、ディーンは不可解そうにこう言った。
「おい、ちょっと待て。逃げろって言ったってお前……俺たちにはお前の[瞬間移動]があるじゃないか! 今ならまだ全然余裕だろう?」
そんなの腑に落ちない、と言わんばかりのディーンの言葉に。
エフェルローンは意を決したようにこう言った。
「俺は、行けない」
「……は、何だって?」
口をぽかんとあけて、呆気にとられるディーン。
そんなディーンに、エフェルローンは至極真面目な顔でこう言い放った。
「俺は、お前たちとは一緒に行かない」
「おいおい、ちょっと待て。まさか、本気じゃないよなぁ、おい」
口元は笑いながらも、エフェルローンの真意を深く探るように、鋭く双眸を光らせるディーン。
そんなディーンの執拗な視線から逃れようとするかのように。
エフェルローンはつと視線をそらすと、ディーンの心配を一蹴するように鼻で笑ってこう言った。
「本気だよ。どうしても、言われた命令を果たしたくてさ。上からの命令は、確か……アデラの捕獲もしくは殺害、魔法陣の破壊。そしてこの少女の保護、だろ? アデラを取り逃がした今、出来るだけ多くの成果を上げないと次の昇進の査定に響くってね。お前だって行きたいだろ、上に」
そう言って口の端を吊り上げるエフェルローン。
その尤もらしい答えに。
ディーンは一瞬、憮然とした顔で口を開きかけるも、すぐに諦めたようにこう言った。
「……理解できないとは言わないが、賛同は出来ない。でも、お前がそうと決めたんならしょうがない。ただ……姉君を、リアさんだけは悲しませるようなことはするなよ」
真面目な顔でそう言うディーンに。
「ああ、分かってる」
そう言って、エフェルローンはニヤリと笑ってみせる。
そして、辺りをびくびくと警戒しているダニーを見と、エフェルローンは苦笑気味にこう言った。
「それと、ダニーを頼む」
そんなエフェルローンに、ディーンは不敵に笑って見せるとこう言った。
「……ああ。任せろ」
そして、無駄にきょろきょろしているダニーの細い肩をぐいと掴むとこう怒鳴る。
「ほら、行くぞダニー!」
しかし――。
「……で、出来ません! そんなこと……」
何を思ったか、小心者のダニーがこの危機的状況に及んで急に自我を発揮し始めた。
「先輩を、クェンビー先輩を置いて行くなんて!」
その言葉に、ディーンの表情がみるみる険しくなっていく。
「あのなあ、ダニー。状況を冷静に考えろ。俺たちは今、ここから逃げるのが先決だ。行くぞ」
だが、ダニーは一向にその場を動く気配がない。
ディーンはチッと舌打ちし、怒鳴って言った。
「いいから、行くんだよ!」
そう苛立たしげにダニーの腕を掴み、ぐいと引っ張るディーンに。
ダニーは必死の抵抗をしながらこう言った。
「でも先輩、クェンビー先輩を残していくなんてやっぱり僕には――!」
そう言って、ディーンの手を跳ね除けようとするダニーを、ディーンは鋭く睨むとこう言った。
「じゃあ聞くが。お前に何が出来る? 子供みたいな安っぽい正義感なんざ、生きるか死ぬかのこの場にゃ邪魔なだけだ。そんなもの捨てちまえ。俺の言ってることの意味、わかるよな……分かるなら、とっとと着いてこい」
その、凄みの効いたディーンの言葉に。
ダニーの両肩が病的にびくりと跳ね上がる。
そして、唇をふるふると震わせると、ダニーはがっくりと肩を落としながらこう言った。
「……はい、先輩」
こうして。
ディーンとダニーは、それ以上言葉を交わすことも後ろを振り返ることもなく、無言でこの場を後にするのだった。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
元聖女だった少女は我が道を往く
春の小径
ファンタジー
突然入ってきた王子や取り巻きたちに聖室を荒らされた。
彼らは先代聖女様の棺を蹴り倒し、聖石まで蹴り倒した。
「聖女は必要がない」と言われた新たな聖女になるはずだったわたし。
その言葉は取り返しのつかない事態を招く。
でも、もうわたしには関係ない。
だって神に見捨てられたこの世界に聖女は二度と現れない。
わたしが聖女となることもない。
─── それは誓約だったから
☆これは聖女物ではありません
☆他社でも公開はじめました
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス

幼少期に溜め込んだ魔力で、一生のんびり暮らしたいと思います。~こう見えて、迷宮育ちの村人です~
月並 瑠花
ファンタジー
※ファンタジー大賞に微力ながら参加させていただいております。応援のほど、よろしくお願いします。
「出て行けっ! この家にお前の居場所はない!」――父にそう告げられ、家を追い出された澪は、一人途方に暮れていた。
そんな時、幻聴が頭の中に聞こえてくる。
『秋篠澪。お前は人生をリセットしたいか?』。澪は迷いを一切見せることなく、答えてしまった――「やり直したい」と。
その瞬間、トラックに引かれた澪は異世界へと飛ばされることになった。
スキル『倉庫(アイテムボックス)』を与えられた澪は、一人でのんびり二度目の人生を過ごすことにした。だが転生直後、レイは騎士によって迷宮へ落とされる。
※2018.10.31 hotランキング一位をいただきました。(11/1と11/2、続けて一位でした。ありがとうございます。)
※2018.11.12 ブクマ3800達成。ありがとうございます。
神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか
佐藤醤油
ファンタジー
主人公を神様が転生させたが上手くいかない。
最初は生まれる前に死亡。次は生まれた直後に親に捨てられ死亡。ネズミにかじられ死亡。毒キノコを食べて死亡。何度も何度も転生を繰り返すのだが成功しない。
「神様、もう少し暮らしぶりの良いところに転生できないのですか」
そうして転生を続け、ようやく王家に生まれる事ができた。
さあ、この転生は成功するのか?
注:ギャグ小説ではありません。
最後まで投稿して公開設定もしたので、完結にしたら公開前に完結になった。
なんで?
坊、投稿サイトは公開まで完結にならないのに。

【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。

【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる