パサディナ空港で

# １２６ 解散ライブ

＊月＊日

   昨日、国民的アイドルグループ、『Doup』の解散ライブで死亡事故が発生した。

   Doupは紅白出場を果たしたばかりで勢いがあるはずだが、絶対エースであるセンターのアンジュがドラッグやらハンシャとの繋がりをかねてから噂されており、突然の解散発表はイメージを刷新する意味あいがあるのではないかというのが事情通の大方の見解。

   同グループは現体制が終了、今月よりオーディションを開始、メンバーを総入れ替えしまったく新たなグループとしてリスタートする予定だったが、あまりにもファンと現メンバーを無視した運営の人事に現在SNS等で大炎上しているが、死亡事故が発生し火に油を注ぐ状況となった。

   事故は、現体制ラストの楽曲、ラストのステージ中に発生した。

   ひとりのヲタクが警備をくぐりぬけ、上手からステージに上がるや、一気にパフォーマンスするメンバーの前を駆け抜けて、ステージ中央から客席に向けてダイブした。

   しかし、そもそも大きな会場であるため、オールスタンディングの観客席までにはかなりの距離があり、じかに床に激突。緊急搬送されたが、頭蓋骨陥没、直接の死因は頚椎がへし折れたための窒息死と見られている。

   問題なのは、彼のそのセンセーショナルな死だけではなく、彼は己の死をもって運営に抗議したのではないか、ということだった。

   SNSでの大炎上は、オミクロンのように勢いを増すばかりで一向に収まる気配はない。