パサディナ空港で

トリヤマケイ

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#66 銀河

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*月*日

    エレベーターは急降下していく地下24階まで。もう一度だけ会って愛してると言いたかった。想い出が走馬灯のようにぐるぐる回転している。

   まっすぐ落ちているはずなのに錐揉みのようにスピンしていく。そのめくるめく眩暈の中で張り裂けそうな胸の痛みを消し去ってほしかった。

   どこかの銀河が見えはじめた。
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