パサディナ空港で

トリヤマケイ

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#60 認識

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*月*日

ある朝、鏡を見たら鏡の中に白石麻衣がいた

えー!!   
となったが、無視を決め込んだ

たぶん、脳が狂いはじめている

その証拠に、会社でも誰も白石麻衣である私を見て、驚いたりしない

私たちの見ているこの世界は、ダイレクトに見たままを認識しているのではない

あくまでも、目で見たものは脳を通過して私たちに認識される

目は、レンズだけの役割であり、認識は行なってはいない

不思議なもので、退社する頃には白石麻衣である自分に慣れていた

一日中男性だけでなく、女性からも熱い視線を浴びせられた

美人も大変なんだなと思い、とにかくこれからは白石麻衣として生きていこうと思った

翌朝、鏡を見たら
そこには
驚愕した表情を浮かべる
美人がいた

齋藤飛鳥 だった
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