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#41 メルトダウン
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おれはといえば、決まりきったレールをただ走り続けることには、もうとうの昔に飽いているのだ。飽いたなどと、贅沢な悩みだということもわかっている。わかっているけれども、絶叫しながらすべてを破壊しつくしたいという欲望が耐えがたく膨満し、メルトダウン寸前なのだった。
隣で砂浜に打ち上げられたセイウチの屍体のように吊革にぶら下がりながら居眠りしているテレビン油を塗布されたように光るザビエル禿げの頭をもたげたままの男も、この不条理に過ぎる世界から遁走もせずに生き抜いているのだから、少なくともおれよりも遥かに強い男なのだ、なんの疑問もなく生きているわけもない。
おれはといえば、決まりきったレールをただ走り続けることには、もうとうの昔に飽いているのだ。飽いたなどと、贅沢な悩みだということもわかっている。わかっているけれども、絶叫しながらすべてを破壊しつくしたいという欲望が耐えがたく膨満し、メルトダウン寸前なのだった。
隣で砂浜に打ち上げられたセイウチの屍体のように吊革にぶら下がりながら居眠りしているテレビン油を塗布されたように光るザビエル禿げの頭をもたげたままの男も、この不条理に過ぎる世界から遁走もせずに生き抜いているのだから、少なくともおれよりも遥かに強い男なのだ、なんの疑問もなく生きているわけもない。
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