パサディナ空港で

トリヤマケイ

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#18 黒い黒いつややかな

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*月*日

   小さな灯火を片手に、裏山ではなにが起こっているのかと気にしつつ、実験のためならばこの命を落とすことさえも厭わないなどと嘯くおまえは、黒い爪のマニキュアよりもさらに黒い黒い艶やかな陰毛を生やしている。整合性などいらない。要は、好きか嫌いか、それだけだ。
   空からは幾千万の銀の針。この命尽きるまできみを愛す。抱きついてきみの匂いをかぐ。唇を吸う。気が遠くなりながら頭の片隅で考える。台風はどうなったんだろう。
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