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制御不能パワー発動 数秒前
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ケンはその時、ハンバーグやラーメン、餃子、海老チリ、オムライスといった大好きな食べ物に脳内を占領されかけていたが、いったんそれらは置いといて。
とはいっても飯テロ脳内映像は、なかなか手強いのだったが、とりあえずトリアージュを考えろよと自分に言い聞かせる。
脳内でいくら想像しても文字通りの絵空事なのだから、実際にハンバーグやらラーメン、餃子、海老チリ、櫃まぶし、天麩羅、お寿司を腹一杯食べたいならば、このどうしようもない事態をどうにかしなければ、一向に埒はあかないのだ。
では、ケンはどうしたらいいのか。また寝逃げして夢の中で美味しいものを爆食いするのか、あるいは、脳の視床下部にある満腹中枢をだまくらかすために、血糖値を上げまくるのか。
満腹中枢が司令を出して満腹感を得るには、ある程度の時間が必要で、だからゆっくりと時間をかけて食事すれば、腹一杯にならなくても満腹感は得られるということらしい。
つまり脳のメカニズムを逆手に取るということだが、それを使って何かできないかとケンは考えた。
いま、ケンの脳はケンが身体の右側を下にして、床に横倒しになっていると認識している。その認識を外したらどうなるか。
ケンは、いつもバカだが、もっと極めつけのバカになろうと決心し、目ん玉と顔の筋肉をデタラメに動かしはじめた。瞼をパチパチやりなから目玉をグルグル回して、それと一緒に口を大きく開け下顎をガクガクさせながら、鼻の下を伸ばしたり口をすぼめたり、笑顔を作り口角をあげてへへへへへかケケケケケでもいいが、ハンパない大声を出して笑う。1分くらいを目安に超スピードでその表情筋エクササイズみたいなのを何回もやってみた。
超スピードというのがコツだ。すると、どうだ。かなりくる。クスリなんていらない。ケケケケケ結構これでぶっ飛べる!
それでもダメなきみ? キミには、とっておきの悩殺?プレイを教えよう。ケンは、経験から知っていた。子どもの頃、たまたまやったら空を飛べたのだ。
平たく言えば、なんのことはただ目が回ったということなのだが、目が回ったと言っても身体は椅子に座っていたり、床に胡座をかいて座っているのに、これをやると完璧に身体が浮き上がる。
つまり、座ったままで幽体だけが身体から1メートルくらい飛び出して、浮かんでいたとケンは思っている。まあ、良い子の皆さんにはオススメしないが、そんなやり方もある。
それで、具体的に何をどうしたらいいのかといえば、要は簡単で、ただ思い切り頭をグルングルン回せばいい。2拍子?のヘドバンではない。グルングルン回すのだ。やがて、あなたに奇跡が訪れ空中にふわりと舞い上がれる。
出来たらラッキー! そんな感じだ。ケンもまったく突然に自分でも何をやり出したのかと思いながら、頭をグルングルン高速回転させた、小学生の時のそのはじめての経験がいちばんうまく幽体を飛ばせた気がする。
そして、いままたケンはあの時のうまくいった経験を思い出しながら、グルングルングルンと頭を回しはじめた。そして、それと同時に90度傾いている身体は、実は横倒しになどなっていずに、まっすぐ立っているんだと繰り返し繰り返し強く心に念じた。
発狂したみたいに表情筋をめちゃくちゃに猛スピードで蠢かしながら頭を振りまくる、ちょっとやってみてほしい誰にも見られる心配のない時に限るけど。恋人に見られてしまったら、交際は終了だろうし、婚約者に見られたならば婚約破棄はまず間違いないだろう。
超スピードがコツと言ったが、もうひとつマジにこれ以上やったらもう戻って来れないギリギリまで真剣にやらないと飛べないと思う。そんなに甘くはない。
ゴブリンやスライムをコツコツ倒してステータス上げるというのも努力がちゃんと報われるのがわかるので楽しいが、このリアルの世界に簡単に殺せて罪悪感をあまり感じさせない都合いいゴブリンやオークなどいない。角兎もいない。いや、ケンのやろうとしていることは魔法ではないのだから、錆びた短刀を振りかざしてくるミドリの小鬼をいくら倒したところで、サイキックとかのパワーは上がるわけではないと思うのだが、でも前人未踏かもだけど、超能力と魔法のハイブリッドというのもあったっていいんじゃないか。
ケンは、そう思ったりするのだが、とにかく自分で手探りでやっていくしかないのだから、大変だ。もしケンにそんな秘められたパワーがあるならば、それは確かに神様からのギフトだろうが、その後どうやってそのパワーを発動すればいいのかさえわからないだろう。魔法の書みたいな超能力のノウハウを教えてくれる本を読んだことはない。
技は自分で磨いていくしかない。ケンは中学の頃にナオトに言われてスプーン曲げをしたことがきっかけで、超常的な現象が起こることを身を以て知った。
その時、スプーン曲げなんて楽勝やろ、やろうぜと言い出した、言い出しっぺのナオト自身は、からっきしダメだったのたが、ケンはナオトの家のスプーンやフォークを数本使い物にならないくらいに曲げてしまったのだった。
とはいっても飯テロ脳内映像は、なかなか手強いのだったが、とりあえずトリアージュを考えろよと自分に言い聞かせる。
脳内でいくら想像しても文字通りの絵空事なのだから、実際にハンバーグやらラーメン、餃子、海老チリ、櫃まぶし、天麩羅、お寿司を腹一杯食べたいならば、このどうしようもない事態をどうにかしなければ、一向に埒はあかないのだ。
では、ケンはどうしたらいいのか。また寝逃げして夢の中で美味しいものを爆食いするのか、あるいは、脳の視床下部にある満腹中枢をだまくらかすために、血糖値を上げまくるのか。
満腹中枢が司令を出して満腹感を得るには、ある程度の時間が必要で、だからゆっくりと時間をかけて食事すれば、腹一杯にならなくても満腹感は得られるということらしい。
つまり脳のメカニズムを逆手に取るということだが、それを使って何かできないかとケンは考えた。
いま、ケンの脳はケンが身体の右側を下にして、床に横倒しになっていると認識している。その認識を外したらどうなるか。
ケンは、いつもバカだが、もっと極めつけのバカになろうと決心し、目ん玉と顔の筋肉をデタラメに動かしはじめた。瞼をパチパチやりなから目玉をグルグル回して、それと一緒に口を大きく開け下顎をガクガクさせながら、鼻の下を伸ばしたり口をすぼめたり、笑顔を作り口角をあげてへへへへへかケケケケケでもいいが、ハンパない大声を出して笑う。1分くらいを目安に超スピードでその表情筋エクササイズみたいなのを何回もやってみた。
超スピードというのがコツだ。すると、どうだ。かなりくる。クスリなんていらない。ケケケケケ結構これでぶっ飛べる!
それでもダメなきみ? キミには、とっておきの悩殺?プレイを教えよう。ケンは、経験から知っていた。子どもの頃、たまたまやったら空を飛べたのだ。
平たく言えば、なんのことはただ目が回ったということなのだが、目が回ったと言っても身体は椅子に座っていたり、床に胡座をかいて座っているのに、これをやると完璧に身体が浮き上がる。
つまり、座ったままで幽体だけが身体から1メートルくらい飛び出して、浮かんでいたとケンは思っている。まあ、良い子の皆さんにはオススメしないが、そんなやり方もある。
それで、具体的に何をどうしたらいいのかといえば、要は簡単で、ただ思い切り頭をグルングルン回せばいい。2拍子?のヘドバンではない。グルングルン回すのだ。やがて、あなたに奇跡が訪れ空中にふわりと舞い上がれる。
出来たらラッキー! そんな感じだ。ケンもまったく突然に自分でも何をやり出したのかと思いながら、頭をグルングルン高速回転させた、小学生の時のそのはじめての経験がいちばんうまく幽体を飛ばせた気がする。
そして、いままたケンはあの時のうまくいった経験を思い出しながら、グルングルングルンと頭を回しはじめた。そして、それと同時に90度傾いている身体は、実は横倒しになどなっていずに、まっすぐ立っているんだと繰り返し繰り返し強く心に念じた。
発狂したみたいに表情筋をめちゃくちゃに猛スピードで蠢かしながら頭を振りまくる、ちょっとやってみてほしい誰にも見られる心配のない時に限るけど。恋人に見られてしまったら、交際は終了だろうし、婚約者に見られたならば婚約破棄はまず間違いないだろう。
超スピードがコツと言ったが、もうひとつマジにこれ以上やったらもう戻って来れないギリギリまで真剣にやらないと飛べないと思う。そんなに甘くはない。
ゴブリンやスライムをコツコツ倒してステータス上げるというのも努力がちゃんと報われるのがわかるので楽しいが、このリアルの世界に簡単に殺せて罪悪感をあまり感じさせない都合いいゴブリンやオークなどいない。角兎もいない。いや、ケンのやろうとしていることは魔法ではないのだから、錆びた短刀を振りかざしてくるミドリの小鬼をいくら倒したところで、サイキックとかのパワーは上がるわけではないと思うのだが、でも前人未踏かもだけど、超能力と魔法のハイブリッドというのもあったっていいんじゃないか。
ケンは、そう思ったりするのだが、とにかく自分で手探りでやっていくしかないのだから、大変だ。もしケンにそんな秘められたパワーがあるならば、それは確かに神様からのギフトだろうが、その後どうやってそのパワーを発動すればいいのかさえわからないだろう。魔法の書みたいな超能力のノウハウを教えてくれる本を読んだことはない。
技は自分で磨いていくしかない。ケンは中学の頃にナオトに言われてスプーン曲げをしたことがきっかけで、超常的な現象が起こることを身を以て知った。
その時、スプーン曲げなんて楽勝やろ、やろうぜと言い出した、言い出しっぺのナオト自身は、からっきしダメだったのたが、ケンはナオトの家のスプーンやフォークを数本使い物にならないくらいに曲げてしまったのだった。
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