妹と結ばれなかった俺は世界征服始めました。

授業はいつも退屈である

おい、神谷寝てないで、授業聞けよ。
俺だってなぁ、お前みたいな無能生徒に教えたくねぇんだよ」

と先生が誰かにキレている。いや、誰かじゃないな。
神谷って言ったから俺しかいない。

怒っている理由はみての通り寝ているからだろう。

先生が怒っているので一応返事をしておく。


「先生、すみません。これからは、つまらない先生たちの授業を受けれるよう、勉めたいと思います」

と心を込めて謝ったが、

「おい、聞いたかよ。最下位の奴が調子に乗ってるぜ。キッも」

「神谷君って本当迷惑だよね。寝るなら、学校来ないで欲しい」

「だよね！うざい。死ねばいいのに」


とクラスメートたちが口々に俺を罵倒する。


まぁ、しょうがないかな。でもよ、流石に「死ねばいいのに」は言いすぎじゃないか？

鋼のメンタルを兼ね備えた俺でも即死レベルだぜ？

一方先生は、

「前原、次はないぞ？」

と今にも人を殺しそうな目をして怒鳴り授業を開始した。




　　　　　　　昼休み


「ねぇ、祐人君、何で授業真面目に受けないの？楽しいのに。」
と昼休みに可愛らしい少女が聞いてきた。

「前にも言ったが、つまらない。

一花は、楽しいかも知れないが俺にとっては、辛いだけなんだ。
それにな、俺は無能なんだよ。そうだ、ことわざで例えるなら、犬に落語とかだな。」

「祐人君って国語出来ないだね？犬に落語じゃなくて犬に論語だよ！気を付けてね！」

と一花は可愛くウィンクしながら間違えを直してくれる。少し心がピョンピョン跳ねたぜ。


「え？そうだっけ？まぁどっちでもいいいが、話を戻すとだな、俺は授業なんて辛いだけだ。」

「そうかな～でもさ、でもさ、楽しい授業もあるよね？ね？」

と目を輝かせながら一花は聞いてくる。

一花と呼んだ少女は俺の幼馴染である
神林一花だ。
一花とは幼稚園からの幼馴染みであり、
美人か可愛いかと聞かれたら「可愛いです」と即答できるほどだ。

でも、一花は可愛いだけじゃなく、ランキング五位の成績を持っている。

言い忘れていたが、ランキングとは

この学校では生徒を知能、異能が高い順に格付けされている。
全生徒、何百人以上いる中の五位に入るのは結構凄いことだ。

一方の俺は、悲しいことに最下位だ。理由は沢山あるが後々語ろう。

そんなことをぼんやり思っていると、一花が俺を呼ぶ。


「おーい、祐人君！どうしたの？急にぼーっとして、大丈夫？」

と一花が尋ねる。


「ああ、大丈夫だ。
それよりだ、一花は俺みたいな無能な奴と大事な、大事な昼休みを過ごしていいのか？」

「もーさっきから自分を卑下してばっかりで良くないよ。
私はね、祐人君が有能とか無能とか関係ないの！
私は、祐人君と居たいから居るの。いやかな？かな？」

怒っているような、悲しい顔をしている。


そんな悲しい顔されたら・・・・


「私は、悠人君と居たいから居るの。いやかな？かな？」だと？

俺だって居たいさ。



だが、この先の未来がそれを許さないだろう。