黄龍漫遊記

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成長編 南へ

朱雀と鸞と鳳凰

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新しく生まれ変わった小朱雀は欣喜雀躍している

生まれ変わったのが嬉しいのか
生まれ変われたのが嬉しいのか
大喜びでルーンの周りを翔び周る
主人様あるじさま主人様あるじさま♪ありがとうございます♪」

「「「「羨ましいな♪」」」」

「「「「一番年若い雛朱雀が♪」」」」

「「「「私達の中で一番立派な緋色になった♪」」」」
歌いながら乱舞する小朱雀達

新たな小朱雀の羽根色は金と藍混じりの朱に落ち着いたようだ


ポェニクスがその光景をジッと見ている
そして、おもむろに声をだす
『新たに生まれ変わった其方そちに名を授ける』

『妾が思考するに、其方そちは次代の華焔宮の主人あるじと成る』

『であるならば、他の子達には無い名が必要になるでの』

「勿体のぅございます」

「「「「わぁ、羨ましいな♪」」」」

『では…其方そちの名は【ラン】とする』

ランの羽根がパアッと一瞬輝き
ポェニクスも一瞬輝き纏う炎が明滅しだした

「ポェニクス様、ありがとうございます♪戴いた名を大事に致します♪」

『うむ……しかし変じゃな?名付けた途端に妾の炎が安定せぬようになった。新生はまだまだ先のはずじゃが…なんとしたことじゃ?』

「「「「ポェニクス様も生まれ変わられる?」」」」

「「「「でも、前回から50年も経ってないわ?」」」」

「「「「華焔宮にルーン様が来て、何か変化してる?」」」」

『んー、ルーンから何かしらの影響が出るのは仕方ないのかもしれぬの、それだけルーンの力は強大であるし…』

『そうなの?るーんはなんにもしてないよ?』

『あぁ心配しないでおくれ、ルーンが悪い訳ではないからの?ただ、初めて華焔宮に朱雀以外が入ったから色々と変化しておるのだろう…しかし、妾の新生はまだ早い…今のままでまともな新生出来るのじゃろうか…』

『ぽぇねーも こわい?』

『あぁそうじゃな、怖いな…新生は出来るのじゃが、あまりにも前新生から間がないでの。普通に朱雀として新生するのか未知数で怖いのぉ…』

『おてて つなごうか?』

『ルーンは優しいのお』
と、目を細めて手を出しルーンと手を繋ぐ

((((ドクン))))

『なんじゃ!?』
ポェニクスが明滅する

((((ドクン))))

ポェニクスの明滅が激しくなる

『いかん!!!!我が子達よ、妾は直ぐに新生する!ルーンと共に見守っておくれ』

「「「「はい!ポェニクス様!」」」」

「「「「大変、大変!」」」」

「「「「ルーン様、こちらへ」」」」

ポェニクスはルーンの手を離すと華焔宮入口から羽ばたき、一気に急上昇したかと思うと
反転し崑崙の溶岩へ突入する
そして一瞬で消滅した

ルーンと小朱雀と鸞が溶岩を凝視みつめること10分ばかり

溶岩全体が金色こんじきに輝きだし
中央から盛り上がっていき
眩ゆい金色の鳥が羽ばたき遥か高空へ翔ぶ
そして、ゆっくりと降りてきた時には輝きも落ち着き
緋色の鶏冠、黒・赤・青・白・黄の五色ごしきの羽根と五色五本の孔雀尾羽を持つ威風堂々とした巨大な鳥がった

『どうやら妾は進化したようじゃ』
ポェニクスが苦笑する
『妾は空を飛ぶ者達の王【鳳凰】になったと告げられた』

「「「「おめでとうございます♪」」」」

「「「「鳳凰様♪」」」」

「「「「鳳凰ポェニクス様♪」」」」

『わぁ ぽぇねー すごい♪おめでとー♪』

『ルーンや、ありがとう。これで妾はまたルーンと近しくなったえ』




鳳凰誕生は崑崙中腹の桃樿峡からも見え
仙人達が突如起こった瑞兆に狂喜乱舞していた
「あれは古来から伝承つたわる鳳凰ではないか!?」
「あの五色に輝く姿はそうに違いない!」
「新たなる聖帝がどこかで産まれたのやもしれぬ!」
「皇帝やもしれぬぞ?」
「いや、そんな時は城に降りてくると伝承わっている」
「であれば我々が悲願が叶う瑞兆だろう!」
「「「なるほど!」」」
「「「きっとそうだろう!」」」
あくまでも自分勝手な願望を曰う
そして、数人が桃樿峡から崑崙山頂を目指し登山し始める…



『しかし、この身体は些かいささ力が大き過ぎるみたいじゃ 上手く制御が効かぬ。ルーンは大丈夫じゃが、子達は暫く近寄るでないぞ?あまり近寄ると妾に吸収されるやもしれぬ』

「「「「承知いたしました!」」」」

『ラン、華焔宮の次代主人として小朱雀達を纏めなさい』

「承知いたしました鳳凰様」

『ルーン、妾と一緒に力の制御コントロールを練習するかえ?』

『あい ぽぇねーとがんばる』

「「「「ルーン様、頑張って♪」」」」


三日が過ぎた頃、並んで瞑想していたルーンとポェニクスは華焔宮の結界が揺らぐのを感じた
『うん?なんじゃあれは?』

「ポェニクス様、仙人共が数人登ってきました如何致しますか?」

『ふむ?ここ最近は無かったが何故なにゆえ急に?……ランが燃やし滅せ……いや…妾が出よう』

「宜しいのですか?」

『ふむ、滅する前に如何なる存念があるか聞いてみるのも良いかもしれぬな?』




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寝オチして公開が遅れてしまいました…

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