従順な俺を壊して

第二章 最強の男

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「亀ん家は風呂もでけぇな！多田来てみろよ！一緒に入れるぞ！」

お風呂がたまって公平なじゃんけんによって京介が一番に入ることになったのだが、浴室を見て広さに興奮しているようで脱衣所から多田を呼んでいる。

「何かごめんね、ずっと騒がしくて。」

「いいよ、楽しいから。2人ぐらいなら一緒に入れると思うから入ってきたら？」

「そうするよ。呼んでるし。」

そう言って向こうから早くしろよと呼んでいる京介に返事を返しつつ多田は脱衣所へと向かっていった。

一人暮らしのこの家だけでなく、実家も父親がほぼ不在なことと、親との仲もさほどに良くない俺の家は常に静かであり、こんなに騒がしいのは生まれて初めてである。
育ってきた環境はまるで違うが、この騒がしさは純粋に楽しかった。

「おーい亀ー！お前も行けるぞこれ！」

俺は時間つぶしに携帯をつついていたが、多田が行ってから少しすると今度は俺を呼ぶ声が響いてきた。
俺は自分の家なだけあって風呂場の広さを知っているが、いくら俺が細身だからと言っても男3人はきついだろうと、皆が風呂場に入っている姿を想像して笑ってしまう。

だが俺は分かっていつつも呼ばれて素直に脱衣所へと向かい、浴室に顔を覗かせる。

すると、京介と多田は狭い浴槽の縦幅に三角座りで入っており、人が一人入れそうな空間をあけて楽しそうに笑いながら待っていた。
俺はその光景をみて吹き出してしまう。

「そんなぎっちぎちで浸かるの？」

「滅多にねぇ裸の付き合いだ。いいじゃねぇか。お前も入れよ。」

「ほんと2人には敵わないな。準備するから待って。」

俺は楽しさの勢いのまま承諾し、服を脱いで2人に促されるまま湯船に浸かる。
するとお湯は俺の体積分だけ湯船から零れ落ち、本当に俺一人分ぴったりでその隙間に嵌る。