従順な俺を壊して

第二章 最強の男

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「俺のことは探ったりしないでよ？特に何もないけど。」

「不可抗力じゃない限りは態々調べたりしないよ。仲間とは対等でいたいしね。」

「それなら安心。鷹山で他に情報通っているの？」

「多田と競うレベルなら、久我だな。アイツは食えない男だ。目に止まったら最後、全部調べ上げられるぜ。知られたくないことがもしあるんなら、久我には喧嘩を売らないことだな。」

「久我のすごいところは、他人の情報は何でも手に入るのに、自分と囲った人物の情報は一切漏れないところだね。だから火神の情報も、知られていることは少ない。」

「プライベートは一切不明だからな、あの3人は。どこでたむろしてるのかすらも分からない。こいつですらもまともな情報は入らないぐらいだから、相手のほうが上手なのは事実だな。」

「俺だって京介の情報は食い止めてるんだよ？でも京介がバンバン喋るから。」

「俺別に隠すことねぇし。隠せとも言ってねぇよ。」

「別に知られなくたっていいこともあるんだよ。」

「俺はいいんだよ。家族に手を出すとかじゃなけりゃ何でも受けてたつし。」

多田からは純粋に京介を心配しているのが感じられる。
俺にはどんな情報がどれだけの価値を持ってどれだけの影響力があるのか計り知れず、俺自身のことも含めてどれだけ心配をすればいいのかは分からない。

京介は情報の怖さを知らないわけではないだろうが、それを踏まえたうえでも自分に弱みはないと思っている様子。
だけど、この中で一番情報の怖さを知っているのは情報を売る側である多田だろう。

だからこそ、京介にはもっと慎重になってもらいたいようだ。
自分が制することには限界があるからと。

2人は本当に深い絆があると一緒にいるとつくづく思う。
それが少し羨ましくもあるが、そんな2人と一緒にいさせてもらえるだけで俺は満足だった。