クッカサーリ騒動記

結城鹿島

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5女王、憤る

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「なぜ……」

長い間祈っていた少女――エルマに見つめられ、ティルダは僅かに緊張した。
なぜ、の続きはなんだろう。
エルマの外見は巡礼者としてはなんの目立つところもない。聖堂に案内され、しばらく様子を伺っていたが、本当にただの熱心な聖神教徒にしか思えない。
聖堂の中には、随分前からティルダとヨニとエルマの三人しかいなかった。その異変に気づき、眉を顰めたのも一瞬、再びエルマが呟いた。

「なぜ、あたしってわかったの?」

ティルダの反対側、エルマの右から警戒半分、苦笑半分のヨニが答える。

「なんであんたが殺人犯だって分かったか?ってことなら――。ここでの殺人事件が年に何件起こると思っているんだよ。五十年に一件あるかないかだぞ。見れば分かるってのは、ほんとなんだからな」

後半はティルダへのセリフだ。

「――――ウソでしょ? 観光客一人ずつ観察して回ったの? 近所の集まりじゃないんだから……」
「私だって聞いた時は驚いたわよ」

思わずティルダはぼやいた。クッカサーリ以外では、決して出来ないだろう調べ方だろう。
エルマはヨニとティルダの顔を見返し、目を瞬かせている。

「……驚いた。さすが信仰の街ってところかあ。探られてる感じはしなかったんだけどなあ」

「怪しい人間全員をそれとなく観察するのは骨が折れるんだぞ」

ヨニが言う様に確かに簡単ではない筈。
しかし、議員たちはそれをやってのけた。後で皆を労ってやらなければ。

「で、麓にラズワルディアの連中が来てるみたいだけど、クッカサーリがどういう理由でアタシを掴まえて引き渡すってのさ?」

まるで悪びれずにエルマは肩を竦めた。

「強盗殺人罪の容疑者の引き渡し要請に応じるだけよ。それが例え、亡くなられた友人の敵討ちだとしても、殺人は許されることじゃないわ」
「強盗殺人ねえ」

エルマがくっと口の端を歪めたるのを見て、ティルダは背筋に寒気が走った。
なんの変哲もない巡礼者のように見えても、彼女は殺人を犯しているのだ。その事実を改めて認識する。

「そっか、そっかあ……。そんなシナリオにされたのかあ。違うよ、アタシは命令を果たしただけ」
「命令って――」
「アタシは元々あのくそ貴族を暗殺するために、アイツの屋敷に潜り込んだの。あの子と……ミーラと友達になったのはたまたま。その方が屋敷を探りやすかったから。だから、かたき討ちなんかじゃないって」

――貴族の暗殺。だれに依頼されたのか、命じられたのか。

「……」
「まあ、ミーラが虐められてたのにムカついたはほんとだし、アイツを殺したのはいいけど、依頼主の所に戻るのが嫌になってさあ。戻るの止めちゃった」

てへっとエルマは笑った。ころころ変わる表情にティルダは困惑してしまう。

「エルマさん、盗みを働いたっていうのはどうなの? それは本当なの?」

盗品を取り戻すためにラズワルディアが強硬な態度に出てきたのか、どうなのか。

「まあね。嫌がらせがてら、他にも盗んで旅費のたしにいくらか貰ったけどさあ」

顎に手をあて、何事か考え込んでいたヨニが、溜息を吐いた。

「ひょっとして、何か盗むようにってのも命令されてか? 対象を処分するついでに。なのに持ち逃げしたのかよ?」

「そーう。察しがいいね、おにーさん。なんかの証拠の書類を。ざまあみろっての」

くつくつとエルマは笑う。

「どこに隠したんだ? 隠すためにクッカサーリに来たのか?」
「とっくに燃やした。ここに――クッカサーリに来てから」
「うわ……。潔いな。捕まった時の交渉材料無くっていいのかよ」
「別に深い考えがあったわけじゃなくて、なんかもういいやって思っただけなんだけどさ。クッカサーリでのんびりしてる内に」

あっけらかんと言ってのけるエルマを、ヨニは複雑そうな顔で見やる。

「確かに、クッカサーリに居るとラズワルディアの内輪揉めなんてどうでもよくなるよなあ……」

「なるほど、つまるところラズワルディアの内輪揉め、そういうことなのかもしれないわね……」

そのついでに求婚されては、たまったものじゃないが。

「でも、それでもやっぱり王子が出てくる案件ではないと思うけど……。よっぽど不味いことにその貴族は関わってたのかしら?」

なんの証拠を盗んだの――と続けようとして、ティルダは口を閉じた。エルマの暗い目にぶつかって。

「王子? 下にいる連中は王子が連れてるの? 王子がアタシのこと捕まえにきたって?」
「――ええ、そうよ」

あは、ははっと声を上げてエルマは笑った。泣いているように思えるのはティルダの気のせいだろうか。

「あんっのくそ宰相。マジでロクでもない。自分で貴族をそそのかして、自分で暗殺命令出して、王子に捕縛命令も出してりゃ世話ないっつうの」
「宰相、って……。ラズワルディアの宰相、アルドゥス・ガリバルディのこと?」
「そーう。暗殺の依頼主。というか、暗殺者養成所の責任者かな」
「暗殺者養成所……」

ようやくティルダは納得した。
ラズワルディアのあの強硬な態度も、これで意味がわかる。勿論、エルマが燃やしてしまった書類の回収をしたかったのもあるだろう。だが、彼女の存在そのものがラズワルディアにとっての脅威だから、だからあそこまで強硬で横柄な態度に出たのだ。
クッカサーリ側が捕まえられなくても、エルマがクッカサーリを出ればそれでいいと思ったのかもしれない。
ラズワルディアは強大な版図を治めるために、かなり民の側に立った法を運用している。上の人間が勝手に邪魔者を粛清するような国だとは、ラズワルディアの国民は勿論、周辺国のどこも思っていない。宰相の一存とは思えないから、王も加担しているのは間違いない。とすれば、エルマの存在は大陸を揺るがすスキャンダルになる。
絶句するティルダとヨニが可笑しいのか、エルマは更に声をあげて笑った。

「ああ、おかしい。ここへは、ミーラが熱心な聖神教徒だったか来てみたかっただけなの。迷惑かけたかな。一生に一度でいいから礼拝に来たいって言ってたからさあ。代りってわけでもないんだけど」

「それで、如何でしたか?」

突如、穏やかな声が割って入った。
祭壇から奥へ通じるドアが開かれ、祭服を纏った初老の人男性――バレンティンが現れた。

「私はバレンティン・アグリコラと申します」
「総司教さま……?」

ぽかんとバレンティンを見つめるエルマにヨニが告げる。

「あんたが犯人だって決め手は、司教たちの目だったんだ」
「司教たちに怪しい者を見なかったかと尋ねたら、貴女のことを挙げる者が多かったのです。熱心に通ってくれていたそうですね。貴女のことを気にする者は少なくありませんでしたよ。普通はここへ来る信者の方々は、みな赦しを求めています。なのに貴女は真逆、むしろ……許されたがっていないようだと。そして、きっと聖神を憎んでいると」

エルマは天井を見上げ、大きく息を吐いた。天井には、天と同一視される聖神そのものを表す星図が描かれている。擬人化された神像はここにはない。

「……さすが、坊主の本拠地。教会の人間なんてカネに汚い連中ばっかりかと思ってた。本場は違うねえ。――悪くなかった」

目を閉じて、エルマはそう零した。

「明日の朝、貴女をラズワルディアに引き渡すわ。――捕まえなさい、ヨニ」

エルマは一切の抵抗をしなかった。

                 ●

聖堂から連行したエルマを入国審査所に引き渡し、牢に入ったのを確認して王宮へ帰ると、唐突にヨニが言った。

「陛下、ムカついてしょうがないんだろ」

日が昇り、国境を開けたら彼女を引き渡す。そうするしかない。その約束だ。三日で探し出せたのだから、オルランドも文句は言えないだろう。そして、連行したエルマから資料の有りかを聞きだすのだろう。
――どんな方法でそれをするかはさておいて。
そして、資料がもうこの世に存在しないと解れば、クッカサーリにはこれ以上とやかく言ってはこないだろう。
(それでこの話はおしまい)
ただ、気に入らない。

「……彼女が人を殺したのは絶対に許されないことだわ。でも、黒幕が存在していて、そして、その黒幕にクッカサーリに脅しをかける手段にされたのは許したくないわね」
「もっと簡単に言えよ。俺相手にぐだぐだ云うなって」
「…………そうよ! 私はムカついてるの! 腹が立って仕方ないのよ。まだ暗殺者なんて作っていたなんて、ふざけた話を聞いて腹が立たない訳はないでしょう!!」

ティルダはラズワルディアの暗殺者を
その昔、父を殺しに来た暗殺者に会ったことがあるのだ。
個人としては、大陸中に陰険宰相の行いをばらしてやりたい。エルマ自身が告発したところで簡単に揉み消されるだろうが、クッカサーリの名で糾弾すれば他の国の追及も続き、無かったことには出来ないだろう。
しかし、それをしたら決定的にラズワルディアとの仲がこじれてしまう。ラズワルディアの逆鱗に触れてしまうかもしれない。ラズワルディアの中に存在するクッカサーリは虎の尾を踏むような真似はできない。精々、何かがあった時の切り札の棚に大人しく仕舞っておくだけだ。
それでいいのだと、理性では分かる。――貸しを作れるのだと。
エルマに罪がないとは思わない。
でも、エルマだけの罪ではない、と思う。彼女だけが断罪されるのは、納得できない。
(いっそ、弾劾状を大陸中に回してやろうかしら……)
なんて、剣呑な考えが頭に浮かぶ。

「陛下」

ぐるぐると悩んで俯くティルダの頬にヨニの両手が添えられた。
少しだけ、上を向かせられた。

「いま、不穏なこと考えてるだろ。そんなだったら俺に命令しろよ」
「……何を命令しろっていうのよ」
「やつらに一泡吹かせてこいって」
「そんなこと言えるわけないでしょ」
「じゃあ、命令はしなくていい。でも甘えろよ」

叔父に預けっぱなしの手紙をふと思い出し、ティルダは顔を赤らめた。
中は見られていないはずなのに、そんなことを言うのはズルい。

「だめ。軽々しいことは言えないってば」

自分は女王なのだから。ティルダはヨニの顔から視線を逸らした。

「そうだな……。まあ、そうだよな。それでこそ陛下ってとこだけど。……じゃあ、ちょっと出かけてくるから休暇をくれよ」
「休暇ってあなた、ヨニ……」

逸らしていた視線を戻すと、含み笑いのヨニに

「一泡吹かせに行ってくる」

どこまでも楽観的に言われた。

「約束は引き渡すところまでだろ?」
「それはそうだけど――」
「俺もムカついてんだよ」

何気なく、それでいて真摯な響きがヨニの言葉にあった。
ヨニもラズワルディアの暗殺者を知っている。
(そうだわ。ヨニこそ腹立たしいはず)
ティルダは未だ己の頬を固定するヨニの手に、自分の手を重ねて静かに言った。

「……ちゃんと戻ってくるなら、休暇をあげたっていいわ」

ヨニはへらりと笑みを浮かべた。そっとティルダの頬から手を放し、膝を折る。神の前で祈るが如く、両の膝を。そしてティルダの手を取り、甲にキスを落とし、厳かに誓った。

「必ず、貴女の元に帰ってきます。俺の家はここだから」

ティルダは無言で頷きを返した。


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