13 / 21
第4章 もつれた糸
田上の告白
しおりを挟む
田上はびっくりした。自分の感情にである。俺は翔子が好きだ!強くそう思う。自分のことよりも相手の事を思う。一緒にいたい。離れたく無いと思った。
この時、田上の中で何かが変わった。
「……」
そして翔子が田上の異変に気付く。どうしたのだろう?
翔子は気になった。今にも告白するつもりでいた翔子だったが、田上が急に無言になり、こちらを見つめてきたのだ。酔っぱらったのだろうか?
田上の気持ちはどんどん盛り上がってきた。しかし田上の気持ちとは裏腹に翔子は、今日、田上に告白をするのはやめようと考えはじめていたのだ。
悪魔の誘惑に乗せられて、こんな形で告白をして玉砕しても悲しいだけだ。
あげくの果てには悪魔の薬を使って先輩に対する恋心を無くしてしまおうなんて……それでは先輩を思い続けた、この2年間はどうなってしまうのだろう?
先輩を好きだったことも忘れてしまうのだろうか?
それはあまりにつら過ぎることだ。こんな薬はここに置いて今日はもう帰ろう。翔子がそう決心をして田上に帰りたい旨を伝えた時、事件は起こった!!
田上の口から信じられない言葉が飛び出してきたのだ。
「石原……俺……石原のことが好きだよ」
「!?」
翔子は一瞬、なんと言われたのか分からなかった。
田上先輩に「好きだよ」と言われた?まさか!
翔子は自分が飲みなれないお酒をたくさん飲んで、酔っぱらっているのだろうか?と疑った。
「先輩?」
翔子が田上の方を見ると田上の顔は、もしそんなものがあればの話だが、たこ焼き屋のたこの人形のように真っ赤になっていた。
田上は意を決してもう一度言う。
「石原のことが好きだ。どうだろう?俺と付き合ってくれないだろうか?」
「!?」
どう聞いてもきき違いでは無い!翔子は一瞬思考と動きがとまった。内心は先ほどの田上同様、口から火でも吹きそうなほどびっくりしていた。
「えっ!えっ!?先輩、本当ですか?」
信じられない!あの先輩が!私をからかっているのだろうか?それとも何か悪いものでも食べたのでは無いだろうか?
「まあ、石原、落ち着いて。いきなりこんな事を言っても石原もびっくりしてしまうよね」
本当は落ち着かなければいけないのは田上の方だが、相手が年下の女性なので少しは田上にも余裕があるようだ……
「返事はいつでもいいよ。俺、慌てないから」
「先輩、私……私……」
翔子は嬉しさのあまり、下を向いて泣き出してしまう……
周りにはたくさんの人がいるので田上はちょっと慌てたがどうすることも出来ない。
慣れないお酒でかなり酔っぱらっているのだろう。翔子の方も溢れ出てくる涙と感情をどうすることも出来なかった。
翔子は思う。先輩、私嬉しいです。ずっと先輩のこと好きでした……もちろん、これからもずっと先輩のことが好きです。
そのように翔子は田上に伝えたいのだが、泣いて呼吸が荒くなりうまく喋れない。
田上は田上で、自分のハンカチで涙を拭いてあげた方がいいのだろうか?それともハンカチをそっと渡すだけでいいのだろうか?いやまて、一度外に出たほうがいいのだろうか?と訳の分からないことで悩んでいる……
時間がたつにつれ、翔子は少し落ち着いてきた。
さあ、先輩に告白の返事をしよう!幸せだ!
翔子はこの時、かなり酔っていて、田上の告白でかなり舞い上がってもいた……
一度、呼吸を整えようと翔子は飲み物を一口飲むことにする……
そしてあろうことか翔子は、自分が蒼い華の蜜をいれたグラスを手に取った!!
そしていっきにそれを飲んでしまったのだ!!
この時、田上の中で何かが変わった。
「……」
そして翔子が田上の異変に気付く。どうしたのだろう?
翔子は気になった。今にも告白するつもりでいた翔子だったが、田上が急に無言になり、こちらを見つめてきたのだ。酔っぱらったのだろうか?
田上の気持ちはどんどん盛り上がってきた。しかし田上の気持ちとは裏腹に翔子は、今日、田上に告白をするのはやめようと考えはじめていたのだ。
悪魔の誘惑に乗せられて、こんな形で告白をして玉砕しても悲しいだけだ。
あげくの果てには悪魔の薬を使って先輩に対する恋心を無くしてしまおうなんて……それでは先輩を思い続けた、この2年間はどうなってしまうのだろう?
先輩を好きだったことも忘れてしまうのだろうか?
それはあまりにつら過ぎることだ。こんな薬はここに置いて今日はもう帰ろう。翔子がそう決心をして田上に帰りたい旨を伝えた時、事件は起こった!!
田上の口から信じられない言葉が飛び出してきたのだ。
「石原……俺……石原のことが好きだよ」
「!?」
翔子は一瞬、なんと言われたのか分からなかった。
田上先輩に「好きだよ」と言われた?まさか!
翔子は自分が飲みなれないお酒をたくさん飲んで、酔っぱらっているのだろうか?と疑った。
「先輩?」
翔子が田上の方を見ると田上の顔は、もしそんなものがあればの話だが、たこ焼き屋のたこの人形のように真っ赤になっていた。
田上は意を決してもう一度言う。
「石原のことが好きだ。どうだろう?俺と付き合ってくれないだろうか?」
「!?」
どう聞いてもきき違いでは無い!翔子は一瞬思考と動きがとまった。内心は先ほどの田上同様、口から火でも吹きそうなほどびっくりしていた。
「えっ!えっ!?先輩、本当ですか?」
信じられない!あの先輩が!私をからかっているのだろうか?それとも何か悪いものでも食べたのでは無いだろうか?
「まあ、石原、落ち着いて。いきなりこんな事を言っても石原もびっくりしてしまうよね」
本当は落ち着かなければいけないのは田上の方だが、相手が年下の女性なので少しは田上にも余裕があるようだ……
「返事はいつでもいいよ。俺、慌てないから」
「先輩、私……私……」
翔子は嬉しさのあまり、下を向いて泣き出してしまう……
周りにはたくさんの人がいるので田上はちょっと慌てたがどうすることも出来ない。
慣れないお酒でかなり酔っぱらっているのだろう。翔子の方も溢れ出てくる涙と感情をどうすることも出来なかった。
翔子は思う。先輩、私嬉しいです。ずっと先輩のこと好きでした……もちろん、これからもずっと先輩のことが好きです。
そのように翔子は田上に伝えたいのだが、泣いて呼吸が荒くなりうまく喋れない。
田上は田上で、自分のハンカチで涙を拭いてあげた方がいいのだろうか?それともハンカチをそっと渡すだけでいいのだろうか?いやまて、一度外に出たほうがいいのだろうか?と訳の分からないことで悩んでいる……
時間がたつにつれ、翔子は少し落ち着いてきた。
さあ、先輩に告白の返事をしよう!幸せだ!
翔子はこの時、かなり酔っていて、田上の告白でかなり舞い上がってもいた……
一度、呼吸を整えようと翔子は飲み物を一口飲むことにする……
そしてあろうことか翔子は、自分が蒼い華の蜜をいれたグラスを手に取った!!
そしていっきにそれを飲んでしまったのだ!!
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
誰の代わりに愛されているのか知った私は優しい嘘に溺れていく
矢野りと
恋愛
彼がかつて愛した人は私の知っている人だった。
髪色、瞳の色、そして後ろ姿は私にとても似ている。
いいえ違う…、似ているのは彼女ではなく私だ。望まれて嫁いだから愛されているのかと思っていたけれども、それは間違いだと知ってしまった。
『私はただの身代わりだったのね…』
彼は変わらない。
いつも優しい言葉を紡いでくれる。
でも真実を知ってしまった私にはそれが嘘だと分かっているから…。
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】捨ててください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。
でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。
分かっている。
貴方は私の事を愛していない。
私は貴方の側にいるだけで良かったのに。
貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。
もういいの。
ありがとう貴方。
もう私の事は、、、
捨ててください。
続編投稿しました。
初回完結6月25日
第2回目完結7月18日
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる