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第九十九話 どうすればいいの?
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マリー達の黒の国に追われ、敵国である白の国に追われ、小百合達は苦しい逃亡生活を強いられていた。
「もう、どうすればいいのよ」
小百合が大声で言った。
「そんな大きな声を出したらダメだよ。見つかっちゃうよ」
「わかってるわよ。でも今日泊まる場所もないのよ」
「えー! 私、野宿なんて絶対嫌よ!」
「菫、甘いわね。下手な家に泊めて貰ったら通報されて即逮捕よ。今の状況理解できてる?」
「もし黒の国の兵隊に捕まったら四郎君は結婚させられ、白の国に捕まったら四郎君は結婚させられるのよ」
「落ち着きなさい小百合。今はパニックになってる場合じゃないわ」
菫が宥めるように言う。
「まさか小百合さんが菫さんにこんなこと言われる日が来るとは思わなかったよ」
「芽依ちゃん、お兄ちゃんが結婚しちゃってもいいの?」
「それは嫌だけど・・・・」
「とにかく今は白の国から脱出することを優先すべきだと思います。少し遠いですがここをまっすぐ西に向かうと黄色の国に出るはずです。黄色の国は黒の国とも白の国とも友好関係は結んでいませんから安心です」
カノンは落ち着いた口調で言った。
「だから、どうしてあなたがここにいるのよ!」
「どさくさに紛れて俺が救出した」
「四郎君! あなたが浮気性だからこんな面倒なこと人ってるんでしょ! 自分が何してるかわかってるの?」
小百合は四郎を怒鳴りつける。
「何か小百合さんとお兄ちゃんが結婚したらどんな夫婦になるか見えた気がしたよ」
「芽依ちゃん、からかってないで対策を考えて!」
「怒鳴り散らしてもいいアイデアなんて浮かばないわよ」
「まさか小百合さんが菫さんに」
「言わないで!」
「パリッピーもいるぜ。イエイ」
「あんたは逃亡する必要ないでしょ! とっとと家に帰りなさい!!」
小百合の小言は底知れず続く。
「だいたい私はこの作品のヒロインよ。なんでこんなところで怒鳴ってなきゃいけないのよ!」
「メインヒロインはマリーさんだよ。題名的にも」
「芽依ちゃん、何か言った?」
「何も言ってないよ」
「第一、一話読み切りの作品だと豪語しながら何なのこの変わり方は。完全に前回のストーリーの続きになってるじゃない。これなら題名も『ブラックテイルな奴ら』でいいんじゃなくて?」
「小百合さん。誰に小言言ってるの?」
「誰だっていいわよ!」
「説明させていただきますと、『ブラックテイルな奴ら』という題名を考えましてもマリーが主人公でありまして、好きでもなかった女の子が猛烈にアタックすることで心変わりをしていくというコンセプトの作品でありまして、ストーリー性が出てしまいましたのもブラックテイルな奴らが休載中で仕方なく」
「作者がいいわけに出てくるんじゃないわよ!!」
「ああ~もう嫌よ。何でこんな目に遭わなければいけないわけ? もう日が暮れてきたじゃない。今、遠くの空で飛竜のなく声が聞こえなかった? このまま野宿すれば大変なことになるじゃない。どうすればいいのよ!」
「あのう、この近くに私の知り合いの家があります。今日はそこに泊めて貰うことにしませんか?」
「え?」
何気に役立つカノンであった。
「もう、どうすればいいのよ」
小百合が大声で言った。
「そんな大きな声を出したらダメだよ。見つかっちゃうよ」
「わかってるわよ。でも今日泊まる場所もないのよ」
「えー! 私、野宿なんて絶対嫌よ!」
「菫、甘いわね。下手な家に泊めて貰ったら通報されて即逮捕よ。今の状況理解できてる?」
「もし黒の国の兵隊に捕まったら四郎君は結婚させられ、白の国に捕まったら四郎君は結婚させられるのよ」
「落ち着きなさい小百合。今はパニックになってる場合じゃないわ」
菫が宥めるように言う。
「まさか小百合さんが菫さんにこんなこと言われる日が来るとは思わなかったよ」
「芽依ちゃん、お兄ちゃんが結婚しちゃってもいいの?」
「それは嫌だけど・・・・」
「とにかく今は白の国から脱出することを優先すべきだと思います。少し遠いですがここをまっすぐ西に向かうと黄色の国に出るはずです。黄色の国は黒の国とも白の国とも友好関係は結んでいませんから安心です」
カノンは落ち着いた口調で言った。
「だから、どうしてあなたがここにいるのよ!」
「どさくさに紛れて俺が救出した」
「四郎君! あなたが浮気性だからこんな面倒なこと人ってるんでしょ! 自分が何してるかわかってるの?」
小百合は四郎を怒鳴りつける。
「何か小百合さんとお兄ちゃんが結婚したらどんな夫婦になるか見えた気がしたよ」
「芽依ちゃん、からかってないで対策を考えて!」
「怒鳴り散らしてもいいアイデアなんて浮かばないわよ」
「まさか小百合さんが菫さんに」
「言わないで!」
「パリッピーもいるぜ。イエイ」
「あんたは逃亡する必要ないでしょ! とっとと家に帰りなさい!!」
小百合の小言は底知れず続く。
「だいたい私はこの作品のヒロインよ。なんでこんなところで怒鳴ってなきゃいけないのよ!」
「メインヒロインはマリーさんだよ。題名的にも」
「芽依ちゃん、何か言った?」
「何も言ってないよ」
「第一、一話読み切りの作品だと豪語しながら何なのこの変わり方は。完全に前回のストーリーの続きになってるじゃない。これなら題名も『ブラックテイルな奴ら』でいいんじゃなくて?」
「小百合さん。誰に小言言ってるの?」
「誰だっていいわよ!」
「説明させていただきますと、『ブラックテイルな奴ら』という題名を考えましてもマリーが主人公でありまして、好きでもなかった女の子が猛烈にアタックすることで心変わりをしていくというコンセプトの作品でありまして、ストーリー性が出てしまいましたのもブラックテイルな奴らが休載中で仕方なく」
「作者がいいわけに出てくるんじゃないわよ!!」
「ああ~もう嫌よ。何でこんな目に遭わなければいけないわけ? もう日が暮れてきたじゃない。今、遠くの空で飛竜のなく声が聞こえなかった? このまま野宿すれば大変なことになるじゃない。どうすればいいのよ!」
「あのう、この近くに私の知り合いの家があります。今日はそこに泊めて貰うことにしませんか?」
「え?」
何気に役立つカノンであった。
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