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第九十話 四郎を追え!
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多くの家来に命じて四郎を捜させたがなかなか見つからない。
「今日はもう無理ね。また明日捜すことにしましょう」
私の提案に菫がぼそりと言う。
「いいの? 愛し合う者同士が一夜を共にするのよ。もし××なことや××なことなんてしてたらどうするの?」
「うおおおおおおお!!!」
「城中の者全員で四郎達を捜しなさい! 国中の宿全てを調べるのよ!」
しかし、見つからなかった。
「一体どこに隠れてるのよ!」
私は部屋中をうろうろいながら大声を上げる。
「今頃四郎君は・・・・」
「うおおおおおおお!!!」
「あのう」
「どうしたのアリア?」
「もしよろしければテレパシーを使って四郎様の居所を探ってみましょうか?」
「そんな能力があるんなら、どうしてもっと早く言わないのよ!!」
「よろしいでしょうか?」
「いいに決まってるじゃない! 早く探りなさいよ!」
アリアは目を閉じ瞑想状態に入った。そして数分後。
「わかりました。ここから五キロ西に行った民家に泊まっております。恐らく友人宅と思われます」
「友人? カノンの友達の家ってこと? 道理で国中の宿を捜しても見つからないわけだわ」
私はカノンの両親を睨み付けて聞いた。
「カノンの友達の家を知ってるわね。案内しなさい」
「存じ上げません」
「嘘つきなさい! しらを切ると親子共々張り付けの刑よ!」
「申し訳ございません。それだけはご勘弁を」
私はこれでもかという数の家来を連れてカノンの友人宅へ向かった。
「開けなさい。ここに四郎がいるのはわかってるのよ」
すると中から高校生くらいの女の子とその両親らしき人物が顔を出した。
「何事でございましょう」
「私は次期女王のピピプル・クレタ・ビチャ・ウン○よ。控えなさい。この王家の紋章が目に入らないの」
「はい、存じております」
「どうして驚かないのよ!」
小百合が私の肩を叩いて囁いた。
「マリー、城からわずか五キロの所に住んでいる人があなたを知らないわけないでしょ? しかも家来を大量に引き連れて来ているのよ」
「とにかく四郎を出しなさい。出さないと大変なことになるわよ」
「そんなこと言われましても」
「この者を捕らえなさい!」
「は」
家来達がカノンの友人と両親に縄を掛けようとしたき、家の中から四郎とカノンが出てきた。
「この人達は悪くない。悪いのは俺だ。捕まえるのは俺だけにしてくれ」
「わかったわ。やりなさい」
「は」
「本当に捕まえるんかい!」
そして城の牢屋。
「カノンにカノンの両親、そしてカノンの友達とその親、更にパリッピー。誰から処刑しようかしら?」
「何で俺まで入ってるんだー!?」
パリッピーが涙目で訴えている。
「四郎、あなたはどうしようかしら? 浮気は重罪よね。ましてや次期女王を裏切るなんて正気の沙汰じゃないわ」
「俺はどうなってもいい。カノンちゃんは許してくれ」
四郎に死亡フラグが立った。
「全員助けてあげてもいいわよ」
「本当か?」
「ええ、私の言うことを聞いたらね」
「何でも聞くからみんなを助けてくれ」
「本当ね。約束よ」
「ああ、わかった。何でも言ってくれ」
「じゃあ、私と結婚式を挙げなさい」
「え?」
「えええーーー!!!」
四郎と小百合と芽依と菫が大きな声を上げた。
「今日はもう無理ね。また明日捜すことにしましょう」
私の提案に菫がぼそりと言う。
「いいの? 愛し合う者同士が一夜を共にするのよ。もし××なことや××なことなんてしてたらどうするの?」
「うおおおおおおお!!!」
「城中の者全員で四郎達を捜しなさい! 国中の宿全てを調べるのよ!」
しかし、見つからなかった。
「一体どこに隠れてるのよ!」
私は部屋中をうろうろいながら大声を上げる。
「今頃四郎君は・・・・」
「うおおおおおおお!!!」
「あのう」
「どうしたのアリア?」
「もしよろしければテレパシーを使って四郎様の居所を探ってみましょうか?」
「そんな能力があるんなら、どうしてもっと早く言わないのよ!!」
「よろしいでしょうか?」
「いいに決まってるじゃない! 早く探りなさいよ!」
アリアは目を閉じ瞑想状態に入った。そして数分後。
「わかりました。ここから五キロ西に行った民家に泊まっております。恐らく友人宅と思われます」
「友人? カノンの友達の家ってこと? 道理で国中の宿を捜しても見つからないわけだわ」
私はカノンの両親を睨み付けて聞いた。
「カノンの友達の家を知ってるわね。案内しなさい」
「存じ上げません」
「嘘つきなさい! しらを切ると親子共々張り付けの刑よ!」
「申し訳ございません。それだけはご勘弁を」
私はこれでもかという数の家来を連れてカノンの友人宅へ向かった。
「開けなさい。ここに四郎がいるのはわかってるのよ」
すると中から高校生くらいの女の子とその両親らしき人物が顔を出した。
「何事でございましょう」
「私は次期女王のピピプル・クレタ・ビチャ・ウン○よ。控えなさい。この王家の紋章が目に入らないの」
「はい、存じております」
「どうして驚かないのよ!」
小百合が私の肩を叩いて囁いた。
「マリー、城からわずか五キロの所に住んでいる人があなたを知らないわけないでしょ? しかも家来を大量に引き連れて来ているのよ」
「とにかく四郎を出しなさい。出さないと大変なことになるわよ」
「そんなこと言われましても」
「この者を捕らえなさい!」
「は」
家来達がカノンの友人と両親に縄を掛けようとしたき、家の中から四郎とカノンが出てきた。
「この人達は悪くない。悪いのは俺だ。捕まえるのは俺だけにしてくれ」
「わかったわ。やりなさい」
「は」
「本当に捕まえるんかい!」
そして城の牢屋。
「カノンにカノンの両親、そしてカノンの友達とその親、更にパリッピー。誰から処刑しようかしら?」
「何で俺まで入ってるんだー!?」
パリッピーが涙目で訴えている。
「四郎、あなたはどうしようかしら? 浮気は重罪よね。ましてや次期女王を裏切るなんて正気の沙汰じゃないわ」
「俺はどうなってもいい。カノンちゃんは許してくれ」
四郎に死亡フラグが立った。
「全員助けてあげてもいいわよ」
「本当か?」
「ええ、私の言うことを聞いたらね」
「何でも聞くからみんなを助けてくれ」
「本当ね。約束よ」
「ああ、わかった。何でも言ってくれ」
「じゃあ、私と結婚式を挙げなさい」
「え?」
「えええーーー!!!」
四郎と小百合と芽依と菫が大きな声を上げた。
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