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第七十九話 ホワイティアとの決闘
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強風が吹く荒野に来ている。ここはホワイティアの指定した場所。もちろん、周りのみんなからは反対をされたわ。私だって自分の身分を考えたら来るべきではないことはわかっているつもりよ。でも、敵に後ろを見せるわけにはいかないの。たとえこれがバカな行為であっても。
「正真正銘のバカだわ」
「小百合、何か言った?」
「別に」
待ち合わせ時間に遅れてきたホワイティアは少し焦った声で言った。
「まさか本当に来るとは思わなかったわ。もしかして頭が弱いのかしら?」
「あなたに後ろを見せるわけにはいかないの。私は逃げも隠れもしないわ」
「あなた自分の立場がわかってるの? ここで私に倒されたら国が滅びかねない大事件よ。次期女王の自覚はあるのかしら?」
私はわざと不敵な笑みを浮かべて自信たっぷりに言ってやった。
「私をそう簡単に倒せると思ってるの?」
「真剣に言ってるの? 私があなたを倒すのに恐らく一分もいらないわ。状況を把握してる?」
「そんなのやってみなきゃわからないわ」
「まさかここまでバカだとは・・・・。しかも四郎まで連れてきているじゃない。何考えているのかしら」
「マリー様、ここは一時退却して作戦を練り直しましょう」
慌てて私を追ってきたアリアが焦った声で説得する。
「おや? 少しは魔力を持った人物がいるようね? でも、いくら高くても私の十分の一と言ったところかしら? 悪いことは言わないわ。マリーを見捨てて国に帰りなさい。でないと一緒に死ぬことになるわよ」
「マリー様を置いて逃げることなどできません」
「見上げた忠誠心だ。だが、すぐに後悔することになるぞ」
「さっきから言いたいことを言ってくれるわね。そちらが攻撃してこないんだったらこっちから行くわよ」
私が大きく手を振り下ろすと激しい落雷がホワイティア目掛けて走った。
「やったー!」
しかし、ホワイティアは何事もなかったかのような平然とした顔で自分の頬をポリポリと掻いている。
「どういうこと?」
「どうしたの? あなたの力はそれだけなの?」
「だったら、これならどう?」
私が大きく手を回すと大量の土鍋と薬缶がホワイティアに降り注ぐ。しかし、なぜかそれらは全てホワイティアをよけて落ちてゆく。
「それでおしまいなのかしら?」
「・・・・・・・・」
「だったら私も攻撃するわね」
ホワイティアはゆっくりとした口調で言うと指を私に向けた。すると光の球が私めがけて飛んだかと思うと私はその場に倒れた。
「一分どころか一秒持たなかったわね」
小百合がぼそりと言う。
「ピピプルの他にも四郎のことを好きだとか言ってる輩がいたわね。この際一緒に始末しようかしら?」
その言葉を聞くと小百合は四郎を後ろから羽交い締めして日本刀を四郎の首元に近づけて言った。
「あなたの大好きな四郎君がどうなってもいいの?」
「な、何をする!」
「もし私達を攻撃するなら四郎君も道連れにすると言ってるのよ。あなたの好きな人が痛い目を見てもいいって言うの?」
「お前は四郎のことが好きじゃなかったのか?」
「好きよ。でも殺されるとなったら話は別よ」
「う、嘘だよね?」
四郎が震えながら小さな声で尋ねた。
「四郎君、動くと頸動脈から血液が大量に噴き出すわよ」
「ひええええ!」
そして小百合は後方にいるアリアにそっと呟いた。
「今の間にマリーの手当を」
「はい」
「わかった。四郎に怖い思いや痛い目を見させるわけにはいかないわ。今回は見逃してあげるわ」
「わかったらワープゾーンをここに作って。もちろん行き先は黒の国よ」
「何だと!」
「いいの? そんなと言って?」
「ひえー! 刃が首に当たってるよー! ち、血が出るって!」
「わかったわ。今回は言う通りにする。しかし、近いうちにお前らをまとめてあの世に送ってやるからそのつもりでいろ!」
ホワイティアは悔しそうに指示通りワープゾーンを作った。
「さあ、早く」
小百合の言葉で全員ワープゾーンに入った。
黒の城に着いた私達は正門前で思わず座り込んだ。そして、アリアによって復活したマリーが小さな声で言った。
「生きた心地がしなかったわ」
「あなたは一度死んだのよ!」
小百合の渾身のツッコミが暗い夜空に響いた。
「正真正銘のバカだわ」
「小百合、何か言った?」
「別に」
待ち合わせ時間に遅れてきたホワイティアは少し焦った声で言った。
「まさか本当に来るとは思わなかったわ。もしかして頭が弱いのかしら?」
「あなたに後ろを見せるわけにはいかないの。私は逃げも隠れもしないわ」
「あなた自分の立場がわかってるの? ここで私に倒されたら国が滅びかねない大事件よ。次期女王の自覚はあるのかしら?」
私はわざと不敵な笑みを浮かべて自信たっぷりに言ってやった。
「私をそう簡単に倒せると思ってるの?」
「真剣に言ってるの? 私があなたを倒すのに恐らく一分もいらないわ。状況を把握してる?」
「そんなのやってみなきゃわからないわ」
「まさかここまでバカだとは・・・・。しかも四郎まで連れてきているじゃない。何考えているのかしら」
「マリー様、ここは一時退却して作戦を練り直しましょう」
慌てて私を追ってきたアリアが焦った声で説得する。
「おや? 少しは魔力を持った人物がいるようね? でも、いくら高くても私の十分の一と言ったところかしら? 悪いことは言わないわ。マリーを見捨てて国に帰りなさい。でないと一緒に死ぬことになるわよ」
「マリー様を置いて逃げることなどできません」
「見上げた忠誠心だ。だが、すぐに後悔することになるぞ」
「さっきから言いたいことを言ってくれるわね。そちらが攻撃してこないんだったらこっちから行くわよ」
私が大きく手を振り下ろすと激しい落雷がホワイティア目掛けて走った。
「やったー!」
しかし、ホワイティアは何事もなかったかのような平然とした顔で自分の頬をポリポリと掻いている。
「どういうこと?」
「どうしたの? あなたの力はそれだけなの?」
「だったら、これならどう?」
私が大きく手を回すと大量の土鍋と薬缶がホワイティアに降り注ぐ。しかし、なぜかそれらは全てホワイティアをよけて落ちてゆく。
「それでおしまいなのかしら?」
「・・・・・・・・」
「だったら私も攻撃するわね」
ホワイティアはゆっくりとした口調で言うと指を私に向けた。すると光の球が私めがけて飛んだかと思うと私はその場に倒れた。
「一分どころか一秒持たなかったわね」
小百合がぼそりと言う。
「ピピプルの他にも四郎のことを好きだとか言ってる輩がいたわね。この際一緒に始末しようかしら?」
その言葉を聞くと小百合は四郎を後ろから羽交い締めして日本刀を四郎の首元に近づけて言った。
「あなたの大好きな四郎君がどうなってもいいの?」
「な、何をする!」
「もし私達を攻撃するなら四郎君も道連れにすると言ってるのよ。あなたの好きな人が痛い目を見てもいいって言うの?」
「お前は四郎のことが好きじゃなかったのか?」
「好きよ。でも殺されるとなったら話は別よ」
「う、嘘だよね?」
四郎が震えながら小さな声で尋ねた。
「四郎君、動くと頸動脈から血液が大量に噴き出すわよ」
「ひええええ!」
そして小百合は後方にいるアリアにそっと呟いた。
「今の間にマリーの手当を」
「はい」
「わかった。四郎に怖い思いや痛い目を見させるわけにはいかないわ。今回は見逃してあげるわ」
「わかったらワープゾーンをここに作って。もちろん行き先は黒の国よ」
「何だと!」
「いいの? そんなと言って?」
「ひえー! 刃が首に当たってるよー! ち、血が出るって!」
「わかったわ。今回は言う通りにする。しかし、近いうちにお前らをまとめてあの世に送ってやるからそのつもりでいろ!」
ホワイティアは悔しそうに指示通りワープゾーンを作った。
「さあ、早く」
小百合の言葉で全員ワープゾーンに入った。
黒の城に着いた私達は正門前で思わず座り込んだ。そして、アリアによって復活したマリーが小さな声で言った。
「生きた心地がしなかったわ」
「あなたは一度死んだのよ!」
小百合の渾身のツッコミが暗い夜空に響いた。
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