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第六十六話 おバカキャラ
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町の中心にある広場に通じる通りにたくさんの出店が並んでいる。いわゆる市というものね。この町の朝市は有名らしいわ。食べ物だけじゃなく様々な物が売られてるみたいね。
「珍しい物ばかりじゃない!」
この一人ではしゃいでいるのは菫よ。
「このお皿いいわね。高級っぽいのに安いわー。買いましょうよ」
「旅してるのにお皿買ってどうするのよ。荷物になるだけよ」
「こっちの狸の置物もいいわね。等身大で可愛いわ。ねえ、買いま・・・・」
「買いません」
「もう」
「ねえ四郎。菫って買い物が好きなの?」
「ああ、結構なんでも欲しがるかな」
「見た目からしてもバカっぽい感じよね」
小百合は菫に容赦ないわね。まあ気持ちはよくわかるけど。
「菫ちゃんは思ったまま生きるタイプなんだよ」
小さい時からこんな性格なのね。
「ねえ、この果物三割引ですって。お得じゃない? 買いましょう」
「まあ、果物なら買って食べてもいいわね」
「やったー。決まりね。ええっと五つで三百六十キュピーですって。これの三割引だから・・・・」
小百合が鞄から財布を取り出して準備する。
「ええっと・・・・・・・・」
「どうしたのよ」
「ええっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いつまで計算してるのよ!」
「ええっとー、おいくらですか?」
「自分で計算しなさいよ! もしかして計算できないの?」
「そ、そんなことはないわ」
「じゃあ、いくらよ」
「・・・・・・・・五百二十七キュピーよ」
「違うわ。二百五十二キュピーでしょ! てか割引してもらって元の値段より高くなってどうするのよ!」
もしかして菫って計算が苦手なのかしら?
「相変わらずだね菫ちゃん」
「芽依、菫って計算が苦手なの?」
「そうだよ。算数のテストはいつも零点だったよ」
やはりそうだったのね。これは菫の弱点を見つけたわ。
「苦手なのは算数だけじゃないんだよ。国語も社会も理科も苦手だったんだよ」
「え? まさか苦手を通り越してバカなの?」
「そうなんだよ」
芽依もなかなか菫に対して厳しいようね。
「それで四郎を捕まえて離さないのね」
「でも菫ちゃんは学校では男子に大人気だったんだよ」
「それっておかしいでしょ!」
「頭が悪くて明るい女の子は男の子にモテるんだよ」
何かが間違ってるわ!
私たちは噴水の縁に座ってさっき買った果物を食べていると菫が言った。
「この果物美味しいわー! 私もうちょっと食べたいな。ねえ、四郎君少しちょうだい」
「仕方ないなあ。少しだけだぞ」
「やったー。四郎君大好き」
確かにこういうことを躊躇なく言えるのは強みよね。私たち三人は菫を観察しながら更なる要注意人物に指定するのであった。
「珍しい物ばかりじゃない!」
この一人ではしゃいでいるのは菫よ。
「このお皿いいわね。高級っぽいのに安いわー。買いましょうよ」
「旅してるのにお皿買ってどうするのよ。荷物になるだけよ」
「こっちの狸の置物もいいわね。等身大で可愛いわ。ねえ、買いま・・・・」
「買いません」
「もう」
「ねえ四郎。菫って買い物が好きなの?」
「ああ、結構なんでも欲しがるかな」
「見た目からしてもバカっぽい感じよね」
小百合は菫に容赦ないわね。まあ気持ちはよくわかるけど。
「菫ちゃんは思ったまま生きるタイプなんだよ」
小さい時からこんな性格なのね。
「ねえ、この果物三割引ですって。お得じゃない? 買いましょう」
「まあ、果物なら買って食べてもいいわね」
「やったー。決まりね。ええっと五つで三百六十キュピーですって。これの三割引だから・・・・」
小百合が鞄から財布を取り出して準備する。
「ええっと・・・・・・・・」
「どうしたのよ」
「ええっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いつまで計算してるのよ!」
「ええっとー、おいくらですか?」
「自分で計算しなさいよ! もしかして計算できないの?」
「そ、そんなことはないわ」
「じゃあ、いくらよ」
「・・・・・・・・五百二十七キュピーよ」
「違うわ。二百五十二キュピーでしょ! てか割引してもらって元の値段より高くなってどうするのよ!」
もしかして菫って計算が苦手なのかしら?
「相変わらずだね菫ちゃん」
「芽依、菫って計算が苦手なの?」
「そうだよ。算数のテストはいつも零点だったよ」
やはりそうだったのね。これは菫の弱点を見つけたわ。
「苦手なのは算数だけじゃないんだよ。国語も社会も理科も苦手だったんだよ」
「え? まさか苦手を通り越してバカなの?」
「そうなんだよ」
芽依もなかなか菫に対して厳しいようね。
「それで四郎を捕まえて離さないのね」
「でも菫ちゃんは学校では男子に大人気だったんだよ」
「それっておかしいでしょ!」
「頭が悪くて明るい女の子は男の子にモテるんだよ」
何かが間違ってるわ!
私たちは噴水の縁に座ってさっき買った果物を食べていると菫が言った。
「この果物美味しいわー! 私もうちょっと食べたいな。ねえ、四郎君少しちょうだい」
「仕方ないなあ。少しだけだぞ」
「やったー。四郎君大好き」
確かにこういうことを躊躇なく言えるのは強みよね。私たち三人は菫を観察しながら更なる要注意人物に指定するのであった。
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