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第五十一話 気になる好きな人の過去
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「ねえ、観覧車に乗ろうよ」
「さっきも乗っただろう? もう五回目だぞ」
「いいじゃない。私好きなんだもん。ねえ乗ろうよ四郎君」
「仕方ないなあ。今日は小百合の言うとおりにするよ」
「ありがとう。大好き!」
「嫌あああああ!」
ハッ! 夢なの? 何て夢を見るのよ! 寝る前に純愛小説を読んだのが間違いだったのかしら? それにしても小百合と四郎のデートシーンが夢に出てくるなんて最低!
でも、この二人って付き合ってたのよね? ダメダメ! 昔は昔今は今よ。四郎が過去に誰と付き合っていようが関係ないじゃない。今は私のことが好きなんだからそれでいいのよ。
「‥‥‥‥」
何か気になるわね。どれくらい好きだったのかしら? デートしたって言ってたけど何回デートしたのかな?
「‥‥‥‥」
あまり気が進まないけど深層心理を探る魔術を使ってみようかしら。黒魔術はマインドコントロールを得意とする魔術。人の心理を探ることもできるわ。起きてるときは相手の心理が邪魔をして成功しないけど寝ている時なら大丈夫なはずよ。
私はそう決めると小百合の枕元に立って呪文を唱えた。小百合の記憶にある過去が見えてくる。
「四郎君、高校に合格するまで会わないことにしましょう。それがお互いのためだと思うの。寂しくなると思うけど仕方ないよね。私の代わりと言っては何だけど、この黒い尻尾アクセサリーを上げるわ。私だと思って大切にしてね」
このシーンは私も知ってるわよ。私が知りたいのはもっと昔の過去なの。この魔術初めて使ったけど、いつの時代の記憶を見るかはコントロールできないみたいね。
「わー、美味しそう! 私、緑と黄色と青の魚を見るの初めてよ。まるで信号じゃない」
これは昨日の夕食の場面でしょ! 思いっきり新しい過去じゃない。それにしても難しい魔術ね。
「お願いです。僕と付き合ってください」
「いきなりそんなこと言われても困ってしまうわ」
え? これって告白したときのシーンじゃない?
「お願いです。物凄く好きなんです。付き合ってください」
「私はまだあなたのことあまり知らないわ。まずは友達からスタートしましょう」
何だ。四郎振られてるじゃない。
「そんなことを言わずお願いします」
「わかってちょうだい。山田君」
他の男かーい!
「ただいまー」
「おかえりなさい。ご飯できてるわよ。あなた」
「ありがとう、小百合。本当に君は素敵な奥さんだね」
「もう、からかわないでよ」
「あなた、忘れてるわよ」
「え? 何か忘れてる?」
「お帰りのキスよ。もう何で忘れるわけ?」
「ごめんごめん。はい、チュ」
ちょっとー! どういうこと! この二人結婚してたわけ? 私は頭から湯気を出しながら叫んだ。
「ふぁー。何? 朝から大きな声を出して」
「小百合! あなた四郎と結婚してたの!?」
「何のことよ?」
「今はっきりと見たのよ。あなたと四郎がいちゃつくシーンを」
「訳が分からないわ」
魔力が弱いため過去のシーンだけでなく、今現在見ている夢まで過去の深層心理として見えてしまうことをマリーは知らないのであった。
「さっきも乗っただろう? もう五回目だぞ」
「いいじゃない。私好きなんだもん。ねえ乗ろうよ四郎君」
「仕方ないなあ。今日は小百合の言うとおりにするよ」
「ありがとう。大好き!」
「嫌あああああ!」
ハッ! 夢なの? 何て夢を見るのよ! 寝る前に純愛小説を読んだのが間違いだったのかしら? それにしても小百合と四郎のデートシーンが夢に出てくるなんて最低!
でも、この二人って付き合ってたのよね? ダメダメ! 昔は昔今は今よ。四郎が過去に誰と付き合っていようが関係ないじゃない。今は私のことが好きなんだからそれでいいのよ。
「‥‥‥‥」
何か気になるわね。どれくらい好きだったのかしら? デートしたって言ってたけど何回デートしたのかな?
「‥‥‥‥」
あまり気が進まないけど深層心理を探る魔術を使ってみようかしら。黒魔術はマインドコントロールを得意とする魔術。人の心理を探ることもできるわ。起きてるときは相手の心理が邪魔をして成功しないけど寝ている時なら大丈夫なはずよ。
私はそう決めると小百合の枕元に立って呪文を唱えた。小百合の記憶にある過去が見えてくる。
「四郎君、高校に合格するまで会わないことにしましょう。それがお互いのためだと思うの。寂しくなると思うけど仕方ないよね。私の代わりと言っては何だけど、この黒い尻尾アクセサリーを上げるわ。私だと思って大切にしてね」
このシーンは私も知ってるわよ。私が知りたいのはもっと昔の過去なの。この魔術初めて使ったけど、いつの時代の記憶を見るかはコントロールできないみたいね。
「わー、美味しそう! 私、緑と黄色と青の魚を見るの初めてよ。まるで信号じゃない」
これは昨日の夕食の場面でしょ! 思いっきり新しい過去じゃない。それにしても難しい魔術ね。
「お願いです。僕と付き合ってください」
「いきなりそんなこと言われても困ってしまうわ」
え? これって告白したときのシーンじゃない?
「お願いです。物凄く好きなんです。付き合ってください」
「私はまだあなたのことあまり知らないわ。まずは友達からスタートしましょう」
何だ。四郎振られてるじゃない。
「そんなことを言わずお願いします」
「わかってちょうだい。山田君」
他の男かーい!
「ただいまー」
「おかえりなさい。ご飯できてるわよ。あなた」
「ありがとう、小百合。本当に君は素敵な奥さんだね」
「もう、からかわないでよ」
「あなた、忘れてるわよ」
「え? 何か忘れてる?」
「お帰りのキスよ。もう何で忘れるわけ?」
「ごめんごめん。はい、チュ」
ちょっとー! どういうこと! この二人結婚してたわけ? 私は頭から湯気を出しながら叫んだ。
「ふぁー。何? 朝から大きな声を出して」
「小百合! あなた四郎と結婚してたの!?」
「何のことよ?」
「今はっきりと見たのよ。あなたと四郎がいちゃつくシーンを」
「訳が分からないわ」
魔力が弱いため過去のシーンだけでなく、今現在見ている夢まで過去の深層心理として見えてしまうことをマリーは知らないのであった。
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