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第四十八話 四郎の横の席
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私たちは公園のベンチに座ってお昼ご飯を食べることにしたの。私の左隣に四郎が座り、右隣に小百合が座っているわ。四郎の左隣には芽依がいるわね。いつもの並び順よ。
『ムスッ』
「何か不満そうね小百合」
「どうしていつもこの並び順なわけ?」
「それはあなたがいけなのよ」
「どういうことよ」
「美人を装ってゆっくり座ろうとしてるから私や芽依に四郎の横を取られるんじゃない」
「マリーは芽依と同レベルで子供だから、私にはとてもあなたたちの真似はできないわ」
むかつくわね。こうなりゃ四郎の横に座れなかったことを後悔させてみせるわ。
「ねえ、四郎のパン美味しそうね。何味のパンなの?」
「いかの塩辛味だ」
何てもの食べてるのよ。
「そうなんだ。もう一つは?」
「こちらはひきわり納豆味かな」
どんな味覚してるの! でも、後には引けないわ。
「美味しそう! 私のヒマワリの種味と一口交換しない?」
「ああ、いいぞ」
「何ですと!」←当然小百合(怒)
「ここかじっちゃったから反対側を食べてもいいぞ」
「ううん、ここでいいわ」
「じゃあ、はいあーん」
「ちょっと待ちなさいよ!」
「恋人のいる前で何してるのよ!」
「あら、いたのね小百合」
「いるに決まってるでしょ!」
「たまたま四郎の横に座ったら美味しそうなパンだったから、交換してもらってるだけじゃない。何怒ってるの?」
さあ、四郎の隣に座れなかったことを後悔しなさい。
「四郎君も私と付き合ってるという自覚あるの?」
「ええっと」
「それはもう過去の話よ」
「どういう意味よ!」
「私のような可愛い女の子に出会ってしまったらもうおしまいよ。四郎の心はあなたから私に移っているわ。そんなこともわからないの?」
よし決まったー! 小百合に引導を渡せる絶好のチャンスよ。もう少しインパクトのあることできないかしら?
「いや、そんなことは‥‥」
おっとそれ以上は言わせないわよ。せっかく小百合が動揺してるのにもったいない。
「四郎、好きなのは私よねー」
私は思い切って四郎に抱き付いた。
ムギュ! ふわふわモフモフ!
「何この感触?」
「ニャー」
「何でミーが突然割り込んでくるのよ!」
「どうやらミーもあなたと四郎君の仲を認めてないみたいね」
「思いっきりミーに触れてしまったわ。気持ち悪い」
「天罰よ」
「ところで四郎君。私よりマリーの方が好きになってきたって本当なの?」
「はい、お兄ちゃん。あーん」
「あーん。美味しい」
「じゃあ、次は芽依に食べさせて」
「はい、口を開けてあーん」
「四郎君!」「四郎!」
「「女だったら誰でもいいんかい!!」」
この後四郎がどうなったかは読者の想像に任せるわ。本当に男ってわからないわね。でも今回の出来事で四郎も心を入れ替えたと思うの。だって臨死体験なんてそうそうしたいものじゃないでしょ?
『ムスッ』
「何か不満そうね小百合」
「どうしていつもこの並び順なわけ?」
「それはあなたがいけなのよ」
「どういうことよ」
「美人を装ってゆっくり座ろうとしてるから私や芽依に四郎の横を取られるんじゃない」
「マリーは芽依と同レベルで子供だから、私にはとてもあなたたちの真似はできないわ」
むかつくわね。こうなりゃ四郎の横に座れなかったことを後悔させてみせるわ。
「ねえ、四郎のパン美味しそうね。何味のパンなの?」
「いかの塩辛味だ」
何てもの食べてるのよ。
「そうなんだ。もう一つは?」
「こちらはひきわり納豆味かな」
どんな味覚してるの! でも、後には引けないわ。
「美味しそう! 私のヒマワリの種味と一口交換しない?」
「ああ、いいぞ」
「何ですと!」←当然小百合(怒)
「ここかじっちゃったから反対側を食べてもいいぞ」
「ううん、ここでいいわ」
「じゃあ、はいあーん」
「ちょっと待ちなさいよ!」
「恋人のいる前で何してるのよ!」
「あら、いたのね小百合」
「いるに決まってるでしょ!」
「たまたま四郎の横に座ったら美味しそうなパンだったから、交換してもらってるだけじゃない。何怒ってるの?」
さあ、四郎の隣に座れなかったことを後悔しなさい。
「四郎君も私と付き合ってるという自覚あるの?」
「ええっと」
「それはもう過去の話よ」
「どういう意味よ!」
「私のような可愛い女の子に出会ってしまったらもうおしまいよ。四郎の心はあなたから私に移っているわ。そんなこともわからないの?」
よし決まったー! 小百合に引導を渡せる絶好のチャンスよ。もう少しインパクトのあることできないかしら?
「いや、そんなことは‥‥」
おっとそれ以上は言わせないわよ。せっかく小百合が動揺してるのにもったいない。
「四郎、好きなのは私よねー」
私は思い切って四郎に抱き付いた。
ムギュ! ふわふわモフモフ!
「何この感触?」
「ニャー」
「何でミーが突然割り込んでくるのよ!」
「どうやらミーもあなたと四郎君の仲を認めてないみたいね」
「思いっきりミーに触れてしまったわ。気持ち悪い」
「天罰よ」
「ところで四郎君。私よりマリーの方が好きになってきたって本当なの?」
「はい、お兄ちゃん。あーん」
「あーん。美味しい」
「じゃあ、次は芽依に食べさせて」
「はい、口を開けてあーん」
「四郎君!」「四郎!」
「「女だったら誰でもいいんかい!!」」
この後四郎がどうなったかは読者の想像に任せるわ。本当に男ってわからないわね。でも今回の出来事で四郎も心を入れ替えたと思うの。だって臨死体験なんてそうそうしたいものじゃないでしょ?
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