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第二十九話 嫌よ!
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私達が長閑な田舎道を歩いていると超美人のお姉さんが助けを求めてきた。
「旅のお方。どうか私達をお助けください」
「嫌よ」
「マリー! いきなりそれはないでしょ!」
「私は美人が嫌いなの。だから小百合は大好きよ」
「それってどういう意味よ!」
「お願いします。私達はこの村の悪しき風習に苦しめられているのです。お願いですから助けてください」
「嫌よ」
「マリー! 私達の旅の目的って理解してる?」
「十分わかってるわ。でも美人は嫌なの」
「お願いします」
美人のお姉さんは私では埒が明かないと思ったのか、今度は四郎の手を握りしめて言った。「でへへへへ」
「やっぱり、私もマリーの意見に賛成・・・・かな?」
「芽依も・・・・だよ」
「てか、この作品に出てくる女ってどうして美人ばかりなのよ!」
「やはり美人が多いとウキウキするというか、心弾むというか(by作者)」
「裏の人間が突然出てくるんじゃないわよ!」
「あれーーーーーー(キラリ)」
「ごめんなさい。作者がいないと話が進まないということを痛感したわ」
「それで何をお困りなのですか? 俺で良ければ力になりますよ」
背中に殺気を感じているのか、四郎は盾を背負いながら言った。
「はい、この村では古くから夏の初めに猟祭と言う行事を行います。村人全員が猟銃を持って一斉に山に入って猟をするのです。そして一番たくさんの獲物を捕った人が勝ちになります」
「その祭とあなたにどういう関係があるのですか?」
四郎は丁寧な口調で言った。何なのこの態度。
その時、芽依がとんでもないことを発見する。
「あれ? このお姉さん、頭に猫耳見たいなのが付いてるよ」
続いて小百合も。
「それに尻尾が生えてない?」
「さてはあんた、狐か狸が化けてるんでしょ!」
私が女に掴み掛かろうとすると四郎がこれを止めた。
「待つんだマリー。よく考えてみろ。お前だって尻尾アクセサリーだったじゃないか」
「それは仮の姿でしょ。尻尾が生えてたわけじゃないわ」
「その考え方は違うぞ。尻尾が生えていようがいまいがこの女性は美人なんだ」
「何わけのわからないことを言ってるのよ! だからこいつは人間じゃないの。わかる?」
「この女性が美人である事実からすれば、そんなことはちっぽけなことだ」
「美人だったら何だっていいわけ!?」
四郎と私がもめていると、美人のお姉さんはポンという音を立てて狐の姿に戻り、山の方へと走り去って行った。
そして落ち込む四郎。
「こいつの感覚にはついて行けないわ。もしかして男ってみんなこうなのかしら」
「お兄ちゃんは特別だと思うよ」
この世の男性観を変えてしまうはた迷惑な男四郎は、肩を落としながらトボトボと私達の後を付いてくるのであった。
「旅のお方。どうか私達をお助けください」
「嫌よ」
「マリー! いきなりそれはないでしょ!」
「私は美人が嫌いなの。だから小百合は大好きよ」
「それってどういう意味よ!」
「お願いします。私達はこの村の悪しき風習に苦しめられているのです。お願いですから助けてください」
「嫌よ」
「マリー! 私達の旅の目的って理解してる?」
「十分わかってるわ。でも美人は嫌なの」
「お願いします」
美人のお姉さんは私では埒が明かないと思ったのか、今度は四郎の手を握りしめて言った。「でへへへへ」
「やっぱり、私もマリーの意見に賛成・・・・かな?」
「芽依も・・・・だよ」
「てか、この作品に出てくる女ってどうして美人ばかりなのよ!」
「やはり美人が多いとウキウキするというか、心弾むというか(by作者)」
「裏の人間が突然出てくるんじゃないわよ!」
「あれーーーーーー(キラリ)」
「ごめんなさい。作者がいないと話が進まないということを痛感したわ」
「それで何をお困りなのですか? 俺で良ければ力になりますよ」
背中に殺気を感じているのか、四郎は盾を背負いながら言った。
「はい、この村では古くから夏の初めに猟祭と言う行事を行います。村人全員が猟銃を持って一斉に山に入って猟をするのです。そして一番たくさんの獲物を捕った人が勝ちになります」
「その祭とあなたにどういう関係があるのですか?」
四郎は丁寧な口調で言った。何なのこの態度。
その時、芽依がとんでもないことを発見する。
「あれ? このお姉さん、頭に猫耳見たいなのが付いてるよ」
続いて小百合も。
「それに尻尾が生えてない?」
「さてはあんた、狐か狸が化けてるんでしょ!」
私が女に掴み掛かろうとすると四郎がこれを止めた。
「待つんだマリー。よく考えてみろ。お前だって尻尾アクセサリーだったじゃないか」
「それは仮の姿でしょ。尻尾が生えてたわけじゃないわ」
「その考え方は違うぞ。尻尾が生えていようがいまいがこの女性は美人なんだ」
「何わけのわからないことを言ってるのよ! だからこいつは人間じゃないの。わかる?」
「この女性が美人である事実からすれば、そんなことはちっぽけなことだ」
「美人だったら何だっていいわけ!?」
四郎と私がもめていると、美人のお姉さんはポンという音を立てて狐の姿に戻り、山の方へと走り去って行った。
そして落ち込む四郎。
「こいつの感覚にはついて行けないわ。もしかして男ってみんなこうなのかしら」
「お兄ちゃんは特別だと思うよ」
この世の男性観を変えてしまうはた迷惑な男四郎は、肩を落としながらトボトボと私達の後を付いてくるのであった。
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