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第十二話 死亡フラグ
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ある日のこと、物凄い美人がこちらに向かって走って来た。何か嫌な感じがする。なぜかしら?
「お願いします。助けてください」
「どうされたんですか?」
四郎がいち早く反応する。何よ、いつもはあまり話さないくせにどういうこと?
「悪い人達に追われています。匿ってください」
「丁度ここに小屋があります。この中に隠れてください。後は俺に任せて」
「ありがとうございます」
丁寧にお礼を言うと美女は小屋に入っていった。
「ちょっと、嫌に嬉しそうじゃない?」
小百合も何かを感じたようだ。
「困っている人を助けるのは当然のことだろう」
「お兄ちゃん、またいつもの病気が出たんじゃないよね」
「病気って何よ?」
「お兄ちゃんは美人さんにはとても弱いんだよ」
「ふーん」
私は頷きながら四郎を睨む。
そこへいかにも荒くれ者といった風体の男三人が現れた。まあ予想通りね。
「おい、ここに女が来なかったか?」
「い、いえ、来てませんよ」
「声が上ずってるじゃない。情けないわね」
「そうか来たのか。どこにいる? 下手に隠すと痛い目を見るぜ」
「ほ、本当にいません」
四郎は小屋の戸を両手で覆った。何してるのよ全く。
「そうか、ここにいるのか。退きな!」
男達が四郎を突き飛ばす。
「そこまでよ。いい加減にしなさい」
「なんだとー」
マリーが手を振り下ろすと火の玉が男達の足下で爆発した。
「ひえええ!」
「男の分際で偉そうにするからよ」
そう、ここは異世界。魔術が支配する国。そしてなぜか男より女の方が魔力は高いのだ。でもさっきのマリーの言葉は差別発言な気がする。
「次は体に当てるわよ。いい?」
「し、失礼しました~」
男達は慌てふためいて逃げていった。
「ありがとうございます。何とお礼を言っていいか」
女は当然のように四郎にお礼を言った。そう、四郎だけに。
「いえ、これくらいなんでもありませんよ」
「まあ、頼もしい」
「あなたのような美しい方のためなら何だってできますよ。ははは」
「是非お礼をさせてください。あなたのためならどんなことでもしますわ。何でも言ってください」
「なら俺の嫁にでもなってくれる・・・・なんちゃって」
四郎に死亡フラグが立った。
「もちろん私で良ければ」
女は四郎に寄りかかる。
「本当に? うれしいなぁ。やった・・・・。う、嘘です。ですからマリーさん、その光るエネルギーが溜まった手を下ろしていただけませんか? そして小百合さん、その日本刀を私に向けるのを止めてください。刃先が腕に当たって血が出始めています。それから芽依さん、あなたが今撃とうとしているのはロケットランチャーですよね。この近距離で撃ったら大変危険だと思うんですよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すみませんでしたー。調子に乗っておりました。お許しください」
四郎は深々と土下座をするのであった。(二話連続)
本当に仕方ないわね。全治三ヶ月で許してあげるわ。
「ギャー!!!」
「お願いします。助けてください」
「どうされたんですか?」
四郎がいち早く反応する。何よ、いつもはあまり話さないくせにどういうこと?
「悪い人達に追われています。匿ってください」
「丁度ここに小屋があります。この中に隠れてください。後は俺に任せて」
「ありがとうございます」
丁寧にお礼を言うと美女は小屋に入っていった。
「ちょっと、嫌に嬉しそうじゃない?」
小百合も何かを感じたようだ。
「困っている人を助けるのは当然のことだろう」
「お兄ちゃん、またいつもの病気が出たんじゃないよね」
「病気って何よ?」
「お兄ちゃんは美人さんにはとても弱いんだよ」
「ふーん」
私は頷きながら四郎を睨む。
そこへいかにも荒くれ者といった風体の男三人が現れた。まあ予想通りね。
「おい、ここに女が来なかったか?」
「い、いえ、来てませんよ」
「声が上ずってるじゃない。情けないわね」
「そうか来たのか。どこにいる? 下手に隠すと痛い目を見るぜ」
「ほ、本当にいません」
四郎は小屋の戸を両手で覆った。何してるのよ全く。
「そうか、ここにいるのか。退きな!」
男達が四郎を突き飛ばす。
「そこまでよ。いい加減にしなさい」
「なんだとー」
マリーが手を振り下ろすと火の玉が男達の足下で爆発した。
「ひえええ!」
「男の分際で偉そうにするからよ」
そう、ここは異世界。魔術が支配する国。そしてなぜか男より女の方が魔力は高いのだ。でもさっきのマリーの言葉は差別発言な気がする。
「次は体に当てるわよ。いい?」
「し、失礼しました~」
男達は慌てふためいて逃げていった。
「ありがとうございます。何とお礼を言っていいか」
女は当然のように四郎にお礼を言った。そう、四郎だけに。
「いえ、これくらいなんでもありませんよ」
「まあ、頼もしい」
「あなたのような美しい方のためなら何だってできますよ。ははは」
「是非お礼をさせてください。あなたのためならどんなことでもしますわ。何でも言ってください」
「なら俺の嫁にでもなってくれる・・・・なんちゃって」
四郎に死亡フラグが立った。
「もちろん私で良ければ」
女は四郎に寄りかかる。
「本当に? うれしいなぁ。やった・・・・。う、嘘です。ですからマリーさん、その光るエネルギーが溜まった手を下ろしていただけませんか? そして小百合さん、その日本刀を私に向けるのを止めてください。刃先が腕に当たって血が出始めています。それから芽依さん、あなたが今撃とうとしているのはロケットランチャーですよね。この近距離で撃ったら大変危険だと思うんですよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すみませんでしたー。調子に乗っておりました。お許しください」
四郎は深々と土下座をするのであった。(二話連続)
本当に仕方ないわね。全治三ヶ月で許してあげるわ。
「ギャー!!!」
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