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第三話 ドラゴンから逃げ切る方法
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私たち一行は村外れまで来ていた。
「こんな人気のないところに来ても世直しなんかできないじゃない」
「マリーが何も考えずスタスタ歩くからこうなるのよ」
本当に小百合って口が減らないわね。
「おい、この森ってドラゴンの森じゃないのか?」
ドラゴンの森とはドラゴンが住むという森で人は滅多に立ち寄らない場所よ。もちろん危険だわ。
「村に戻った方がいいよ」
「芽依の言う通りね。人がいなけりゃ商売上がったりだし」
「いつから商人になったんだ?」
四郎の緩いツッコミにすかさず小百合が反応する。
「マリーにしては精一杯のボケなんだから大目に見てあげなきゃダメよ四郎君」
小百合いつか殺す!
私たちが村に引き返そうとした時、森の中から男の悲鳴が聞こえてきた。
「これは事件ね。向かうわよ!」
森の中へ入った私たちは悲鳴を上げた男を発見するや否や回れ右をして全速力で駆け出した。冗談じゃないわよ。どうしてファイアードラゴンに追いかけられてるのよ!
「助けてくださいよー」
「どうしろって言うのよ! このドラゴン優にニ十メートルはあるじゃない!」
「そもそもなんで追いかけられてるの?」
小百合が聞く。
「ドラゴンの卵を盗もうとして失敗しました」
「バカね。どうしてそんな無茶するわけ?」
マリーが思いっきりけなす。
「はい、お城からドラゴンの卵を持って参れとのご命令がありまして」
「・・・・・・・・」
お供の三人が絶句する中、私は何も考えずこの男に尋ねた。
「だ、誰がそんなわがままな命令をしたのよ。私が文句を言ってあげるわ。名前を言いなさい」
「ピピプル・クレタ・ビチャ・ウ○チ様です」
「マリー!」
お供の三人が思いっきりツッコむ。
それにしてもこのドラゴン足が速いわね。このままでは追いつかれてしまうわ。
「そうだ! 小百合、あんたが犠牲になってドラゴンに襲われなさいよ。その隙に私たちが逃げるから」
「何でそうなるのよ!?」
「この小説で一番どうでもいいキャラだからに決まってるでしょう」
「看板キャラの私がいなくなってもいいの? あなたに私の美貌がカバーできて?」
「できるに決まってるじゃない! ねえ四郎」
「はあ、はあ、今それどころじゃない」
誤魔化したわね。
「芽依でもいいわ。みんなのために犠牲になりなさい」
「この手の小説にはロリキャラは必須事項だよ。この小説の根強いファンが消えちゃってもいいの?」
「この小説ってまだ始まったばかりでしょ!」
そしてついに私たちはドラゴンに追いつかれてしまった。もうダメだわ。ドラゴンは大きく反り返ると大きな雄叫びを上げ・・・・ようとして木に頭を思いっきりぶつけて倒れた。
「え? 嘘? 死んだのこれ?」
「よほど打ち所が悪かったようね」
ピロロローン。何? この音。
「経験値が二十三上がったようね」
「経験値って何よそれ? ゲームじゃあるまいし! それにこんな大物倒して二十三だけってどういうこと?」
「経験値が上がるとどうなるんだ?」
「レベルの高い武器が使えるようになるのよ。例えば檜の棒しか使えなかったのが斧も使えるようになるとか」
「それって戦っている内に腕力がついたってことじゃない!」
こうして私たち一行は今日も大した世直しをすることなく旅を続けるのであった。
「こんな人気のないところに来ても世直しなんかできないじゃない」
「マリーが何も考えずスタスタ歩くからこうなるのよ」
本当に小百合って口が減らないわね。
「おい、この森ってドラゴンの森じゃないのか?」
ドラゴンの森とはドラゴンが住むという森で人は滅多に立ち寄らない場所よ。もちろん危険だわ。
「村に戻った方がいいよ」
「芽依の言う通りね。人がいなけりゃ商売上がったりだし」
「いつから商人になったんだ?」
四郎の緩いツッコミにすかさず小百合が反応する。
「マリーにしては精一杯のボケなんだから大目に見てあげなきゃダメよ四郎君」
小百合いつか殺す!
私たちが村に引き返そうとした時、森の中から男の悲鳴が聞こえてきた。
「これは事件ね。向かうわよ!」
森の中へ入った私たちは悲鳴を上げた男を発見するや否や回れ右をして全速力で駆け出した。冗談じゃないわよ。どうしてファイアードラゴンに追いかけられてるのよ!
「助けてくださいよー」
「どうしろって言うのよ! このドラゴン優にニ十メートルはあるじゃない!」
「そもそもなんで追いかけられてるの?」
小百合が聞く。
「ドラゴンの卵を盗もうとして失敗しました」
「バカね。どうしてそんな無茶するわけ?」
マリーが思いっきりけなす。
「はい、お城からドラゴンの卵を持って参れとのご命令がありまして」
「・・・・・・・・」
お供の三人が絶句する中、私は何も考えずこの男に尋ねた。
「だ、誰がそんなわがままな命令をしたのよ。私が文句を言ってあげるわ。名前を言いなさい」
「ピピプル・クレタ・ビチャ・ウ○チ様です」
「マリー!」
お供の三人が思いっきりツッコむ。
それにしてもこのドラゴン足が速いわね。このままでは追いつかれてしまうわ。
「そうだ! 小百合、あんたが犠牲になってドラゴンに襲われなさいよ。その隙に私たちが逃げるから」
「何でそうなるのよ!?」
「この小説で一番どうでもいいキャラだからに決まってるでしょう」
「看板キャラの私がいなくなってもいいの? あなたに私の美貌がカバーできて?」
「できるに決まってるじゃない! ねえ四郎」
「はあ、はあ、今それどころじゃない」
誤魔化したわね。
「芽依でもいいわ。みんなのために犠牲になりなさい」
「この手の小説にはロリキャラは必須事項だよ。この小説の根強いファンが消えちゃってもいいの?」
「この小説ってまだ始まったばかりでしょ!」
そしてついに私たちはドラゴンに追いつかれてしまった。もうダメだわ。ドラゴンは大きく反り返ると大きな雄叫びを上げ・・・・ようとして木に頭を思いっきりぶつけて倒れた。
「え? 嘘? 死んだのこれ?」
「よほど打ち所が悪かったようね」
ピロロローン。何? この音。
「経験値が二十三上がったようね」
「経験値って何よそれ? ゲームじゃあるまいし! それにこんな大物倒して二十三だけってどういうこと?」
「経験値が上がるとどうなるんだ?」
「レベルの高い武器が使えるようになるのよ。例えば檜の棒しか使えなかったのが斧も使えるようになるとか」
「それって戦っている内に腕力がついたってことじゃない!」
こうして私たち一行は今日も大した世直しをすることなく旅を続けるのであった。
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