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第一話 私が主人公よ
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私の名前はピピプル・クレタ・ビチャ・ウン○。通称マリーよ。え? 名前と通称が一致しないって? そんなことどうでもいいじゃない。
そして私は何を隠そう次期国王よ。お供を三人つれて国中をまわっているわ。私が住む黒の国を平和にするため、悪い輩を見つけて制裁を下すの。いい役目よねぇ?
「おいマリー。ちょっと休まないか? さっきからずっと歩きっぱなしだし」
今話しかけたのは四郎。このパーティー唯一の男性よ。次期国王に対して失礼な話し方だと思うかもしれないわね。でもいいの。なぜなら彼は私のフィアンセだから。
「確かに疲れたわね。ちょっと休みましょう」
こっちは小百合。ちょっとむかつく存在ね。家来の分際でため口なんて許せないわ。しかも四郎の元カノだなんて言ってるし。
何でそんな人物と一緒に旅しているのかって? それはいろいろあるのよ。どうしても知りたい人は「ブラックテイルな奴ら」を読んでくれたらわかるわ。やだっ、宣伝してるわけじゃなくてよ。詳しい事情を知りたいと思ってる人のために言ってあげてるんだからね。
「マリーさん。疲れたよー」
そしてもう一人は芽依。四郎の妹よ。妹のくせに『将来はお兄ちゃんと結婚するんだ』などと言ってるバカ妹よ。もちろん恋のライバルなんかじゃないわ。四郎とは血が繋がっていないみたいだけど。こんなチビ、敵じゃないわ楽勝よ。
「仕方ないわね。あそこにティーハウスがあるわ。そこで休憩しましょう」
「素直に茶店って言いなさいよ」
やっぱりこの女腹が立つわ。もちろん小百合のことよ。
私は小百合を睨みつけて、
「この物語は次期国王である私が主人公なの。言葉に気をつけなさい」
と言ってやった。ふん、主人公の権力を思い知りなさい。
「あなたが主人公ならハチャメチャなストーリーになるのが落ちね」
やっぱり腹立つわ。
「それにしてもみたらし団子に番茶って随分日本風だな」
四郎がみたらし団子を頬張りながら言う。言い忘れたけどここは異世界。魔術が支配する世界よ。そしてここは黒の国。黒魔術を使う人々が生活しているわ。ここにいるお供の三人は日本から転生してきたの。ああ、厳密に言うと死んだわけじゃないから、ただやってきただけね。
黒の国は日本の研究をしているの。文明が進んでいるからね。だから日本の文化を多く取り入れているわ。日本文化って最高よね。本当に大好き!
私達がのんびりしていると急に前方が騒がしくなった。事件ねこれは。いよいよ出番だわ。私達は急いで現場に直行した。
「どうしたの?」
「はい、ワイルドボアーが現れて私の畑を荒らしていきやした」
平和だわ。平和すぎるわ。
「だったら柵を作った方がいいわね。ワイルドボアーはジャンプできないから効果的なはずよ」
「ありがとうございます。美人のお姉さん」
小百合ってやっぱ気に入らないわ。
「言っとくけど私が主人公なんだからね」
「だから何よ」
「主人公の私がアドバイスして事件を解決するのが普通の流れってもんでしょ!」
「あなたが思いつきそうになかったら言ってあげたんじゃない。これから気をつけるわ。話の進行が遅れると思うけど」
「お兄ちゃん、この二人ちょっとウザイよね」
「こら聞こえるぞ芽依」
こうして次期国王一行の世直し旅は続くのであった。
そして私は何を隠そう次期国王よ。お供を三人つれて国中をまわっているわ。私が住む黒の国を平和にするため、悪い輩を見つけて制裁を下すの。いい役目よねぇ?
「おいマリー。ちょっと休まないか? さっきからずっと歩きっぱなしだし」
今話しかけたのは四郎。このパーティー唯一の男性よ。次期国王に対して失礼な話し方だと思うかもしれないわね。でもいいの。なぜなら彼は私のフィアンセだから。
「確かに疲れたわね。ちょっと休みましょう」
こっちは小百合。ちょっとむかつく存在ね。家来の分際でため口なんて許せないわ。しかも四郎の元カノだなんて言ってるし。
何でそんな人物と一緒に旅しているのかって? それはいろいろあるのよ。どうしても知りたい人は「ブラックテイルな奴ら」を読んでくれたらわかるわ。やだっ、宣伝してるわけじゃなくてよ。詳しい事情を知りたいと思ってる人のために言ってあげてるんだからね。
「マリーさん。疲れたよー」
そしてもう一人は芽依。四郎の妹よ。妹のくせに『将来はお兄ちゃんと結婚するんだ』などと言ってるバカ妹よ。もちろん恋のライバルなんかじゃないわ。四郎とは血が繋がっていないみたいだけど。こんなチビ、敵じゃないわ楽勝よ。
「仕方ないわね。あそこにティーハウスがあるわ。そこで休憩しましょう」
「素直に茶店って言いなさいよ」
やっぱりこの女腹が立つわ。もちろん小百合のことよ。
私は小百合を睨みつけて、
「この物語は次期国王である私が主人公なの。言葉に気をつけなさい」
と言ってやった。ふん、主人公の権力を思い知りなさい。
「あなたが主人公ならハチャメチャなストーリーになるのが落ちね」
やっぱり腹立つわ。
「それにしてもみたらし団子に番茶って随分日本風だな」
四郎がみたらし団子を頬張りながら言う。言い忘れたけどここは異世界。魔術が支配する世界よ。そしてここは黒の国。黒魔術を使う人々が生活しているわ。ここにいるお供の三人は日本から転生してきたの。ああ、厳密に言うと死んだわけじゃないから、ただやってきただけね。
黒の国は日本の研究をしているの。文明が進んでいるからね。だから日本の文化を多く取り入れているわ。日本文化って最高よね。本当に大好き!
私達がのんびりしていると急に前方が騒がしくなった。事件ねこれは。いよいよ出番だわ。私達は急いで現場に直行した。
「どうしたの?」
「はい、ワイルドボアーが現れて私の畑を荒らしていきやした」
平和だわ。平和すぎるわ。
「だったら柵を作った方がいいわね。ワイルドボアーはジャンプできないから効果的なはずよ」
「ありがとうございます。美人のお姉さん」
小百合ってやっぱ気に入らないわ。
「言っとくけど私が主人公なんだからね」
「だから何よ」
「主人公の私がアドバイスして事件を解決するのが普通の流れってもんでしょ!」
「あなたが思いつきそうになかったら言ってあげたんじゃない。これから気をつけるわ。話の進行が遅れると思うけど」
「お兄ちゃん、この二人ちょっとウザイよね」
「こら聞こえるぞ芽依」
こうして次期国王一行の世直し旅は続くのであった。
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