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第3章 仲良し3人組
第50話 お花畑
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とても綺麗なお花畑がある中庭を見つけました。ここにある花はウツボカズラなどの怖そうな花ではなく本当に綺麗な花なのです。赤や黄色、ピンクの花もあります。この城には5つの中庭があると聞きました。魔王城ってどれだけ広いのでしょうか?
目の前を1匹の蝶が飛んでいきました。モンシロチョウくらいの大きさでしょうか? ひらひらととても可愛らしいです。花に近づいていきます。おそらく蜜でも吸うのでしょう。
ガブッ。
何と! 自分より大きな花をひとくちで食べてしまいました。どういう仕組みになっているのでしょうか? 時々花びらのない花の茎があったのはこの蝶のせいだったのですね。これだけ見た目と行動が一致しない生き物を見るのは初めてです。
午後の昼下がりを偶然見つけた中庭で過ごした私は自分の部屋に帰ることにしました。綺麗なお花畑の中庭。また来たいと思います。
で、帰り道なんですが・・・・。大丈夫です。方向音痴の私でも帰れるようにちゃんとメモをしてきました。ええっと右へ曲がって二つ目の角をまた右に曲がる。そして今度は五つ目の角を左へ曲がって・・・・。おかしいです。こんなドアの前を通った覚えがありません。おまけに洞窟のような壁があるところに来ました。明らかに道に迷っています。メモ通りに歩いたのにどうして迷うのでしょうか? この前のようにモンスターに見つかって食べられそうになるのはごめんです。でも、私もここにいるのが長くなりましたから、もうモンスターのみなさんも私のことを知ってますよね?
「おや、人間の娘がいるぞ」
大丈夫だと思います。
「こんにちは。私はミーニャさんの親友のリーサと言います」
「ラスボス様の親友? 聞いたことないな。お前知ってるか?」
「知らんな。そんなの嘘に決まってる。食べちまおうぜ」
私を知らないモンスターがいました! これは大変です。
「私を食べるとミーニャさんに消されてしまいますよ。いいんですか?」
もう必死です。
「それもそうだな」
「騙されるな。助かりたいだけだ」
「そうか」
「もしこいつの言うことが本当だとしても食べた後の骨を中庭に埋めちまえば分からねえって」
「そうだな。食おうぜ」
ちょっとちょっとちょっと。とんでもないことを言い出しました。
「私がいなくなればお城中で大騒ぎになりますよ」
「その時は一緒になって大騒ぎしてればいいだけさ」
このモンスターとんでもない悪です。
「私は脂肪分も少なく美味しくないと思います」
ああっと、今は脂肪が付いているのでした。
「やはり塩焼きがいいな」
「焼くなら醤油がいいぞ」
前と同じ会話をしています。これは非常にやばいですね。
「おい何をしてるんだ?」
もう1匹来ました。
「人間の娘が迷い込んでたんだ」
「ほお、珍しいな」
もしかして助けの神なのでしょうか? この2匹より頭が良さそうな雰囲気です。
「食べちまおうってことになったんだが、塩で焼くか醤油で焼くかでもめてて」
「そんなの醤油に決まってるだろう」
同じ穴の狢でした!
「私はミーニャさんの親友です。信じて下さい」
ダメ元で言ってみます。
「ちょっと待て。この娘どこかで見たことがあるぞ」
え?
「そうだ! この写真集の娘だ」
後から来たモンスターが私の写真集を開けます。
「本当だ。ラスボス様の知り合いって話は本当だったんだ」
どうやら助かったようです。何でもやっておくべきですね。まさかあの恥ずかしい写真集に助けられるとは思いませんでした。
「お願いです」
後から来たモンスターが話しかけてきました。
「何でしょうか?」
どうせミーニャさんには言わないでくれと言いたいのですね? どうしましょうか? 言ったら確実に殺されますよね。ふふふ、急に立場逆転です。
「この写真集にサインをして下さい」
「ええ! 私サインなんてありません」
意外なことを言われてしまいました。サインを頼んだモンスターは目を瞑り手を震わせながら小さな声で何か言っています。
「サインを断られた。恨んでやる。殺してやる」
「ええーーー! 書きます書きますサインを書きます」
サラサラポチっと。
「おおー! リーサ様のサインだー!」
「何て書いてあるんだ? さっぱり分からねえぞ」
「当たり前だサインなんてそんなものだ」
超適当に丸々点と書いただけですから分からなくて当然ですよね。
「俺にも書いてくれ」
さっきの悪者モンスターです。
「書けと言われてもどこに書けばいいのですか?」
「ええっと、背中に書いてくれ」
背中にサインを書いてどうするんですか! でも断ると怖いので書きます。サラサラポチッと。
「あれ? さっきのサインと違うぞ」
もう1匹のモンスターが二人のサインを見比べて言います。超適当に書きましたからね。違って当然なのですがどう言い訳しましょうか?
「おい、何で違うんだ? まさか適当に書いたんじゃないだろうな?」
「そんなわけないですよ。それはあなただけのオリジナルサインなんです。ものすごく貴重なんですから」
「おお! やったー!」
何とかピンチを乗り切ったようです。
目の前を1匹の蝶が飛んでいきました。モンシロチョウくらいの大きさでしょうか? ひらひらととても可愛らしいです。花に近づいていきます。おそらく蜜でも吸うのでしょう。
ガブッ。
何と! 自分より大きな花をひとくちで食べてしまいました。どういう仕組みになっているのでしょうか? 時々花びらのない花の茎があったのはこの蝶のせいだったのですね。これだけ見た目と行動が一致しない生き物を見るのは初めてです。
午後の昼下がりを偶然見つけた中庭で過ごした私は自分の部屋に帰ることにしました。綺麗なお花畑の中庭。また来たいと思います。
で、帰り道なんですが・・・・。大丈夫です。方向音痴の私でも帰れるようにちゃんとメモをしてきました。ええっと右へ曲がって二つ目の角をまた右に曲がる。そして今度は五つ目の角を左へ曲がって・・・・。おかしいです。こんなドアの前を通った覚えがありません。おまけに洞窟のような壁があるところに来ました。明らかに道に迷っています。メモ通りに歩いたのにどうして迷うのでしょうか? この前のようにモンスターに見つかって食べられそうになるのはごめんです。でも、私もここにいるのが長くなりましたから、もうモンスターのみなさんも私のことを知ってますよね?
「おや、人間の娘がいるぞ」
大丈夫だと思います。
「こんにちは。私はミーニャさんの親友のリーサと言います」
「ラスボス様の親友? 聞いたことないな。お前知ってるか?」
「知らんな。そんなの嘘に決まってる。食べちまおうぜ」
私を知らないモンスターがいました! これは大変です。
「私を食べるとミーニャさんに消されてしまいますよ。いいんですか?」
もう必死です。
「それもそうだな」
「騙されるな。助かりたいだけだ」
「そうか」
「もしこいつの言うことが本当だとしても食べた後の骨を中庭に埋めちまえば分からねえって」
「そうだな。食おうぜ」
ちょっとちょっとちょっと。とんでもないことを言い出しました。
「私がいなくなればお城中で大騒ぎになりますよ」
「その時は一緒になって大騒ぎしてればいいだけさ」
このモンスターとんでもない悪です。
「私は脂肪分も少なく美味しくないと思います」
ああっと、今は脂肪が付いているのでした。
「やはり塩焼きがいいな」
「焼くなら醤油がいいぞ」
前と同じ会話をしています。これは非常にやばいですね。
「おい何をしてるんだ?」
もう1匹来ました。
「人間の娘が迷い込んでたんだ」
「ほお、珍しいな」
もしかして助けの神なのでしょうか? この2匹より頭が良さそうな雰囲気です。
「食べちまおうってことになったんだが、塩で焼くか醤油で焼くかでもめてて」
「そんなの醤油に決まってるだろう」
同じ穴の狢でした!
「私はミーニャさんの親友です。信じて下さい」
ダメ元で言ってみます。
「ちょっと待て。この娘どこかで見たことがあるぞ」
え?
「そうだ! この写真集の娘だ」
後から来たモンスターが私の写真集を開けます。
「本当だ。ラスボス様の知り合いって話は本当だったんだ」
どうやら助かったようです。何でもやっておくべきですね。まさかあの恥ずかしい写真集に助けられるとは思いませんでした。
「お願いです」
後から来たモンスターが話しかけてきました。
「何でしょうか?」
どうせミーニャさんには言わないでくれと言いたいのですね? どうしましょうか? 言ったら確実に殺されますよね。ふふふ、急に立場逆転です。
「この写真集にサインをして下さい」
「ええ! 私サインなんてありません」
意外なことを言われてしまいました。サインを頼んだモンスターは目を瞑り手を震わせながら小さな声で何か言っています。
「サインを断られた。恨んでやる。殺してやる」
「ええーーー! 書きます書きますサインを書きます」
サラサラポチっと。
「おおー! リーサ様のサインだー!」
「何て書いてあるんだ? さっぱり分からねえぞ」
「当たり前だサインなんてそんなものだ」
超適当に丸々点と書いただけですから分からなくて当然ですよね。
「俺にも書いてくれ」
さっきの悪者モンスターです。
「書けと言われてもどこに書けばいいのですか?」
「ええっと、背中に書いてくれ」
背中にサインを書いてどうするんですか! でも断ると怖いので書きます。サラサラポチッと。
「あれ? さっきのサインと違うぞ」
もう1匹のモンスターが二人のサインを見比べて言います。超適当に書きましたからね。違って当然なのですがどう言い訳しましょうか?
「おい、何で違うんだ? まさか適当に書いたんじゃないだろうな?」
「そんなわけないですよ。それはあなただけのオリジナルサインなんです。ものすごく貴重なんですから」
「おお! やったー!」
何とかピンチを乗り切ったようです。
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