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第3章 仲良し3人組

第44話 本当の親友

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「肩が凝ったなぁ、リーサ」
「はい、只今お揉みしますミーニャ様」
最近のリーサは非常に従順になったな。どんなことを頼んでも言うことを聞いてくれる。

「リーサのゴスロリがみたいなぁ」
「それはちょっと・・・・」
たとえ渋ったとしも、
「パチン」
という擬音語を言うだけで、
「今すぐ着替えてきます」
となる。つまりリーサは私のものになったのだ!

「着替えてきました」
「おー、よく似合うぞ!」
「ありがとうございます」
遂に私の夢が叶った。何でも言うことを聞いてくれる親友ができたのだ! 

 だが・・・・なんか虚しい。この感情はどこから来るのだ?
「おい、リーサ」
「はい」
「何かが違うと思わぬか?」
「はい?」
「親友とはこんなものか? 違う気がするぞ」
『何て身勝手な』
「ん? 今なんかぼそっと言ったか? 小さな小さな声でぼそっと言ったか?」
「何も言ってません」

 私はリーサをじっと見つめて言った。
「今から親友っぽくしろ。いいな」
「親友っぽくと言われましても、どうすればよろしいでしょうか?」
「そうだな? まずはその敬語をやめろ」
「この話し方は連載開始以来のものです。今更変えようと思っても無理だと思います」
「パチン」
「やだ、ミーニャったら無理ばかり言うんだから」

「うむ、それでいい。もう少し親友っぽいことはないものかな?」
その時大きな声が聞こえた。当然声の主はナナカだ。
「リーサ、ゴスロリの服着てるじゃん。似合ってるわよ。もっとよく見せて!」
「恥ずかしいのであまり見ないでください」

「おおナナカ。丁度良いところに来た。親友っぽい行動って何があるか教えてくれ」
「親友っぽいねぇ? そうだ交換日記なんてどう?」
「何だそれは?」
「日記を交代で書くのよ。今日はリーサで明日は私、その次はミーニャみたいな」
「それは素晴らしい! リーサの日記が堂々と読めるではないか。早速やろうぞ!」

 そして私は腕組みをして考えた。
「ナナカも書くのか?」
「どういう意味よ! 当たり前じゃない!」
「そうか。まあ仕方あるまい。だが条件がある。日本語で書くな! ここに辞書があるからそれを使って異世界語で書くのだ。いいな?」

『〇月〇日 ナナカ
 ああ、久しぶりにカラオケ行きたいな~。昔はよく行ったわ~。好きなジャンルはロックかな? サブライジャパンのユーアーヒーローをよく歌ったわね。あの曲最高だよ。この異世界にもカラオケないかな?』
『〇月〇日 リーサ
 私もカラオケ大好きです。800円で10時間歌い放題の店があってよく行きました。私はどちらかって言うとゆっくりした曲が好きでした。黒原乃柚さんの『あなただけを愛し続けて』が大好きでカラオケに行くと10回はこの曲を歌いました」

「ちょっと待て! 何なのだこのカラオケというのは? さっぱり理解できぬぞ」
「ミーニャってカラオケ知らないんだ?」
「全く知らん!」
「リズムを流して歌を歌うものよ」
「どうやって流すのだ?」
「カラオケの機械で」
「機械とは何だ?」
「電気で動く道具だよ」
「電気って何だ?」
「ミーニャって本当にわけがわからないよねぇ」
「わけのわからぬことを言ってるのはナナカの方だろ!」

 私がリーサを見ると笑いをこらえているように見える。
「リーサはわかるのか?」
「はい、日本に住んでいましたから」
「ん? 今敬語を使ったか?」
「あっ、日本にいたからわかるに決まってるじゃない。そんなこともわからないの?」
これはこれで腹が立つな。

「交換日記以外で何かないのか?」
「一緒に歌を歌うと絆が深まるそうよ」
ナナカの言うことは信用できないことが多いのだが。
「そうだ。私がカラオケの機械を作るから一緒に歌おうよ」
「本当ですか! 歌いたいです」
「ミーニャいいでしょ?」
何か怪しいがまあよかろう。

 そして次の日。
「どういうことだ! 私の知らぬ歌ばかりではないか!」
「それは仕方ないわよ。異世界の歌なんて私知らないもの」
「だったら憶えればよかろう!」
「嫌よ。ここの歌って怖い歌詞の歌ばかりだもん」

 違う違う! 私はリーサとこのような仲になりたいのだ。私は深いため息を一つつくとリーサの方を見た。どう見ても笑いをこらえている顔だった。
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