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第2章 新たな敵を倒せ
第32話 私のことが嫌いになったの?
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リーサがいなくなって長くなる。と言ってもまだ3日なのだが。何か心にぽっかりと穴が開いてしまった感じだ。果たしてリーサは無事なのだろうか? テレパシーで聞こえてくる会話だと元気そうだが、そんなものは当てにならない。もしかしたら恐怖のあまりわざと明るく振る舞っているのかも知れん。いやもし明るくしろと脅かされているとしたら? ダメだ早く助けなくては!
『このケーキ、ナナカさんが焼いたんですか? とても美味しいです』
『ありがとう。良かったらもっと食べてね』
『うれしい! 本当にここへ来て良かったー』
とても脅されているようには思えぬな。なぜだ? なぜリーサは楽しそうにしているのだ?
そうか! このナナカとか言う女がリーサをたぶらかしているのだな? 許せぬ。ラスボスの親友を奪うとはいい度胸だ。
「おい! ジーニアスドラゴン。敵のアジトに突撃するぞ! リーサを取り戻すのだ」
「ですから、どこに攻め込めばいいのですか?」
「も、勿論知ってました。だが何とかならぬのか?」
「敵の居場所がわからぬ限り無理でしょうね」
「そこを何とかしろ」
「いろいろと考えてはいますがいい方法が見つかりません」
何と言うことだ。このままだとリーサを取られてしまう。これはラスボスの座を奪われるより辛いぞ。何とかならぬものか。う~む。
「どうされました?」
「早くリーサを取り戻さねばナナカとか言う女に取られてしまうではないか!」
「ははあ、始めてできた友達を取られそうで不安になっているのですな。ははは」
「爆殺刑、毒殺刑、絞首刑の内好きな物を選べ」
「申し訳ありません。どうかお許しを」
「おい、誰かもう一度リーサの位置を確認しろ。もしかしたらバグが治っているかも知れぬ。後ジーニアスドラゴン用のギロチンも持ってこい」
「本当にお許しください!」
「やはり地上200000mになっています」
「一体どうなっているんだ?」
「それとギロチンの用意ができました」
「ご苦労」
「本当にお許しください。そうだ! リーサ様に周りの景色を報告して貰えば、どこにいるか見当が付くかもしれません」
「そんなことでわかるのか?」
「特定屋としてネットを騒がせた私を信じてください」
「それもそうだな」
『あ! こちらのティラミスも美味しいです。ナナカさんて転生前はパティシエだったんですか?』
『まさか』
『でもそれくらい美味しいですよ』
『リーサ。お楽しみの最中悪いがそこがどこか知りたい。周りに見える物を教えてくれ』
「ええーーー!」
「どうかしたの? 急に大きな声を出して」
「な、何でもありません」
『どんなことでもいい。伝えてくれ』
「ええっと、服を入れるケースに服が入ってます』
『誰が部屋の中の様子を教えろと言った! 外の様子を言え!』
『この部屋には窓がありません』
『だったら窓のあるところに移動するのだ』
『窓のない建物のようです』
『そんな建物があるのか?』
『あります』
「どうしたの? 目をつぶってブツブツ言ってるけど」
「ごめんなさい。瞑想をしていました」
「何故いきなり瞑想?」
「時折こうなります」
「やばい宗教に入ってないよね?」
「入ってません」
『何に入ってるって?』
『変な宗教に入ってないかと言われました?』
『宗教? 何だそれ?』
『もしかして異世界には神様はいないのですか?』
『神が私だ』
『なるほど。何気にわかる気がします』
どういう意味だ?
まさかリーサは私のことが嫌いになったのか? 思い当たる節がありすぎるけど。
『リーサは私のことを嫌いか?』
『そんなことありません』
『何か適当に扱われている気がするぞ』
『・・・・・・』
『どうして即答で否定しないんだ!』
『ちょっとボーッとしてました』
怪しい。これは心変わりをしてしまったと考える方が良さそうだ。それは今まで脅したり強い敵と戦わせたり無理矢理スパイに行かせたりしたけど・・・・嫌われて同然か。
『リーサは私のことが嫌いになってしまったのだな?』
『そんなことはないです』
『嫌いになったら世界の半分をやらぬぞ』
『それはいりませんけど』
『もし嫌いになってないんだったらミーニャ大好きと言って見ろ』
『ええーーー!』
『なぜそこで驚く?』
『だって恥ずかしいじゃないですか?』
『なぜ好きな人を好きと言うことが恥ずかしいんだ?』
『だったらリーサ大好きって言えますか?』
『リーサ大好き!』
『簡単に言っちゃいましたね』
『さあ、次はリーサの番だ。早く言え!』
『・・・・・・・・』
何故言えんのだ? やはり嫌われてしまったと言うことか?
『もういいわよ。一生恨んでやるんだからね。この浮気者! 軍隊を総動員して見つけ出して、手足をバラバラにして髑髏を王の間に飾ってやるー!』
『言います。言いますから! ミーニャさん大好き!』
『おー!』
「今、ミーニャって言った?」
「え? 声に出てました?」
「ミーニャってどこかで聞いた名前よね? あ! もしかしてラスボスじゃない? ラスボスが好きなの?」
「大嫌いです!」
『リーサ!!!』
「大好きです」
「どっちなのよ!?」
これは直接会って目を見て聞き出すのがベストのようだ。
「全軍に告ぐ。草の根を分けてでもリーサを探し出すんだ!」
『ええええええーーーーーーーー!!!!!!』
何でこんな物凄い驚き方をするのだ? この『ええええええーーーーーーーー!!!!!!』は過去最高クラスだぞ。
『このケーキ、ナナカさんが焼いたんですか? とても美味しいです』
『ありがとう。良かったらもっと食べてね』
『うれしい! 本当にここへ来て良かったー』
とても脅されているようには思えぬな。なぜだ? なぜリーサは楽しそうにしているのだ?
そうか! このナナカとか言う女がリーサをたぶらかしているのだな? 許せぬ。ラスボスの親友を奪うとはいい度胸だ。
「おい! ジーニアスドラゴン。敵のアジトに突撃するぞ! リーサを取り戻すのだ」
「ですから、どこに攻め込めばいいのですか?」
「も、勿論知ってました。だが何とかならぬのか?」
「敵の居場所がわからぬ限り無理でしょうね」
「そこを何とかしろ」
「いろいろと考えてはいますがいい方法が見つかりません」
何と言うことだ。このままだとリーサを取られてしまう。これはラスボスの座を奪われるより辛いぞ。何とかならぬものか。う~む。
「どうされました?」
「早くリーサを取り戻さねばナナカとか言う女に取られてしまうではないか!」
「ははあ、始めてできた友達を取られそうで不安になっているのですな。ははは」
「爆殺刑、毒殺刑、絞首刑の内好きな物を選べ」
「申し訳ありません。どうかお許しを」
「おい、誰かもう一度リーサの位置を確認しろ。もしかしたらバグが治っているかも知れぬ。後ジーニアスドラゴン用のギロチンも持ってこい」
「本当にお許しください!」
「やはり地上200000mになっています」
「一体どうなっているんだ?」
「それとギロチンの用意ができました」
「ご苦労」
「本当にお許しください。そうだ! リーサ様に周りの景色を報告して貰えば、どこにいるか見当が付くかもしれません」
「そんなことでわかるのか?」
「特定屋としてネットを騒がせた私を信じてください」
「それもそうだな」
『あ! こちらのティラミスも美味しいです。ナナカさんて転生前はパティシエだったんですか?』
『まさか』
『でもそれくらい美味しいですよ』
『リーサ。お楽しみの最中悪いがそこがどこか知りたい。周りに見える物を教えてくれ』
「ええーーー!」
「どうかしたの? 急に大きな声を出して」
「な、何でもありません」
『どんなことでもいい。伝えてくれ』
「ええっと、服を入れるケースに服が入ってます』
『誰が部屋の中の様子を教えろと言った! 外の様子を言え!』
『この部屋には窓がありません』
『だったら窓のあるところに移動するのだ』
『窓のない建物のようです』
『そんな建物があるのか?』
『あります』
「どうしたの? 目をつぶってブツブツ言ってるけど」
「ごめんなさい。瞑想をしていました」
「何故いきなり瞑想?」
「時折こうなります」
「やばい宗教に入ってないよね?」
「入ってません」
『何に入ってるって?』
『変な宗教に入ってないかと言われました?』
『宗教? 何だそれ?』
『もしかして異世界には神様はいないのですか?』
『神が私だ』
『なるほど。何気にわかる気がします』
どういう意味だ?
まさかリーサは私のことが嫌いになったのか? 思い当たる節がありすぎるけど。
『リーサは私のことを嫌いか?』
『そんなことありません』
『何か適当に扱われている気がするぞ』
『・・・・・・』
『どうして即答で否定しないんだ!』
『ちょっとボーッとしてました』
怪しい。これは心変わりをしてしまったと考える方が良さそうだ。それは今まで脅したり強い敵と戦わせたり無理矢理スパイに行かせたりしたけど・・・・嫌われて同然か。
『リーサは私のことが嫌いになってしまったのだな?』
『そんなことはないです』
『嫌いになったら世界の半分をやらぬぞ』
『それはいりませんけど』
『もし嫌いになってないんだったらミーニャ大好きと言って見ろ』
『ええーーー!』
『なぜそこで驚く?』
『だって恥ずかしいじゃないですか?』
『なぜ好きな人を好きと言うことが恥ずかしいんだ?』
『だったらリーサ大好きって言えますか?』
『リーサ大好き!』
『簡単に言っちゃいましたね』
『さあ、次はリーサの番だ。早く言え!』
『・・・・・・・・』
何故言えんのだ? やはり嫌われてしまったと言うことか?
『もういいわよ。一生恨んでやるんだからね。この浮気者! 軍隊を総動員して見つけ出して、手足をバラバラにして髑髏を王の間に飾ってやるー!』
『言います。言いますから! ミーニャさん大好き!』
『おー!』
「今、ミーニャって言った?」
「え? 声に出てました?」
「ミーニャってどこかで聞いた名前よね? あ! もしかしてラスボスじゃない? ラスボスが好きなの?」
「大嫌いです!」
『リーサ!!!』
「大好きです」
「どっちなのよ!?」
これは直接会って目を見て聞き出すのがベストのようだ。
「全軍に告ぐ。草の根を分けてでもリーサを探し出すんだ!」
『ええええええーーーーーーーー!!!!!!』
何でこんな物凄い驚き方をするのだ? この『ええええええーーーーーーーー!!!!!!』は過去最高クラスだぞ。
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