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第3章 未来への旅立ち
第27話 救世主ユリナ
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俺達はレストランを出るとやや早歩きでなるべく遠くへと移動した。無事に店を出ることができたという安心感よりいつ店員や警察に呼び止められるかわからないという不安の方が勝っていたからだ。
「ここまで来たらもう大丈夫なんじゃない?」
一番肝が据わっている胡桃が言った。
「まだわからないぞ。何しろ道行く人が俺達をじろじろ見てるんだ。何らかの目印が付いていて無銭飲食がばれてるのかも知れない」
俺は周りを見回しながら言った。
「そんなにキョロキョロしてたら返って怪しまれるでしょ!?」
胡桃は目立つレベルの大声でツッコんだ。こいつ時々わかってないなと思う時がある。
「でも、どうしてみんな俺たちの方を見ていくんだ?」
「何でだろう? 萌えたち普通だよね」
萌は不思議そうに自分を眺めた。
「失礼だがちょっといいかな?」
突然聞き慣れない声が背後から聞こえてきた。俺は思わず後ろを振り向くと全力で謝った。
「ごめんなさい。ごめんなさい。皿洗いでも何でもしますからお許しください」
声を掛けたのは若い女性だ。すらっとした美人でナンパしようと思っても声を掛けるのに躊躇するレベルのオーラを放っている。
「あなたたち21世紀前後の日本人でしょ?」
女性はクスクス笑いながら質問をしてきた。
「あなたは誰? どうして私たちの言葉を話せるの?」
胡桃は俺達を追ってきた店員でないと判断するとまくし立てるように早口で聞いた。
「とにかくここはまずい。こちらに来てほしい」
「どこに行くんですか?」
萌は不審に思ったのか美人の女性に対して不機嫌な声で尋ねた。そんなに悪い印象の女性ではないのにどうしてそんな声で聞くのだ?
「取り敢えず私の家に来てくれ」
「どうして知らない人の家に行かなければいけないのですか?」
萌の言いたいこともわかるが、せっかく言ってくれてるのに失礼じゃないか?
「あなた達が21世紀人だとばれると大騒ぎになる」
「萌はあなたの家にだけは行きたくありません」
何を言い出すんだ萌? これはもしかしてこの人があまりに美人だから対抗意識を燃やしているのか? 自分が美人だと認識していない胡桃は何も言わないぞ。
「どうして俺達が21世紀から来たと分かったんですか?」
「服装よ」
俺は自分の服装と周りの人の服装を見比べてみた。大して違わない気がするけど・・・・。
「この時代にはスカートやパンツスタイルの服はないんだよ」
そう言われてもよくわからないのだが。
「確かにそうねえ」
ファッションに精通してそうな萌が小さな声で呟いた。
「だからそんな格好で街をうろついてたら危険なんだ」
「萌は行かないよ。宮本君も萌と残ってくれるでしょ?」
急に甘えた声になった萌は俺にしがみ付いた。
「そうか。私に彼を横取りされると思って警戒してるのか? 大丈夫大切な彼氏を取ったりしないから安心して」
「本当?」
「約束する」
「わかったわ。じゃあ行く」
「決まりだね」
とここまではいい流れなのだが、俺は胡桃が腕組みをしてこの会話を聞いているのに気付いてしまった。揉めるのは大いに結構だが、俺を巻き添いにするのだけは止めてくれ。
俺たちは三階建ての建物に入った。
「ここは私が住んでいるアパートだ」
部屋が一室と小さなキッチンがあるだけの質素なものだ。所謂ワンルームマンションというやつか。いやワンルームアパートか?
「まあ、適当に座ってくれ」
「ありがとうございます」
美人の女性は飲み物を持ってきてくれた。優しさも兼ね備えているようだ。
「まずは自己紹介だね。私はユリナ。これでも女だ。歴史系の大学二年生。主に二十世紀前後の日本を選考している」
「それで日本語が話せるのか。俺たちは二十一世紀初頭の日本から来たんだ」
「紛れ込んできたのか。あの旅行会社セキュリティー甘いからな」
ユリナはそう言うと大きな声で笑った。
「時々いるんだ。あなた達みたいな人が。じゃあ、今頃は指名手配になってる頃だな」
「やっぱりね」
胡桃が頷く。
「大丈夫だよ。ここにいれば捕まらないと思う」
「本当か!?」
「当分だけどね」
「私たちを匿ってくれるの?」
胡桃は恐る恐る聞いた。
「勿論さ。二十一世紀の日本人と一緒に暮らせるなんて滅多にない勉強のチャンスだからな」
ユリナはまた大きな声で笑った。
「でも、かなり迷惑をかけることになるわ」
萌がそう言うと、
「そんなの覚悟の上さ」
とユリナはまたまた大きな声で笑い出す。
「あなた達は高校生くらいかい?」
「はい、高校三年生です。ユリナさんは大学生だから先輩ですね」
胡桃はにっこり笑って答える。胡桃でもこんな可愛い表情できたんだと俺は思わず感心してしまったが、すぐに『決して口には出すまい』と誓った。
「私は大学で学んでいるけど飛び級してるから、年齢的にはあなた達と同じ高校三年生だ」
「へえ、そうなんだ~」
萌が相槌を打つ。胡桃に主導権を握られるのが嫌なのだろう。常に中心でいたいというのが痛いほどわかる。これが萌のプライドなのだろう。
「ところで、もし良かったら名前を教えてくれないか? なんて呼べばいいか分からないから」
「ごめんなさい。すっかり忘れちゃってた。私は今田萌。よろしくね。そして、こちらの男性が宮本真歴君。萌の恋人よ。もう一人いるのがおまけの佐々木胡桃。おまけだから適当に扱っていいわ」
「ちょっと何言ってるのよ!」
胡桃は萌の紹介の仕方が気に入らないのか、それとも萌に主導権を握られたことが悔しいのか、手が少し震えて出している。危ない兆候だ。
「今田さんと宮本君は付き合ってるんだ。いいな。羨ましいよ」
「こいつら付き合ってないから!」
胡桃は拳を握りながら萌を睨んだ。
「ところでユリナさんは付き合ってる方はいないんですか?」
危険水域を越えつつある胡桃のことなど無視しながら萌は続ける。
「私、男の人と付き合ったことないんだ。性格が男っぽいって言うか。誰も女として認めてくれないんだよね」
「そんな可愛いよ。ショートな髪も似合ってるし」
萌はにっこりと笑って言う。確かにボーイッシュではあるがかなりの美人だ。
「ところで、この時代にはスカートやパンツスタイルがないって言ってましたけどどうしてですか?」
ようやく怒りを封印できた胡桃が聞いた。
「機能性に優れているからだよ。私たちの着ているワンピースって、夏は冷房を冬は暖房をする小さな機械が入っているんだ。だから一年中快適なわけさ。男性だって多くの人がワンピースを着ているくらいだから」
言われてみると町の人はみんなワンピースを着ていたような気もする。
「お、男もワンピースを着るのか?」
俺は慌てて聞いた。もちろん着てみたいわけじゃない。むしろ着せられることへの恐怖心から聞いたのだ。
「この時代は男はこれ女はこれといった考えはあまりないからね。ワンピースは空洞部部分が多いから冷暖房の調節が楽なんだ」
これはまずい。このままではいずれワンピースを着せられるぞ。でも街を歩く男ってワンピースを着てたか? 俺は一抹の不安を覚えながら一生懸命思い出そうと頑張るのだった。
「ここまで来たらもう大丈夫なんじゃない?」
一番肝が据わっている胡桃が言った。
「まだわからないぞ。何しろ道行く人が俺達をじろじろ見てるんだ。何らかの目印が付いていて無銭飲食がばれてるのかも知れない」
俺は周りを見回しながら言った。
「そんなにキョロキョロしてたら返って怪しまれるでしょ!?」
胡桃は目立つレベルの大声でツッコんだ。こいつ時々わかってないなと思う時がある。
「でも、どうしてみんな俺たちの方を見ていくんだ?」
「何でだろう? 萌えたち普通だよね」
萌は不思議そうに自分を眺めた。
「失礼だがちょっといいかな?」
突然聞き慣れない声が背後から聞こえてきた。俺は思わず後ろを振り向くと全力で謝った。
「ごめんなさい。ごめんなさい。皿洗いでも何でもしますからお許しください」
声を掛けたのは若い女性だ。すらっとした美人でナンパしようと思っても声を掛けるのに躊躇するレベルのオーラを放っている。
「あなたたち21世紀前後の日本人でしょ?」
女性はクスクス笑いながら質問をしてきた。
「あなたは誰? どうして私たちの言葉を話せるの?」
胡桃は俺達を追ってきた店員でないと判断するとまくし立てるように早口で聞いた。
「とにかくここはまずい。こちらに来てほしい」
「どこに行くんですか?」
萌は不審に思ったのか美人の女性に対して不機嫌な声で尋ねた。そんなに悪い印象の女性ではないのにどうしてそんな声で聞くのだ?
「取り敢えず私の家に来てくれ」
「どうして知らない人の家に行かなければいけないのですか?」
萌の言いたいこともわかるが、せっかく言ってくれてるのに失礼じゃないか?
「あなた達が21世紀人だとばれると大騒ぎになる」
「萌はあなたの家にだけは行きたくありません」
何を言い出すんだ萌? これはもしかしてこの人があまりに美人だから対抗意識を燃やしているのか? 自分が美人だと認識していない胡桃は何も言わないぞ。
「どうして俺達が21世紀から来たと分かったんですか?」
「服装よ」
俺は自分の服装と周りの人の服装を見比べてみた。大して違わない気がするけど・・・・。
「この時代にはスカートやパンツスタイルの服はないんだよ」
そう言われてもよくわからないのだが。
「確かにそうねえ」
ファッションに精通してそうな萌が小さな声で呟いた。
「だからそんな格好で街をうろついてたら危険なんだ」
「萌は行かないよ。宮本君も萌と残ってくれるでしょ?」
急に甘えた声になった萌は俺にしがみ付いた。
「そうか。私に彼を横取りされると思って警戒してるのか? 大丈夫大切な彼氏を取ったりしないから安心して」
「本当?」
「約束する」
「わかったわ。じゃあ行く」
「決まりだね」
とここまではいい流れなのだが、俺は胡桃が腕組みをしてこの会話を聞いているのに気付いてしまった。揉めるのは大いに結構だが、俺を巻き添いにするのだけは止めてくれ。
俺たちは三階建ての建物に入った。
「ここは私が住んでいるアパートだ」
部屋が一室と小さなキッチンがあるだけの質素なものだ。所謂ワンルームマンションというやつか。いやワンルームアパートか?
「まあ、適当に座ってくれ」
「ありがとうございます」
美人の女性は飲み物を持ってきてくれた。優しさも兼ね備えているようだ。
「まずは自己紹介だね。私はユリナ。これでも女だ。歴史系の大学二年生。主に二十世紀前後の日本を選考している」
「それで日本語が話せるのか。俺たちは二十一世紀初頭の日本から来たんだ」
「紛れ込んできたのか。あの旅行会社セキュリティー甘いからな」
ユリナはそう言うと大きな声で笑った。
「時々いるんだ。あなた達みたいな人が。じゃあ、今頃は指名手配になってる頃だな」
「やっぱりね」
胡桃が頷く。
「大丈夫だよ。ここにいれば捕まらないと思う」
「本当か!?」
「当分だけどね」
「私たちを匿ってくれるの?」
胡桃は恐る恐る聞いた。
「勿論さ。二十一世紀の日本人と一緒に暮らせるなんて滅多にない勉強のチャンスだからな」
ユリナはまた大きな声で笑った。
「でも、かなり迷惑をかけることになるわ」
萌がそう言うと、
「そんなの覚悟の上さ」
とユリナはまたまた大きな声で笑い出す。
「あなた達は高校生くらいかい?」
「はい、高校三年生です。ユリナさんは大学生だから先輩ですね」
胡桃はにっこり笑って答える。胡桃でもこんな可愛い表情できたんだと俺は思わず感心してしまったが、すぐに『決して口には出すまい』と誓った。
「私は大学で学んでいるけど飛び級してるから、年齢的にはあなた達と同じ高校三年生だ」
「へえ、そうなんだ~」
萌が相槌を打つ。胡桃に主導権を握られるのが嫌なのだろう。常に中心でいたいというのが痛いほどわかる。これが萌のプライドなのだろう。
「ところで、もし良かったら名前を教えてくれないか? なんて呼べばいいか分からないから」
「ごめんなさい。すっかり忘れちゃってた。私は今田萌。よろしくね。そして、こちらの男性が宮本真歴君。萌の恋人よ。もう一人いるのがおまけの佐々木胡桃。おまけだから適当に扱っていいわ」
「ちょっと何言ってるのよ!」
胡桃は萌の紹介の仕方が気に入らないのか、それとも萌に主導権を握られたことが悔しいのか、手が少し震えて出している。危ない兆候だ。
「今田さんと宮本君は付き合ってるんだ。いいな。羨ましいよ」
「こいつら付き合ってないから!」
胡桃は拳を握りながら萌を睨んだ。
「ところでユリナさんは付き合ってる方はいないんですか?」
危険水域を越えつつある胡桃のことなど無視しながら萌は続ける。
「私、男の人と付き合ったことないんだ。性格が男っぽいって言うか。誰も女として認めてくれないんだよね」
「そんな可愛いよ。ショートな髪も似合ってるし」
萌はにっこりと笑って言う。確かにボーイッシュではあるがかなりの美人だ。
「ところで、この時代にはスカートやパンツスタイルがないって言ってましたけどどうしてですか?」
ようやく怒りを封印できた胡桃が聞いた。
「機能性に優れているからだよ。私たちの着ているワンピースって、夏は冷房を冬は暖房をする小さな機械が入っているんだ。だから一年中快適なわけさ。男性だって多くの人がワンピースを着ているくらいだから」
言われてみると町の人はみんなワンピースを着ていたような気もする。
「お、男もワンピースを着るのか?」
俺は慌てて聞いた。もちろん着てみたいわけじゃない。むしろ着せられることへの恐怖心から聞いたのだ。
「この時代は男はこれ女はこれといった考えはあまりないからね。ワンピースは空洞部部分が多いから冷暖房の調節が楽なんだ」
これはまずい。このままではいずれワンピースを着せられるぞ。でも街を歩く男ってワンピースを着てたか? 俺は一抹の不安を覚えながら一生懸命思い出そうと頑張るのだった。
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