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第20話 次はコーヒーカップだ
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「早速カップルができたね」
草壁君が笑いながら言う。
「笑い事じゃねぇ」
「ねえ私のこと嫌い~??」
「嫌いじゃないが好きでもねぇ! てか酔っ払ってるのか? 春野?」
ようやくショックから立ち直った私が琉生に追い打ちをかける。
「琉生、良かったじゃない。可愛い彼女ができて」
「おい・・・・」
野乃葉ちゃんは美人と言うよりは可愛いタイプだ。ていうかなんで琉生は私を睨んでくるの? こわっ!
「じゃあ、次に進もうか」
沙耶ちゃんが、また仕切り始めた。
「次はどこに行くの?」
「コーヒーカップ」
「今度はまた可愛い乗り物に行くのね?」
紗椰ちゃんの意図がわからない私は素直な疑問をぶつけてみた。ジェットコースターの後のコーヒーカップは落差が凄い。
「可愛いもんですか。いい? 乗ったら思いっきり回転させるのよ」
「何で?」
「二人で恐怖体験をするため」
「恐怖体験?」
「言ったじゃない。同じ恐怖体験を共にしたら恋愛感情が芽生えるの。これを吊り橋効果って言うの」
「よくわかんないけど、わかった!」
私たちがコーヒーカップの場所に着くと草壁君が聞いてきた。
「これに乗るの?」
「コーヒーカップやメリーゴーランドは女の子の夢なの。付き合ってよね」
「もちろん、いいけど」
草壁君は笑顔で答える。何ていい人なんだろう。常に笑顔でいられるなんて凄い。凄すぎる。
「いい加減に腕を放せよ!」
「嫌なの~」
「まだ腕つないでたの?」
私はビックリして思わず聞いてしまった。
「柚衣! この状況を見て何も感じないのかよ」
「別に」
「この薄情者!」
「何で私が薄情者なのよ!」
「春野さんてもっと消極的な人だと思ってたんだけど」
草壁君が言ったので私は慌てて話を続けた。
「私もこんな野乃葉ちゃんを見るのは初めて」
「そうなんだ」
「そうなの。きっと酔っ払ってるんだね」
私草壁君と普通の会話をしているよ。今までも少しは会話したけどあれは特別な会話。今日は本当の普通の会話。草壁君との距離が縮まった気がする。
「仕方ない。中園君と野乃葉は一緒に乗りなさい。そうなると、草壁君と柚衣が一緒ね。で私が一人っと」
「一人じゃかわいそうだから僕たちいっしょに乗ろうよ」
草壁君の優しい余計な一言。
「私は一人で乗るのが好きなの」
沙耶ちゃん、ありがとう。私のために・・・・一人でコーヒーカップって虚しいよね。
「おい、同じ方向に乗るなよ。バランスが悪いじゃねえか」
声の方を見ると、野乃葉ちゃんが琉生にぴったりくっついて乗っている。ちょっぴり羨ましい気も・・・・。ってなに考えてんだ私??
「あの二人すっかり仲良しだね」
草壁君の爽やかな声。
「うん、ちょっとビックリ」
私は意識しておしとやかな声で答える。
「彼氏を取られて大丈夫?」
「彼氏じゃないって!」
・・・・草壁君に大きな声出しちゃった。さっきのおしとやかな声が台無しだよ。
「ごめんなさい。急に大きな声出して」
「そんなこと気にしなくていいよ」
「でも草壁君に嫌われたくないし」
「嫌われるも何も僕たち友達同士じゃないか」
グサッ! 痛恨の一撃!
そうだよね。恋人同士じゃないんだよね。わかってた。でも直接言われるとこんなに応えるんだ。私は胸を押さえて俯いた。
草壁君が笑いながら言う。
「笑い事じゃねぇ」
「ねえ私のこと嫌い~??」
「嫌いじゃないが好きでもねぇ! てか酔っ払ってるのか? 春野?」
ようやくショックから立ち直った私が琉生に追い打ちをかける。
「琉生、良かったじゃない。可愛い彼女ができて」
「おい・・・・」
野乃葉ちゃんは美人と言うよりは可愛いタイプだ。ていうかなんで琉生は私を睨んでくるの? こわっ!
「じゃあ、次に進もうか」
沙耶ちゃんが、また仕切り始めた。
「次はどこに行くの?」
「コーヒーカップ」
「今度はまた可愛い乗り物に行くのね?」
紗椰ちゃんの意図がわからない私は素直な疑問をぶつけてみた。ジェットコースターの後のコーヒーカップは落差が凄い。
「可愛いもんですか。いい? 乗ったら思いっきり回転させるのよ」
「何で?」
「二人で恐怖体験をするため」
「恐怖体験?」
「言ったじゃない。同じ恐怖体験を共にしたら恋愛感情が芽生えるの。これを吊り橋効果って言うの」
「よくわかんないけど、わかった!」
私たちがコーヒーカップの場所に着くと草壁君が聞いてきた。
「これに乗るの?」
「コーヒーカップやメリーゴーランドは女の子の夢なの。付き合ってよね」
「もちろん、いいけど」
草壁君は笑顔で答える。何ていい人なんだろう。常に笑顔でいられるなんて凄い。凄すぎる。
「いい加減に腕を放せよ!」
「嫌なの~」
「まだ腕つないでたの?」
私はビックリして思わず聞いてしまった。
「柚衣! この状況を見て何も感じないのかよ」
「別に」
「この薄情者!」
「何で私が薄情者なのよ!」
「春野さんてもっと消極的な人だと思ってたんだけど」
草壁君が言ったので私は慌てて話を続けた。
「私もこんな野乃葉ちゃんを見るのは初めて」
「そうなんだ」
「そうなの。きっと酔っ払ってるんだね」
私草壁君と普通の会話をしているよ。今までも少しは会話したけどあれは特別な会話。今日は本当の普通の会話。草壁君との距離が縮まった気がする。
「仕方ない。中園君と野乃葉は一緒に乗りなさい。そうなると、草壁君と柚衣が一緒ね。で私が一人っと」
「一人じゃかわいそうだから僕たちいっしょに乗ろうよ」
草壁君の優しい余計な一言。
「私は一人で乗るのが好きなの」
沙耶ちゃん、ありがとう。私のために・・・・一人でコーヒーカップって虚しいよね。
「おい、同じ方向に乗るなよ。バランスが悪いじゃねえか」
声の方を見ると、野乃葉ちゃんが琉生にぴったりくっついて乗っている。ちょっぴり羨ましい気も・・・・。ってなに考えてんだ私??
「あの二人すっかり仲良しだね」
草壁君の爽やかな声。
「うん、ちょっとビックリ」
私は意識しておしとやかな声で答える。
「彼氏を取られて大丈夫?」
「彼氏じゃないって!」
・・・・草壁君に大きな声出しちゃった。さっきのおしとやかな声が台無しだよ。
「ごめんなさい。急に大きな声出して」
「そんなこと気にしなくていいよ」
「でも草壁君に嫌われたくないし」
「嫌われるも何も僕たち友達同士じゃないか」
グサッ! 痛恨の一撃!
そうだよね。恋人同士じゃないんだよね。わかってた。でも直接言われるとこんなに応えるんだ。私は胸を押さえて俯いた。
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