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第二章 旅立ち

第三十三話 可愛い雑貨屋

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 旅の途中で可愛い雑貨屋さんを見つけた。勇者様以外全員女の子なので、こういう店があるとつい入りたくなるんだよね。あっ! 勇者様も女性だった。

「ああ! この手帳可愛い! このシャーペンも、この定規も可愛いなぁ!」
特にアイラは可愛い物に目がないみたい。でも確かにこのお店にある物って、女心をくすぐる可愛い物が多いかも?
 あれ? この手帳、魔法使いレベル50以上って書いてある。何のことだろう?
「アイラさん、このレベルって何ですか?」
「ああ、これは魔法使いレベル50以上の人が使わないと意味がないってことよ」
アイラは置かれている文具を一生懸命吟味しながら教えてくれた。

「どういうことですか?」
「まあ、見てて」
アイラはその手帳を手にとなすなから何か呪文を唱えて開いた。すると手帳から魔人が浮かび上がり、
「何なりとお申し付けください」
と言った。

「何なんですか?」
「この魔人にお願いすると叶えてくれるのよ」
「ええー!」
私は驚いて数歩下がりこけそうになった。
「何でも叶えてくれるんですか?」
「無理な願いじゃなかったらね」
「じゃあ、ロールケーキが食べたいです」

「お任せください」
「やったー!」
「ただしお買い上げいただいたらですが」
「ちゃっかりしてるんですね」
 
 さすが異世界だわ。私は興味津々に店中を歩き回った。
「ねえアイラさん。この癒やしの鉛筆、レベル10って書いてありますけど、何の職業か書いてませんよ」
「これはどの職業の人でも使えるって意味よ」
「そんなのもあるんだ。じゃあ私でも使えるんですね」
「使えるよ」
「どんな効果があるんですか?」
「この鉛筆で勉強するとHPが回復するの」
「凄いです!」
「一時間使ってHPが1回復するだけだけどね」
「使えないですね」

 私は文具を見て回る内にあることに気がついた。私の職業である舞踏家が使える物は殆どないのだ。
「あ! あった! この手鏡、舞踏家レベル15って書いてある」
「ああ、反省の手鏡ね」
「どんな効果があるんですか?」
「その鏡を覗いてみて」

 私は反省の手鏡を覗き込んでみた。すると鏡にはモンスターとの戦う私の姿が映し出されている。何か恥ずかしいな。

「時々赤い矢印が出るんですけど、これは何ですか?」
「踊りが失敗してたり下手だったりしたら出るのよ」
この矢印って結構多いような・・・・。
「あっ! こけた!」
すると思いっきり大きく太い矢印が私を指している。

「17点!」
「何? これ?」
「踊りの出来を100点満点で評価してくれるのよ。今セール中で安くなっているみたいだけど買う?」
「絶対に買いません!」
こうして今日も持ち前の運の悪さを爆発させる私なのだった。
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