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第二章 旅立ち
第二十二話 新たな人生
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ピロロロン!
「凄い! もうレベル20になっちゃったよ!」
私はみるみる上がっていくレベルに驚いていた。これも私以外のパーティーのメンバーが強いからに他ならないのだが嬉しいものは嬉しいよー。
「あれ? もしかして」
「どうしたの?」
クレアが優しい声で聞く。
「私ってレベル10以上になってるから職業が変えられるんですよね?」
「変えれるわよ」
やったー! これでバニーガールとはおさらばできるのね!
「どうしたの? 目を閉じて上を向いて手をグーにして もしかして何かに感動してるとか?」
アイラがからかった口調で言った。
「はい! 絶賛感動中です。バニーガールからジョブチェンジできるんですもの」
「バニーガールも可愛いけどな。そうか衣装がバニーガールじゃないからそんなこと思うんだ」
「違います!」
「そうだよ。バニーガールの衣装を着ればきっとこの職業も気に入ると思うよ」
私は生き生きとした目で会話に加わってきたポチの頭を押さえて、
「あなたは黙ってて」
と言った。
「職業を変えたいのかい? だったらこの先に教会がある。寄っていくとしよう」
勇者様が天使に見えてきた。男の人なのにね。
「ありがとうございます」
「で? どんな職業にしたいの?」
アイラは興味津々だ。
「魔法使いがいいと思うんですけど」
「へえ、じゃあ私と同じだね」
「はい、一緒でもいいですか?」
「別にいいけど、どうして魔法使いなの?」
「私、力が弱いから魔法使いの方がいいかなって思って」
「ふーん」
アイラは少し考えて言った。
「魔法使いも武器で戦わなければいけない時もあるんだ。そんなとき力が弱いと相手にダメージを与えられない。それでは困るよね。だから魔法使いになる前に腕力が付く職業になった方がいいよ」
「え? 本当ですか?」
私は思わずアイラ以外の人を見る。最近わかってきたんだけどアイラって時々とんでもないジョークを言い出すことがあるの。私って素直というか単純というか、どこまでが冗談なんかわからないんだよね。
「腕力の付く職業というと力士かな?」
「ええー!」
やっぱり冗談だった。
「よし決まりね。衣装はまわしだけだから楽だし」
「嫌です!」
「じゃあ、ボディービルダーにするか。あれも上半身裸だったわね」
「もう、真剣に考えてください!」
勇者様がクスクス笑っている。
「それなら武道家がいいよ。武道家なら重い武器を持たなくて済むし」
武闘家のサラが突然話に加わってきた。
「なるほど。武道家をしながら力を付けていくんですね。重い武器を持てない私にはピッタリかも」
そして教会に着いた。
「ではお嬢さん。何の職業になりたいですか?」
かなりの高齢と思われる神父さんが私に聞いた。
「はい、武闘家になりたいです」
「わかりました。目を閉じて祈りなさい」
私は指を組んで思いっきり目を閉じた。中途半端に目を閉じるとジョブチェンジが失敗しそうな気がしたから。今度こそ魔法使いになるんだから。
「目を開けてください。あなたの願いは叶いましたよ」
「本当ですか?」
これで私は今日から武闘家なのね。
「神父さんありがとうございました」
「陳腐さん?」
「神父さんです」
「ああ、そうだったね。またレベル1からになりますが、頑張ってください」
「はい」
何て清々しいんだろう。私は今にもスキップをしそうな勢いで歩き出した。
「本当にジョブチェンジできてるか見てみるよ」
ポチは例の本を開いた。
「どれどれ?」
サラが本を覗こうとしたので、
「ダメー!」
と必死でそれを阻止した。これを見られたら私の習得している恥ずかしい魔法を見られるじゃない!
「職業が変わってるね。凄い! レベル1なのにもうスキルが付いてるよ」
「本当! どんなスキルなの?」
私は弾んだ声で聞いた。
「癒やしの舞と励ましの舞だ」
「え? 何それ? ちょっと見せて!」
私はポチから本を取り上げると慌てて覗き込んだ。
「舞踏家?」
「踊りを踊る専門家だね」
ええ! どうして? そう言えばさっきの神父さん耳が遠かったような・・・・
こうして私の新しい人生がスタートしたのでした。
「凄い! もうレベル20になっちゃったよ!」
私はみるみる上がっていくレベルに驚いていた。これも私以外のパーティーのメンバーが強いからに他ならないのだが嬉しいものは嬉しいよー。
「あれ? もしかして」
「どうしたの?」
クレアが優しい声で聞く。
「私ってレベル10以上になってるから職業が変えられるんですよね?」
「変えれるわよ」
やったー! これでバニーガールとはおさらばできるのね!
「どうしたの? 目を閉じて上を向いて手をグーにして もしかして何かに感動してるとか?」
アイラがからかった口調で言った。
「はい! 絶賛感動中です。バニーガールからジョブチェンジできるんですもの」
「バニーガールも可愛いけどな。そうか衣装がバニーガールじゃないからそんなこと思うんだ」
「違います!」
「そうだよ。バニーガールの衣装を着ればきっとこの職業も気に入ると思うよ」
私は生き生きとした目で会話に加わってきたポチの頭を押さえて、
「あなたは黙ってて」
と言った。
「職業を変えたいのかい? だったらこの先に教会がある。寄っていくとしよう」
勇者様が天使に見えてきた。男の人なのにね。
「ありがとうございます」
「で? どんな職業にしたいの?」
アイラは興味津々だ。
「魔法使いがいいと思うんですけど」
「へえ、じゃあ私と同じだね」
「はい、一緒でもいいですか?」
「別にいいけど、どうして魔法使いなの?」
「私、力が弱いから魔法使いの方がいいかなって思って」
「ふーん」
アイラは少し考えて言った。
「魔法使いも武器で戦わなければいけない時もあるんだ。そんなとき力が弱いと相手にダメージを与えられない。それでは困るよね。だから魔法使いになる前に腕力が付く職業になった方がいいよ」
「え? 本当ですか?」
私は思わずアイラ以外の人を見る。最近わかってきたんだけどアイラって時々とんでもないジョークを言い出すことがあるの。私って素直というか単純というか、どこまでが冗談なんかわからないんだよね。
「腕力の付く職業というと力士かな?」
「ええー!」
やっぱり冗談だった。
「よし決まりね。衣装はまわしだけだから楽だし」
「嫌です!」
「じゃあ、ボディービルダーにするか。あれも上半身裸だったわね」
「もう、真剣に考えてください!」
勇者様がクスクス笑っている。
「それなら武道家がいいよ。武道家なら重い武器を持たなくて済むし」
武闘家のサラが突然話に加わってきた。
「なるほど。武道家をしながら力を付けていくんですね。重い武器を持てない私にはピッタリかも」
そして教会に着いた。
「ではお嬢さん。何の職業になりたいですか?」
かなりの高齢と思われる神父さんが私に聞いた。
「はい、武闘家になりたいです」
「わかりました。目を閉じて祈りなさい」
私は指を組んで思いっきり目を閉じた。中途半端に目を閉じるとジョブチェンジが失敗しそうな気がしたから。今度こそ魔法使いになるんだから。
「目を開けてください。あなたの願いは叶いましたよ」
「本当ですか?」
これで私は今日から武闘家なのね。
「神父さんありがとうございました」
「陳腐さん?」
「神父さんです」
「ああ、そうだったね。またレベル1からになりますが、頑張ってください」
「はい」
何て清々しいんだろう。私は今にもスキップをしそうな勢いで歩き出した。
「本当にジョブチェンジできてるか見てみるよ」
ポチは例の本を開いた。
「どれどれ?」
サラが本を覗こうとしたので、
「ダメー!」
と必死でそれを阻止した。これを見られたら私の習得している恥ずかしい魔法を見られるじゃない!
「職業が変わってるね。凄い! レベル1なのにもうスキルが付いてるよ」
「本当! どんなスキルなの?」
私は弾んだ声で聞いた。
「癒やしの舞と励ましの舞だ」
「え? 何それ? ちょっと見せて!」
私はポチから本を取り上げると慌てて覗き込んだ。
「舞踏家?」
「踊りを踊る専門家だね」
ええ! どうして? そう言えばさっきの神父さん耳が遠かったような・・・・
こうして私の新しい人生がスタートしたのでした。
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