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第一章 私は絶滅危惧種
第十三話 再会
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ある日、お店に凄い人がやって来た。
「いらっしゃ・・・・」
以前私を助けてくれたイケメンの人だ。嘘みたい。どうしよう?
私のこと覚えてるかな? 覚えてないよね。少し会っただけだもんね。それどころか名前も聞けなかったし、私の名前も伝えてないし・・・・。声を掛けて改めてお礼を言うべきだよね? でも緊張する。
「いらっしゃい。何にする?」
「ああー!」
私がもたもたしているとおばさんが接客に行っていた。
「わ、私が注文を取ります!」
「どうしたんだい赤い顔をして?」
その時、奇跡が起きた。
「あれ、君は以前スライムに苦戦していた子だね?」
「覚えていてくれたんですか!?」
私の視界は今までにないレベルで明るくなっていく。こんなことってあるんだ! 神様ありがとうございます。
「どう? あれから強くなった?」
「はい、レベル10まで上がりました」
「それは良かった。レベル30になると随分と楽になるよ」
「アドバイスありがとうございます」
名前言った方がいいよね。覚えてくれるかもしれないし。でも恥ずかしいな。
「麗華」
「え? 私の名前をどうして知っている・・・・なんだポチか」
「僕だといけなかったのかい?」
「いけないわよ」
「えらい言われようだね」
「あれ? ポチじゃないか。こんな所にいたんだ?」
「げ! お前は・・・・」
どういうこと? もしかしてポチを知ってるの? ポチって意外と有名だよね。
「ポチを知ってるのですか?」
「知ってるとも他の世界から女の子を拉致してきては無理に魔王と戦わせるとんでもない悪魔だ」
「人聞きの悪い表現だね」
え? え? 私って拉致されてきたの? そう言えば無理矢理連れてこられたし、そうなのかも・・・・。
「君はポチに連れてこられたのか?」
「はい」
「じゃあ、気を付けなきゃいけないな。こいつの言う通りに行動すると必ず死ぬことになるから」
「死ぬ!」
私がポチに視線を向けるとポチは目をそらせた。本当の話なのね。
「ところで君は・・・・ああ麗華ちゃんだったね?」
「名前覚えてくれたんですか!? 嬉しいです!」
「どうしてそんなに喜んでいるんだい?」
もう! ポチったら余計なことを言わないでよ! 私は慌てて真っ赤になっていく顔を手で覆った。
「今の麗華ちゃんの職業は何?」
「職業? お店の店員かな?」
「ははは、そうじゃなくて戦う時の職業だよ。戦士とか魔法使いとか」
「ええっと、ポチ私の職業って何?」
ポチは例の本を出すと調べ始めた。
「小市民だよ」
「それって職業なの!? 何で『市民』じゃなくて『小』が付くのよ!』
思わず大きな声を出してしまった。本当に私ってドジ。きっと変な女だって思われたよね?
「ははは、職業は早く決めた方がいいよ。何かなりたい職業はあるかな?」
「はい、私は力が極端に弱いので魔法使いがいいかなって思ってます」
「それならなおさら早いほうがいいな。魔法使いになると魔法を覚えられる確率が上がるんだよ。魔法使いにしか覚えられない魔法もあるし」
「そうだったんですか?」
私がポチを睨むとポチは横を向いて口笛を吹いている。本当に役立たずねこの子は。
「もう魔法は覚えたの?」
「・・・・・・・・」
「ん? どうかした?」
「お、覚えてません・・・・」
「麗華はクロッシングフラ・・・・」
私はポチを鷲掴みにすると思いっきり窓から大空へと投げた。たぶん300メートルは飛んでいったわ。
「あのう? 魔法使いの職業に就くにはどうしたらいいですか?」
「基本の職業なら教会に行けばなれるよ。そこにいる神父さんに何になりたいかを伝えるといい」
「わかりました。早速行ってみます」
私はこれでもかというくらいお礼を言うとイケメンの人は笑顔で帰っていった。
「良かった! いいこと教えて貰ったし、名前も覚えて貰ったし・・・・・・・・ああ! また名前聞くの忘れてたー!!」
最高の気分から一瞬にしてどん底に落ち込む私なのであった。
「いらっしゃ・・・・」
以前私を助けてくれたイケメンの人だ。嘘みたい。どうしよう?
私のこと覚えてるかな? 覚えてないよね。少し会っただけだもんね。それどころか名前も聞けなかったし、私の名前も伝えてないし・・・・。声を掛けて改めてお礼を言うべきだよね? でも緊張する。
「いらっしゃい。何にする?」
「ああー!」
私がもたもたしているとおばさんが接客に行っていた。
「わ、私が注文を取ります!」
「どうしたんだい赤い顔をして?」
その時、奇跡が起きた。
「あれ、君は以前スライムに苦戦していた子だね?」
「覚えていてくれたんですか!?」
私の視界は今までにないレベルで明るくなっていく。こんなことってあるんだ! 神様ありがとうございます。
「どう? あれから強くなった?」
「はい、レベル10まで上がりました」
「それは良かった。レベル30になると随分と楽になるよ」
「アドバイスありがとうございます」
名前言った方がいいよね。覚えてくれるかもしれないし。でも恥ずかしいな。
「麗華」
「え? 私の名前をどうして知っている・・・・なんだポチか」
「僕だといけなかったのかい?」
「いけないわよ」
「えらい言われようだね」
「あれ? ポチじゃないか。こんな所にいたんだ?」
「げ! お前は・・・・」
どういうこと? もしかしてポチを知ってるの? ポチって意外と有名だよね。
「ポチを知ってるのですか?」
「知ってるとも他の世界から女の子を拉致してきては無理に魔王と戦わせるとんでもない悪魔だ」
「人聞きの悪い表現だね」
え? え? 私って拉致されてきたの? そう言えば無理矢理連れてこられたし、そうなのかも・・・・。
「君はポチに連れてこられたのか?」
「はい」
「じゃあ、気を付けなきゃいけないな。こいつの言う通りに行動すると必ず死ぬことになるから」
「死ぬ!」
私がポチに視線を向けるとポチは目をそらせた。本当の話なのね。
「ところで君は・・・・ああ麗華ちゃんだったね?」
「名前覚えてくれたんですか!? 嬉しいです!」
「どうしてそんなに喜んでいるんだい?」
もう! ポチったら余計なことを言わないでよ! 私は慌てて真っ赤になっていく顔を手で覆った。
「今の麗華ちゃんの職業は何?」
「職業? お店の店員かな?」
「ははは、そうじゃなくて戦う時の職業だよ。戦士とか魔法使いとか」
「ええっと、ポチ私の職業って何?」
ポチは例の本を出すと調べ始めた。
「小市民だよ」
「それって職業なの!? 何で『市民』じゃなくて『小』が付くのよ!』
思わず大きな声を出してしまった。本当に私ってドジ。きっと変な女だって思われたよね?
「ははは、職業は早く決めた方がいいよ。何かなりたい職業はあるかな?」
「はい、私は力が極端に弱いので魔法使いがいいかなって思ってます」
「それならなおさら早いほうがいいな。魔法使いになると魔法を覚えられる確率が上がるんだよ。魔法使いにしか覚えられない魔法もあるし」
「そうだったんですか?」
私がポチを睨むとポチは横を向いて口笛を吹いている。本当に役立たずねこの子は。
「もう魔法は覚えたの?」
「・・・・・・・・」
「ん? どうかした?」
「お、覚えてません・・・・」
「麗華はクロッシングフラ・・・・」
私はポチを鷲掴みにすると思いっきり窓から大空へと投げた。たぶん300メートルは飛んでいったわ。
「あのう? 魔法使いの職業に就くにはどうしたらいいですか?」
「基本の職業なら教会に行けばなれるよ。そこにいる神父さんに何になりたいかを伝えるといい」
「わかりました。早速行ってみます」
私はこれでもかというくらいお礼を言うとイケメンの人は笑顔で帰っていった。
「良かった! いいこと教えて貰ったし、名前も覚えて貰ったし・・・・・・・・ああ! また名前聞くの忘れてたー!!」
最高の気分から一瞬にしてどん底に落ち込む私なのであった。
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