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第二章
第68話:月の洞窟2
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洞窟をしばらく歩き進めると、大きな広場に到着し、自然と足が止まった。
目の前に広がるのは、月光石が星々のように輝く不思議な場所。地面には月光石の輝きに応えるように月光草が淡く光り、ドーム状に広がる天井は解放感のあるプラネタリウムみたいで、綺麗な景色に圧倒される。アーニャが特別な空間と言い切るのも、この景色を見れば誰もが納得するだろう。
数ヶ月に一度足を運んでいるアーニャは、ボーッと立ち尽くすジルとは違い、綺麗な空間に気を取られることなく、近くの壁に腰を下ろす。
「採取を始める前に、少し休憩するわ。途中で休んでもよかったけど、ここの方がいいと思ってね。ほらっ、隣に座りなさい」
いつの間にかアーニャが離れていることに驚きながらも、ジルはゆっくり歩いて、隣に腰を下ろした。
「私も初めて来たときは、言葉を失ったわ。雲一つない満天の星空を何度も見たことがあるけど、この場所の方がずっと綺麗なんだもの。多分、月の魔力が充満する環境だから、心を奪われるくらいに綺麗なのよ」
遠くを見るようにボーッと景色を眺めるアーニャの横顔に、ジルは視線を奪われた。
月光石の明かりに照らされたアーニャは、瞬きするだけでも色っぽいと感じるほど、大人びている。いつもとは違う落ち着いた物腰を見て、月光石よりもアーニャが綺麗だと、口にしたら恥ずかしいことをジルは考えていた。
そんなアーニャの魅力に見とれるジルの視線を、本人が気づかないはずもない。
「ん? どうかした? もしかして、ここの魔力に酔ったの?」
ゆっくり首を動かしたアーニャと目線が重なり、ジルは急いで目を反らす。
「う、ううん、大丈夫。月光草も光ってるから、きれいだなって」
「なるほどね。あんたくらいのレベルになると、月光草の魔力が見えるんだもんね。また違った景色に見えるなんて、羨ましいわ」
「すごく……すごく、きれいだよ」
アーニャお姉ちゃんが、とは心で思っていても、絶対に言わない。
「ルーナの治療が終わっても、ここには何度か足を運ぶと思うの。この場所に来ると心が落ち着くのよね。いつか私も、あんたと同じ景色が見てみたいわ」
「うん……。とっても、心が落ち着くよ」
アーニャお姉ちゃんの隣は、とは心で思っていても、これも絶対に言わない。
ロマンティックな雰囲気に流され過ぎなジルである。
「ねえ、こういう機会でもないと言えないだろうし、ハッキリ言っておきたいことがあるの」
唐突に思わせぶりなことを言い始めるアーニャに、ジルはドキッとした。
心の声が漏れていないか不安で挙動不審になるジルとは違い、アーニャはジルを見ることもなく、遠い目で輝く月光石の景色を眺めている。
「最初はね、正直あんたにエリクサーを使ったこと、ちょっとだけ後悔していたのよ。自分でもどうしてルーナに使わなかったんだろうって、どうしてエリスに渡したんだろうって、何回か考えちゃってね」
予想もしていない話が始まり、思わず、ジルはアーニャを見つめた。
「でも、今はあんたにエリクサーを使ってよかったなって思ってるの。ルーナもエリスも楽しそうだし、私も毎日が楽しいのよ。少し前までルーナの治療薬が手詰まりで焦っていたことが、本当に嘘みたいでね。多分、全部あんたのおかげなんだろうなーって思うの。深い理由はないんだけど、なんとなくよ」
錬金術の神様にジルが愛されていると思った時、アーニャは気づいたのだ。何度も大きな壁にぶつかり、どこへ行けばいいのかわからない状況が好転し始めたときから、いつも近くにジルがいることを。
「ぼ、僕もアーニャお姉ちゃんと一緒だと楽しいよ。ルーナお姉ちゃんも優しいし、こうやって一緒に出かけられて嬉しいもん」
ただ、エリクサーで命を救ってもらったジルは、アーニャ以上に毎日が楽しい。寝込み続けて何もできなかった自分を、アーニャは自由にしてくれた。それだけでなく、錬金術を通じて色々なことを教えてくれるし、アーニャもルーナも良くしてくれている。
「ルーナはともかく、私に懐くのはあんたぐらいよ。ルーナ以外とこうやって誰かと二人で外に出るなんて、考えたこともなかったもの。ううん、できなかったって言った方が正しいのかもしれないわ」
破壊神と恐れられるあまり、誰かと関わることに怯えていたアーニャは、自分を受け入れてくれる存在がいることが何より嬉しかった。例えそれが、小さな子供であったとしても。アーニャにとっては、守ってあげたくなるほど大切な存在になっている。
「エリスお姉ちゃんは? アーニャお姉ちゃんと一緒にピクニックに行きたがってたよ」
「そうね。早く治療薬を完成させて、四人でピクニックに行かないといけないんだっけ」
「その時はここに来ようね。エリスお姉ちゃんにも、この景色を見せてあげたいもん」
「まったく、気が早いんだから。まあ、いいわ」
ため息混じりに言いながらも、アーニャは真剣な顔をして、ジルと向き合う。
「ルーナの治療薬は私が作るから、もうエリクサーのことを考えるのはやめなさい。あんた、ルーナの代わりにエリクサーを飲んだこと、ずっと引きずってるでしょ。これ以上、私に恩とか感じなくてもいいの。そういう風に思われてるの、嬉しくないのよ」
ジルに重荷を背負わせているとわかってた。エリクサーで命を助けた自分が言わなきゃいけないとわかってた。エリクサーで命を救ったという恩が、呪いのようにジルに纏わりついていると気づいてた。
それでも、ずっと言えなかった。こんな雰囲気に流されでもしないと、アーニャは自分の素直な気持ちを伝えられないから。
「でも……」
何か言いたげなジルの口を、アーニャは人差し指で塞ぐ。
ルーナの治療薬を完成させるために、この子はどんなことがあっても絶対に協力してくれる。弱体化して戦闘できない自分とこんな場所に来るこの子は、絶対に自分を裏切らない。
だから、自分ももう少し心を開きたい。信じてくれる、この子に応えるためにも。
「でも、じゃないわよ。ほら、早く月光草の採取を始めるわ。どれを摘めばいいのか教えなさい、ジル」
「……うん!」
勢いよく立ち上がったジルは走り出し、月光石に照らされる道を駆け抜ける。
「アーニャお姉ちゃん、あっち! あっちに綺麗なのがあるの」
「せっかく休んだんだし、ちょっとは落ち着きなさい。転んでも知らないわよ」
そう言ったアーニャの顔は、今までで一番温かい表情をしていた。名前で呼ぶのはまだ少し恥ずかしいわね、と、顔を赤く染めながら。
目の前に広がるのは、月光石が星々のように輝く不思議な場所。地面には月光石の輝きに応えるように月光草が淡く光り、ドーム状に広がる天井は解放感のあるプラネタリウムみたいで、綺麗な景色に圧倒される。アーニャが特別な空間と言い切るのも、この景色を見れば誰もが納得するだろう。
数ヶ月に一度足を運んでいるアーニャは、ボーッと立ち尽くすジルとは違い、綺麗な空間に気を取られることなく、近くの壁に腰を下ろす。
「採取を始める前に、少し休憩するわ。途中で休んでもよかったけど、ここの方がいいと思ってね。ほらっ、隣に座りなさい」
いつの間にかアーニャが離れていることに驚きながらも、ジルはゆっくり歩いて、隣に腰を下ろした。
「私も初めて来たときは、言葉を失ったわ。雲一つない満天の星空を何度も見たことがあるけど、この場所の方がずっと綺麗なんだもの。多分、月の魔力が充満する環境だから、心を奪われるくらいに綺麗なのよ」
遠くを見るようにボーッと景色を眺めるアーニャの横顔に、ジルは視線を奪われた。
月光石の明かりに照らされたアーニャは、瞬きするだけでも色っぽいと感じるほど、大人びている。いつもとは違う落ち着いた物腰を見て、月光石よりもアーニャが綺麗だと、口にしたら恥ずかしいことをジルは考えていた。
そんなアーニャの魅力に見とれるジルの視線を、本人が気づかないはずもない。
「ん? どうかした? もしかして、ここの魔力に酔ったの?」
ゆっくり首を動かしたアーニャと目線が重なり、ジルは急いで目を反らす。
「う、ううん、大丈夫。月光草も光ってるから、きれいだなって」
「なるほどね。あんたくらいのレベルになると、月光草の魔力が見えるんだもんね。また違った景色に見えるなんて、羨ましいわ」
「すごく……すごく、きれいだよ」
アーニャお姉ちゃんが、とは心で思っていても、絶対に言わない。
「ルーナの治療が終わっても、ここには何度か足を運ぶと思うの。この場所に来ると心が落ち着くのよね。いつか私も、あんたと同じ景色が見てみたいわ」
「うん……。とっても、心が落ち着くよ」
アーニャお姉ちゃんの隣は、とは心で思っていても、これも絶対に言わない。
ロマンティックな雰囲気に流され過ぎなジルである。
「ねえ、こういう機会でもないと言えないだろうし、ハッキリ言っておきたいことがあるの」
唐突に思わせぶりなことを言い始めるアーニャに、ジルはドキッとした。
心の声が漏れていないか不安で挙動不審になるジルとは違い、アーニャはジルを見ることもなく、遠い目で輝く月光石の景色を眺めている。
「最初はね、正直あんたにエリクサーを使ったこと、ちょっとだけ後悔していたのよ。自分でもどうしてルーナに使わなかったんだろうって、どうしてエリスに渡したんだろうって、何回か考えちゃってね」
予想もしていない話が始まり、思わず、ジルはアーニャを見つめた。
「でも、今はあんたにエリクサーを使ってよかったなって思ってるの。ルーナもエリスも楽しそうだし、私も毎日が楽しいのよ。少し前までルーナの治療薬が手詰まりで焦っていたことが、本当に嘘みたいでね。多分、全部あんたのおかげなんだろうなーって思うの。深い理由はないんだけど、なんとなくよ」
錬金術の神様にジルが愛されていると思った時、アーニャは気づいたのだ。何度も大きな壁にぶつかり、どこへ行けばいいのかわからない状況が好転し始めたときから、いつも近くにジルがいることを。
「ぼ、僕もアーニャお姉ちゃんと一緒だと楽しいよ。ルーナお姉ちゃんも優しいし、こうやって一緒に出かけられて嬉しいもん」
ただ、エリクサーで命を救ってもらったジルは、アーニャ以上に毎日が楽しい。寝込み続けて何もできなかった自分を、アーニャは自由にしてくれた。それだけでなく、錬金術を通じて色々なことを教えてくれるし、アーニャもルーナも良くしてくれている。
「ルーナはともかく、私に懐くのはあんたぐらいよ。ルーナ以外とこうやって誰かと二人で外に出るなんて、考えたこともなかったもの。ううん、できなかったって言った方が正しいのかもしれないわ」
破壊神と恐れられるあまり、誰かと関わることに怯えていたアーニャは、自分を受け入れてくれる存在がいることが何より嬉しかった。例えそれが、小さな子供であったとしても。アーニャにとっては、守ってあげたくなるほど大切な存在になっている。
「エリスお姉ちゃんは? アーニャお姉ちゃんと一緒にピクニックに行きたがってたよ」
「そうね。早く治療薬を完成させて、四人でピクニックに行かないといけないんだっけ」
「その時はここに来ようね。エリスお姉ちゃんにも、この景色を見せてあげたいもん」
「まったく、気が早いんだから。まあ、いいわ」
ため息混じりに言いながらも、アーニャは真剣な顔をして、ジルと向き合う。
「ルーナの治療薬は私が作るから、もうエリクサーのことを考えるのはやめなさい。あんた、ルーナの代わりにエリクサーを飲んだこと、ずっと引きずってるでしょ。これ以上、私に恩とか感じなくてもいいの。そういう風に思われてるの、嬉しくないのよ」
ジルに重荷を背負わせているとわかってた。エリクサーで命を助けた自分が言わなきゃいけないとわかってた。エリクサーで命を救ったという恩が、呪いのようにジルに纏わりついていると気づいてた。
それでも、ずっと言えなかった。こんな雰囲気に流されでもしないと、アーニャは自分の素直な気持ちを伝えられないから。
「でも……」
何か言いたげなジルの口を、アーニャは人差し指で塞ぐ。
ルーナの治療薬を完成させるために、この子はどんなことがあっても絶対に協力してくれる。弱体化して戦闘できない自分とこんな場所に来るこの子は、絶対に自分を裏切らない。
だから、自分ももう少し心を開きたい。信じてくれる、この子に応えるためにも。
「でも、じゃないわよ。ほら、早く月光草の採取を始めるわ。どれを摘めばいいのか教えなさい、ジル」
「……うん!」
勢いよく立ち上がったジルは走り出し、月光石に照らされる道を駆け抜ける。
「アーニャお姉ちゃん、あっち! あっちに綺麗なのがあるの」
「せっかく休んだんだし、ちょっとは落ち着きなさい。転んでも知らないわよ」
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