【完結】「弟の婚約者に相応しいか見定めに来た」と言っていた婚約者の兄に溺愛されたみたいです

没落寸前の男爵家に生まれたニーナ・ルベットは、病弱な母の治療費を稼ぐため、宮廷薬師の職に就いた。

しかし、給料は治療費に消えるばかりで、母の病は良くならない。

貴族らしい裕福な生活ではなく、切り詰めた貧乏生活を送っていた。

そんなニーナの元に、莫大な資産を持つ公爵家から縁談の話が舞い込み、喜んでいたのも束の間――。

「弟の婚約者に相応しいか見定めに来た」

婚約者の兄である天才魔術師のアレク様に、婚約者に相応しいか審査されることになってしまった。

ただ、どうにも様子がおかしい。

「もう仕事の三十分前だぞ」
「寝癖が付いているだろ」
「座っていろ。紅茶をいれてやる」

なぜか婚約者の兄がグイグイと来て、世話を焼いてくれるみたいで……?
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