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第三章:エマと一緒に異世界旅行
第28話:わらしべ長者
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「アルくんはどっちのどら焼きが好みなんだい?」
両手に違う種類のどら焼きを持つ私を見て、アルくんは困惑している。
しかし、ムスッとした表情を浮かべたまま、どちらも香りを確認した後、右手に持っていた粒餡のどら焼きを選択した。
もしかしたら、精霊鳥のアルくんも、シルフくんと同じように特殊な体質なのかもしれない。
きっとデカ小豆を使ったどら焼きから『繁盛したい』という欲望を感じ取り、粒餡のどら焼きを選択したのだ。
……単純に甘党なだけの可能性もあるけど。
「グルルルル♪」
それにしても、相変わらず味わって食べるね、アルくんは。そういうグルメなところが私は好きだよ。
普通の動物だったら、もっと食欲のままにガツガツ食べようとして、丸飲みするはずだから。
ご主人様であるエマの影響だと思うけど、作った身としては嬉しい光景だった。
「アルサスが食べないなら、こっちのどら焼きをもらってもいい?」
「あっ、うん。別にいいよ」
エマに大人のどら焼きを渡した後、アルくんにもう一つ粒餡のどら焼きをあげる。
目を閉じたエマとアルくんが、じっくりと味わって食べる姿は、そっくりだ。
唯一の違いは、アルくんは常にムスッとしているのに対して、エマはおいしそうに食べていることだけ。
よく噛んで味わった後、ゴクリッと喉奥に流し込み、フゥーと呼吸を整える仕草は、完全に一致していた。
エマの姿を見る限り、そのうちアルくんもおいしそうに食べ始めるんじゃないかと、変に期待してしまう。
いや、いっそのこと、もう少し餌付けしてみよう!
エマがどら焼きを食べ終わるまでの時間を利用して、リュックから紙パックのオレンジジュースを取り出した私は、アルくんが飲むか挑戦してみることにした。
短いストローを差し込み、アルくんに向けて差し出すと……?
パクッ
大きなくちばしで挟み込み、器用にチューチューと吸い上げている。
「おっ、アルくん。いける口だね」
「グル……ルルル……」
なお、とても飲みにくそうではあった。
グルメのアルくんは、一気にジュースを飲み干したくないと思うから、ストローを使うのは悪くない。
今度はジョッキにジュースを入れてあげて、タピオカミルクティーを飲むときに使うような大きめのストローを用意してあげよう。
気に入ってくれるかどうかはわからないけど、夢中になって飲んでいるため、きっとジュースは好きなんだと思う。
ズズズ……ズズ……スー……。
しっかり最後まで飲み干したので、ジュースが好きだと断言しよう。
よしよし、次はアルくん用のジュースを用意するから、今日はもう少しモフモフさせておくれ。
アルくんのフワフワした羽に癒されていると、エマがどら焼きを食べ終わり、出発の準備が整う。
そのキリッと引き締まった表情を見れば、しっかりとエネルギーチャージできたんだと理解した。
「今から向かうヤルバリル大森林は、かなり木々の背が高く、深い森になる。アルサスには森の入り口まで届けてもらって、聖域まで歩いて向かうしかない」
エマに衝撃的な事実を聞かされ、私はショックを隠し切れなかった。
漫画とアニメのオタクに向かって『歩く』とは、死の宣告と同等の意味合いを持つ。
甘えたことは言っていられないし、自分で行くと決めたことだから文句は言えない。
とりあえず、今のうちにアルくんをしっかりモフっておこうと思った。
「森の中では、魔物との戦闘は避けられない。危険な場所だから、離れないで」
「心配しなくても、離れるつもりはないよ。私も痛い思いはしたくないもん」
絶対にエマの隣をキープして進もう……と思う反面、少しだけ危ない橋を渡ってみたい気持ちもある。
そのため、ちょっとだけエマに意見をしてみることにした。
「私は戦闘できないとはいえ、エマに負担ばかりかけるのもどうかと思うんだよね。自分の身くらいは自分で守れるように、魔法を練習してもいいと思うんだー」
早い話、魔法が使ってみたいだけである。
「確かに、もしもの時に身を守れるようになっておいた方がいい。それくらいの魔法なら、簡単に覚えられると思う。じゃあ、ちょっと待ってて。初心者用の杖を探してみる」
乗り気になったエマが、空間魔法で荷物を漁ってくれる。
そして、尖端に緑色の宝石のついた木製の杖を取り出した。
「風魔法に限定するなら、この杖が使いやすいかも」
「えっ! い、いいの? これ、見るからに高くない?」
本来、初心者用の杖であれば、もっと見た目が地味なものになるだろう。漫画やアニメの世界では、シンプルなデザインで木材だけを使用したものが、定番のアイテムだ。
しかし、エマが渡そうとしてくれているのは、エメラルドグリーンの綺麗な宝石が輝くオシャレな杖だった。
さすがにこれは受け取れない……と戸惑っていると、エマが渋い顔を向けてくる。
「うーん。でも、これはもう使わないし、捨てにくいものだから。クマさんマグカップのお返しにする」
いや、それはさすがに値段が釣り合ってないから! クマさんマグカップ、ちょっと高めの千五百円だよ!?
クマさんスリッパが千二百円だから、二つ合わせても三千円程度で、全然バランスが取れてないんだけど……。
どうにもエマは値段を気にしていないみたいで、『別にいいのに……』と、アルくん並みにムスッとしてしまった。
いきなり宝石付きの杖は受け取りにくい。でも、エマの反応を見る限り、もらっておいた方が良さそうだ。
恐る恐る両手を出してみると、エマがバッと勢いよく杖を渡してくれる。
「ありがとう。大切に使うね」
「うん」
エマが満足げな表情を浮かべているので、これでよかったと思うことにしよう。
毎日の家事代、ということにして、ありがたく受け取っておくことにした。
私はエマの靴下を激安セットで済ませたというのに、まったく。今は深く反省しているよ。
今度、お詫びに一万二千円するクマさんの大きなぬいぐるみを買ってあげようかな。
部屋の置場所に困った時は、私の部屋に置くと約束しよう。
心の中で懺悔した後、エマからもらった魔法の杖に意識を向けると、私の魔力に呼応しているのか、とても手に馴染んでくるような感覚があった。
これでいよいよ魔法を使えるのかと思うと……!
「魔法使いっぽくなってきたー!」
ついつい小学生みたいなことを言ってしまう。
両手に違う種類のどら焼きを持つ私を見て、アルくんは困惑している。
しかし、ムスッとした表情を浮かべたまま、どちらも香りを確認した後、右手に持っていた粒餡のどら焼きを選択した。
もしかしたら、精霊鳥のアルくんも、シルフくんと同じように特殊な体質なのかもしれない。
きっとデカ小豆を使ったどら焼きから『繁盛したい』という欲望を感じ取り、粒餡のどら焼きを選択したのだ。
……単純に甘党なだけの可能性もあるけど。
「グルルルル♪」
それにしても、相変わらず味わって食べるね、アルくんは。そういうグルメなところが私は好きだよ。
普通の動物だったら、もっと食欲のままにガツガツ食べようとして、丸飲みするはずだから。
ご主人様であるエマの影響だと思うけど、作った身としては嬉しい光景だった。
「アルサスが食べないなら、こっちのどら焼きをもらってもいい?」
「あっ、うん。別にいいよ」
エマに大人のどら焼きを渡した後、アルくんにもう一つ粒餡のどら焼きをあげる。
目を閉じたエマとアルくんが、じっくりと味わって食べる姿は、そっくりだ。
唯一の違いは、アルくんは常にムスッとしているのに対して、エマはおいしそうに食べていることだけ。
よく噛んで味わった後、ゴクリッと喉奥に流し込み、フゥーと呼吸を整える仕草は、完全に一致していた。
エマの姿を見る限り、そのうちアルくんもおいしそうに食べ始めるんじゃないかと、変に期待してしまう。
いや、いっそのこと、もう少し餌付けしてみよう!
エマがどら焼きを食べ終わるまでの時間を利用して、リュックから紙パックのオレンジジュースを取り出した私は、アルくんが飲むか挑戦してみることにした。
短いストローを差し込み、アルくんに向けて差し出すと……?
パクッ
大きなくちばしで挟み込み、器用にチューチューと吸い上げている。
「おっ、アルくん。いける口だね」
「グル……ルルル……」
なお、とても飲みにくそうではあった。
グルメのアルくんは、一気にジュースを飲み干したくないと思うから、ストローを使うのは悪くない。
今度はジョッキにジュースを入れてあげて、タピオカミルクティーを飲むときに使うような大きめのストローを用意してあげよう。
気に入ってくれるかどうかはわからないけど、夢中になって飲んでいるため、きっとジュースは好きなんだと思う。
ズズズ……ズズ……スー……。
しっかり最後まで飲み干したので、ジュースが好きだと断言しよう。
よしよし、次はアルくん用のジュースを用意するから、今日はもう少しモフモフさせておくれ。
アルくんのフワフワした羽に癒されていると、エマがどら焼きを食べ終わり、出発の準備が整う。
そのキリッと引き締まった表情を見れば、しっかりとエネルギーチャージできたんだと理解した。
「今から向かうヤルバリル大森林は、かなり木々の背が高く、深い森になる。アルサスには森の入り口まで届けてもらって、聖域まで歩いて向かうしかない」
エマに衝撃的な事実を聞かされ、私はショックを隠し切れなかった。
漫画とアニメのオタクに向かって『歩く』とは、死の宣告と同等の意味合いを持つ。
甘えたことは言っていられないし、自分で行くと決めたことだから文句は言えない。
とりあえず、今のうちにアルくんをしっかりモフっておこうと思った。
「森の中では、魔物との戦闘は避けられない。危険な場所だから、離れないで」
「心配しなくても、離れるつもりはないよ。私も痛い思いはしたくないもん」
絶対にエマの隣をキープして進もう……と思う反面、少しだけ危ない橋を渡ってみたい気持ちもある。
そのため、ちょっとだけエマに意見をしてみることにした。
「私は戦闘できないとはいえ、エマに負担ばかりかけるのもどうかと思うんだよね。自分の身くらいは自分で守れるように、魔法を練習してもいいと思うんだー」
早い話、魔法が使ってみたいだけである。
「確かに、もしもの時に身を守れるようになっておいた方がいい。それくらいの魔法なら、簡単に覚えられると思う。じゃあ、ちょっと待ってて。初心者用の杖を探してみる」
乗り気になったエマが、空間魔法で荷物を漁ってくれる。
そして、尖端に緑色の宝石のついた木製の杖を取り出した。
「風魔法に限定するなら、この杖が使いやすいかも」
「えっ! い、いいの? これ、見るからに高くない?」
本来、初心者用の杖であれば、もっと見た目が地味なものになるだろう。漫画やアニメの世界では、シンプルなデザインで木材だけを使用したものが、定番のアイテムだ。
しかし、エマが渡そうとしてくれているのは、エメラルドグリーンの綺麗な宝石が輝くオシャレな杖だった。
さすがにこれは受け取れない……と戸惑っていると、エマが渋い顔を向けてくる。
「うーん。でも、これはもう使わないし、捨てにくいものだから。クマさんマグカップのお返しにする」
いや、それはさすがに値段が釣り合ってないから! クマさんマグカップ、ちょっと高めの千五百円だよ!?
クマさんスリッパが千二百円だから、二つ合わせても三千円程度で、全然バランスが取れてないんだけど……。
どうにもエマは値段を気にしていないみたいで、『別にいいのに……』と、アルくん並みにムスッとしてしまった。
いきなり宝石付きの杖は受け取りにくい。でも、エマの反応を見る限り、もらっておいた方が良さそうだ。
恐る恐る両手を出してみると、エマがバッと勢いよく杖を渡してくれる。
「ありがとう。大切に使うね」
「うん」
エマが満足げな表情を浮かべているので、これでよかったと思うことにしよう。
毎日の家事代、ということにして、ありがたく受け取っておくことにした。
私はエマの靴下を激安セットで済ませたというのに、まったく。今は深く反省しているよ。
今度、お詫びに一万二千円するクマさんの大きなぬいぐるみを買ってあげようかな。
部屋の置場所に困った時は、私の部屋に置くと約束しよう。
心の中で懺悔した後、エマからもらった魔法の杖に意識を向けると、私の魔力に呼応しているのか、とても手に馴染んでくるような感覚があった。
これでいよいよ魔法を使えるのかと思うと……!
「魔法使いっぽくなってきたー!」
ついつい小学生みたいなことを言ってしまう。
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