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第二章:デカ小豆のお菓子
第23話:大人のどら焼きの販売に向けて
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二日後の夜のこと。ノエルさんとエマが仲良くお風呂に入っている間に、私はお父さんとデカ小豆のどら焼きを試食していた。
「……完璧だな」
「文句ないよね」
甘みを抑えたコク深い餡と、少し甘めの生地が絶妙にマッチしている。
舌触りも喉ごしもよく、食べ続けても重く感じることがないため、大人のどら焼きというテーマにピッタリだった。
なにより、デカ小豆の豊かな香りが食欲をそそる。
ついつい口にどら焼きを運んで、自然と食べ続けてしまうような感覚に陥るほど、絶妙なバランスだった。
まさかエマの舌がここまで繊細だったなんて。異世界からやってきたという意味では、神の舌を持ってきたとも言える。
もちろん、私が最終的に餡と生地の砂糖や量を調整して、どら焼き全体のバランスも考えた。
大人のどら焼きというコンセプトだって、私が考えている。
それでも、エマの声が大きかったわけであって……。
「優秀な人材が増えるって、最高だね」
顧客の接客を任せられるノエルさんがいて、商品開発部部長のエマがいて、一応、店のことは何でもできるお父さんがいる。
最初は異世界人の二人と一緒に生活することになったら、もっと負担がかかるものだと思っていたけど、想像以上に楽をさせてもらっていた。
ノエルさんとエマが頑張ってくれている影響も多いが、きっとそれだけではない。
今までの経営のやり方にも問題があったんだろう。
物価が上がり続け、コンビニまでライバル店になり始めた昨今、手作り販売で菓子店を営むのは難しい。
老舗の菓子店やデパ地下の有名店が閉店する話も耳に入るし、どの店も企業努力を重ねて、生き残ろうと必死だった。
うちの店も同じ状況ではあるものの……いろいろと苦労しているのは、今に限ったことではない。
父子家庭ということもあり、小さい頃から親子で苦労を積み重ねている。
私が経営や経理を掛け持ちしたり、お父さんが店内の清掃や仕入れの管理をしたり、家事も二人で分担したりして、毎日忙しく過ごしていた。
だから、ノエルさんとエマが負担を減らしてくれて、本当に助かっている。
二人が手伝ってくれるおかげで、おいしい商品を真心を込めて手作りして、笑顔で商品を販売できる環境が整えられたのは、とても良いことだと思った。
「自慢の家族が二人も増えたな」
お父さんも新商品だけでなく、現在の環境に満足しているみたいだ。
このまま良い連鎖が続いていけば、もっとノエルさんとエマにも日本を楽しんでもらえるかもしれない。
みんなで幸せに暮らせる日が、すぐそこまでやってきる。
思わず、お風呂上がりに台所にやってきたエマとノエルさんに、キンキンに冷えた牛乳を出してあげた。
「こっちの世界の飲み物は味が豊かだし、いつも冷えていていいわね」
「ぷはぁ~。ポカポカになった体に染みわたる」
まだ日本で生活を始めて二日目なのに、本当に二人は馴染むのが早い。
ちゃんと髪の毛もドライヤーで乾かしているため、お風呂の入り方も覚えたみたいだ。
私もどことなく二人の姿を見慣れたのか、家にいるのが当たり前のような感覚で過ごしている。
「どら焼き♪ どら焼き♪」
食に走ってばかりのエマだが、決して勝手に食べようとしているわけではない。お風呂上がりに和菓子を一つだけ食べることを許可している。
ちゃんと分別をわきまえて行動できる子なので、安心して一緒に暮らせていた。
そして、ノエルさんのこともなんとなくわかり始めている。
私と感性が似ている点が多いと思い、今日はお風呂で愛用している桜のバスボムをノエルさんに勧めてみたのだ。
彼女の癒された顔を見れば、気に入ってくれたんだなーと察する。
「胡桃ちゃん。今日のお風呂、とってもよかったわ」
「楽しんでいただけて何よりです」
「あれが桜という花の香りなのね。実際に咲いているところが見てみたいけど、難しいのよね?」
「今は季節外れなので難しいんですけど、桜が咲く頃にいろいろとお出かけできるといいですね」
異世界人の二人が楽しめることは、きっといっぱいある。
食事や生活だけではなく、観光や日本の旅行などもさせてあげたかった。
そのためにも、商売繁盛が必須である。
本来であれば、今後の方針や予定を経営担当の私がパパッと決めてしまうのだが、今回は話し合いたい相手がいた。
「じゃあ、お父さんとエマは解散で。ノエルさんは、菓子店の繁盛計画の話をしよう」
製菓専門学校を卒業してからというもの、機械音痴のお父さんの代わりに、ホームページの管理やネット広告だけでなく、確定申告まで私がやっている。
ハッキリ言って、お父さんが異世界で勇者活動している間に、実質の経営者は私に変わっていた。
なお、本人も『じゃあ、任せた』と言わんばかりに立ち去り、お風呂に行くくらいなので、問題はない。
エマも漫画の続きが気になるみたいで、私の部屋へと向かっていった。
一方、ノエルさんは違う。日本で過ごすために稼がないといけないと理解しているため、真剣な表情を浮かべている。
とりあえず、二人で台所の椅子に腰を下ろして、繁盛計画を伝えることにした。
「新商品を出すにあたり、お客さんにその存在を知ってもらう必要があるので、ポスターや画像を作って宣伝したいんですよね」
「ポスターは……店内に貼られている紙のことよね」
「それもそうなんですけど、他の店に貼らせてもらったり、情報雑誌やホームページに載せたりと、いろいろな形があります」
「なるほどね。文明が発展した影響で宣伝の方法がいくつもあるのね」
パソコンを使った編集作業もあるが、いくらノエルさんでも使いこなすのは難しいだろう。
そんな裏方の作業は私に任せて、お願いしたいことがある。
「いつもポスターを作る際、お菓子や店内の風景を載せる程度に済ませるんですけど、今回はノエルさんとエマの写真を使って、お客さんを引き寄せようと考えています」
「写真? というのは、何かしら」
「ああー、写真はですね、とても正確なイラストみたいなもので……」
説明するより見てもらった方が早いと思い、スマホを持ってきて、ノエルさんをパシャッと撮ってみる。
その画像を本人に見せたところ、とても驚いていた。
「すごいのね。想像以上に精妙な絵だわ。雑誌に使われていた絵は、こういうことだったのね」
「そうなんですよ。この機能を使って、ノエルさんとエマが和菓子を食べているところを撮影して、店と商品をアピールしようかなって考えています」
他店では絶対に真似できないデカ小豆を使った新商品と、耳を隠した美人エルフのモデルを器用する作戦。
この二段構えで猛プッシュすれば、商売繫盛すること間違いなし!
しかし、モデル採用をノエルさんに伝えたところ、とても恥ずかしそうにしていた。
「だ、大丈夫かしら。エマはともかくとして、私はこの世界で最も年老いた人類に分類されるはずなのだけれど」
「トップランクの美貌を持っているんですから、余裕ですよ。外国人観光客向けにも適していますし、和菓子を食べる異国の美人姉妹とした方が、インパクトが強いんです」
「やだわ、そんな美人姉妹だなんて。私とエマは親子なのに~」
どうやら若く見られるのは、相当嬉しいみたいだ。
顔を赤くしたノエルさんは、頬に手を添えて、盛大に照れている。
「え~、どうしようかしら。もうポーズとか決まってるの? 雑誌を借りて勉強した方がいいかしら」
なお、意外に褒められ慣れていないらしく、ノエルさんはやる気をみなぎらせている。
普通の姿が取りたいだけなのに、ポーズの研究を始めたので、ちょっと言いにくくなってしまった。
「じゃあ、いったん新商品のデカ小豆を使った大人のどら焼きは、ポスターを作り終えてからの販売としますね。こちらで準備を進めておきますので、写真を取る時は協力してください」
「ボクも何か手伝おうか?」
「ううん、大丈夫だよ。気にしなくても……ん?」
突然、耳元で聞き覚えのある声が聞こえてきたと思ったら、シルフくんが宙にぷかぷかと浮かんでいた。
こっちの世界にも出てこられるんだーと呑気に思っていると、ノエルさんが驚愕の表情を浮かべていることに気づく。
その瞬間、私は改めて思った。
エルフにとって妖精とは、本当に神様みたいな存在なんだな、と。
「く、胡桃ちゃん……? こ、こちらは、か、風の妖精様じゃないかしら」
「……完璧だな」
「文句ないよね」
甘みを抑えたコク深い餡と、少し甘めの生地が絶妙にマッチしている。
舌触りも喉ごしもよく、食べ続けても重く感じることがないため、大人のどら焼きというテーマにピッタリだった。
なにより、デカ小豆の豊かな香りが食欲をそそる。
ついつい口にどら焼きを運んで、自然と食べ続けてしまうような感覚に陥るほど、絶妙なバランスだった。
まさかエマの舌がここまで繊細だったなんて。異世界からやってきたという意味では、神の舌を持ってきたとも言える。
もちろん、私が最終的に餡と生地の砂糖や量を調整して、どら焼き全体のバランスも考えた。
大人のどら焼きというコンセプトだって、私が考えている。
それでも、エマの声が大きかったわけであって……。
「優秀な人材が増えるって、最高だね」
顧客の接客を任せられるノエルさんがいて、商品開発部部長のエマがいて、一応、店のことは何でもできるお父さんがいる。
最初は異世界人の二人と一緒に生活することになったら、もっと負担がかかるものだと思っていたけど、想像以上に楽をさせてもらっていた。
ノエルさんとエマが頑張ってくれている影響も多いが、きっとそれだけではない。
今までの経営のやり方にも問題があったんだろう。
物価が上がり続け、コンビニまでライバル店になり始めた昨今、手作り販売で菓子店を営むのは難しい。
老舗の菓子店やデパ地下の有名店が閉店する話も耳に入るし、どの店も企業努力を重ねて、生き残ろうと必死だった。
うちの店も同じ状況ではあるものの……いろいろと苦労しているのは、今に限ったことではない。
父子家庭ということもあり、小さい頃から親子で苦労を積み重ねている。
私が経営や経理を掛け持ちしたり、お父さんが店内の清掃や仕入れの管理をしたり、家事も二人で分担したりして、毎日忙しく過ごしていた。
だから、ノエルさんとエマが負担を減らしてくれて、本当に助かっている。
二人が手伝ってくれるおかげで、おいしい商品を真心を込めて手作りして、笑顔で商品を販売できる環境が整えられたのは、とても良いことだと思った。
「自慢の家族が二人も増えたな」
お父さんも新商品だけでなく、現在の環境に満足しているみたいだ。
このまま良い連鎖が続いていけば、もっとノエルさんとエマにも日本を楽しんでもらえるかもしれない。
みんなで幸せに暮らせる日が、すぐそこまでやってきる。
思わず、お風呂上がりに台所にやってきたエマとノエルさんに、キンキンに冷えた牛乳を出してあげた。
「こっちの世界の飲み物は味が豊かだし、いつも冷えていていいわね」
「ぷはぁ~。ポカポカになった体に染みわたる」
まだ日本で生活を始めて二日目なのに、本当に二人は馴染むのが早い。
ちゃんと髪の毛もドライヤーで乾かしているため、お風呂の入り方も覚えたみたいだ。
私もどことなく二人の姿を見慣れたのか、家にいるのが当たり前のような感覚で過ごしている。
「どら焼き♪ どら焼き♪」
食に走ってばかりのエマだが、決して勝手に食べようとしているわけではない。お風呂上がりに和菓子を一つだけ食べることを許可している。
ちゃんと分別をわきまえて行動できる子なので、安心して一緒に暮らせていた。
そして、ノエルさんのこともなんとなくわかり始めている。
私と感性が似ている点が多いと思い、今日はお風呂で愛用している桜のバスボムをノエルさんに勧めてみたのだ。
彼女の癒された顔を見れば、気に入ってくれたんだなーと察する。
「胡桃ちゃん。今日のお風呂、とってもよかったわ」
「楽しんでいただけて何よりです」
「あれが桜という花の香りなのね。実際に咲いているところが見てみたいけど、難しいのよね?」
「今は季節外れなので難しいんですけど、桜が咲く頃にいろいろとお出かけできるといいですね」
異世界人の二人が楽しめることは、きっといっぱいある。
食事や生活だけではなく、観光や日本の旅行などもさせてあげたかった。
そのためにも、商売繁盛が必須である。
本来であれば、今後の方針や予定を経営担当の私がパパッと決めてしまうのだが、今回は話し合いたい相手がいた。
「じゃあ、お父さんとエマは解散で。ノエルさんは、菓子店の繁盛計画の話をしよう」
製菓専門学校を卒業してからというもの、機械音痴のお父さんの代わりに、ホームページの管理やネット広告だけでなく、確定申告まで私がやっている。
ハッキリ言って、お父さんが異世界で勇者活動している間に、実質の経営者は私に変わっていた。
なお、本人も『じゃあ、任せた』と言わんばかりに立ち去り、お風呂に行くくらいなので、問題はない。
エマも漫画の続きが気になるみたいで、私の部屋へと向かっていった。
一方、ノエルさんは違う。日本で過ごすために稼がないといけないと理解しているため、真剣な表情を浮かべている。
とりあえず、二人で台所の椅子に腰を下ろして、繁盛計画を伝えることにした。
「新商品を出すにあたり、お客さんにその存在を知ってもらう必要があるので、ポスターや画像を作って宣伝したいんですよね」
「ポスターは……店内に貼られている紙のことよね」
「それもそうなんですけど、他の店に貼らせてもらったり、情報雑誌やホームページに載せたりと、いろいろな形があります」
「なるほどね。文明が発展した影響で宣伝の方法がいくつもあるのね」
パソコンを使った編集作業もあるが、いくらノエルさんでも使いこなすのは難しいだろう。
そんな裏方の作業は私に任せて、お願いしたいことがある。
「いつもポスターを作る際、お菓子や店内の風景を載せる程度に済ませるんですけど、今回はノエルさんとエマの写真を使って、お客さんを引き寄せようと考えています」
「写真? というのは、何かしら」
「ああー、写真はですね、とても正確なイラストみたいなもので……」
説明するより見てもらった方が早いと思い、スマホを持ってきて、ノエルさんをパシャッと撮ってみる。
その画像を本人に見せたところ、とても驚いていた。
「すごいのね。想像以上に精妙な絵だわ。雑誌に使われていた絵は、こういうことだったのね」
「そうなんですよ。この機能を使って、ノエルさんとエマが和菓子を食べているところを撮影して、店と商品をアピールしようかなって考えています」
他店では絶対に真似できないデカ小豆を使った新商品と、耳を隠した美人エルフのモデルを器用する作戦。
この二段構えで猛プッシュすれば、商売繫盛すること間違いなし!
しかし、モデル採用をノエルさんに伝えたところ、とても恥ずかしそうにしていた。
「だ、大丈夫かしら。エマはともかくとして、私はこの世界で最も年老いた人類に分類されるはずなのだけれど」
「トップランクの美貌を持っているんですから、余裕ですよ。外国人観光客向けにも適していますし、和菓子を食べる異国の美人姉妹とした方が、インパクトが強いんです」
「やだわ、そんな美人姉妹だなんて。私とエマは親子なのに~」
どうやら若く見られるのは、相当嬉しいみたいだ。
顔を赤くしたノエルさんは、頬に手を添えて、盛大に照れている。
「え~、どうしようかしら。もうポーズとか決まってるの? 雑誌を借りて勉強した方がいいかしら」
なお、意外に褒められ慣れていないらしく、ノエルさんはやる気をみなぎらせている。
普通の姿が取りたいだけなのに、ポーズの研究を始めたので、ちょっと言いにくくなってしまった。
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「ボクも何か手伝おうか?」
「ううん、大丈夫だよ。気にしなくても……ん?」
突然、耳元で聞き覚えのある声が聞こえてきたと思ったら、シルフくんが宙にぷかぷかと浮かんでいた。
こっちの世界にも出てこられるんだーと呑気に思っていると、ノエルさんが驚愕の表情を浮かべていることに気づく。
その瞬間、私は改めて思った。
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