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90年後の世界

4,シン達との再開

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私達は1度外に出る

「カイル、冒険者ギルドは何か目立つ物があるの?」

「あぁ。商業ギルドは赤い屋根、冒険者ギルドは青い屋根をしているからすぐそこだ。」

 そういって指したのは斜め前の凄く大きな家だった。

「じゃあ入ってみようよ。」

「……ウキウキだな。入った事無かったか?」

「うん。実技研修の為にシン達を冒険者にさせたけど私は入った事無かったなー。」

「じゃあ入るか。」

カイルがドアを開けてくれて私達は入る。

「何処に行けばいいのかな?」

「受付に行ってシン達がクエストに出ているか確認するんだ。」

「おっけー」

私達は正面の受け付けの人に声をかける。

「すいません。少し良いですか?」

「……」

あれ?何か固まってない?

「?」

「さっきと同じ状況だな……何でだ?」

「さぁ?まぁ、はいっ終わり。」

 私は手をまたパンッっと叩くとハッとする受け付け嬢さん。

「は、はい!どうしましたかっ?!」

「いきなりごめんなさいね。シン達居る?」

「シン達……ってシン様を率いるあの4人パーティーの事ですか?!」

「シン様……って‪w」

「あいつらだいぶ偉くなったんだな~」

 最初はチンピラに絡まれてやられていた子達がそこまで成長したんだね~
  
「し、シン様達パーティーは今ドラゴン狩りをしに朝に出かけて行ったので何時戻るか分かりません。」

「あら?そうなの?」

「ドラゴン狩り……何で急に?クエストにそんなんあったのか?」

「いえ……何でもパーティー勧誘をされた時にイラついたらしく、1人1匹ずつ倒してくるっと朝に出かけて行ったので……」

「そうなの?あの子達がイラつくって……」

 私が言いかけている途中、私達が入って来た入口のドアが勢いよくバンッっと開いた。 

 私達は振り向くと、そこには2つ程成長したシン達が居た。 


「あ、久しぶり~」

「……勢い強くね?」

 そんな言葉をシン達にかけると、シン達はその場に崩れ落ちた。

「え?!大丈夫??」

「ドラゴン狩り……神子になったお前らなら余裕だと思ったんだが……?」

 私達がシン達に駆け寄ると、シン達は涙を流し出した。

「こ、この時をずっとお待ちしてました……」 

「お綺麗になられて……」

「うっうぅ……」

「うわ~ん!」


え?!そんなに?

「もう、泣くのはいいけど邪魔になるからほら立って。」

「「「「かしこまりました。」」」」


 私達は入口から移動し、先程の受け付け嬢さんの所に行く。  

「すいません、騒がしくて。会えたので、ありがとうございました。」

「い、いえ。それは良いのですが……シン様達とのご関係は?」

私はぱちくりとした。

90年経ってるけど今だに続いてるよね?多分。

「主従関係?……今もまだ健在かな?」

私はシン達に聞いた。

「「「「はい!勿論でございます!!」」」」

即答


おぉう……

「ご主人様がお目覚めになられて、今日は皆さんを集めてお祝いですね。」 

「おいおい、俺は?」

「旦那様~旦那様はあくまでもついでなのです!」

「ん……ご主人様が目覚めた事が大事。」

「こうしちゃ居られません!俺モナさん達に伝えて来ます!」

トリスは慌てて出ていった。

「気を付けてねー。」

 チラッと受け付け嬢さんの方を見るとまた固まっていた。


パンッ


「…………えええええええええええええ!!!」

「どうしました?そんな大声を出して。」

「あ、あの、シン様達のご主人様って……?」

「私ですね」

「ええええええええええええええええええええええええ!!!」

凄い驚くなー

「おい、どうした?そんな大声を出して……」

奥から筋肉が凄いおじさんが出てきた。

「こ、この方達が……シン様達のご主人様と旦那様らしいのです。」

「は?冗談か?」

「「「あ"??」」」

「……本当なんだな……」

3人に圧を掛けられ納得するおじさん。

「シン、この方は?」

「今のギルドマスターです。」

「へ~、うちの子達がお世話になっています。迷惑をおかけしませんでしたか?」

「め、迷惑だなんて……数十年前の魔物の大軍が来た時も討伐して下さりました。」

「そうなの?私達が寝てる時に活躍したんだね~。」

私はハルミとネルトの頭を撫でた。

「「えへへ……懐かしいです……」」

「ご褒美に何か作ろうか。何がいい?」

「オムライスが良いです~!!」

「ん……トンカツ!」

「僭越ながら私はハンバーグが良いです。」

おぉう……1食だと凄い豪華な夕食になるね……

「良いけど、また女子メンバーで協力して貰うよ?結構時間かかっちゃうから。」

「「かしこまりました!」」


私はギルマスと受け付け嬢さんの方を向き

「では、今日は帰りますね。久しぶりにうちの子たちにご褒美をあげなければ行けないので。後日、また挨拶にこさせていただきます。」

「あ、はい……」

私達は冒険者ギルドを出た。
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