上 下
69 / 111
アガネスト帝国王立魔法学園

16,殿下忘れられとる‪

しおりを挟む
「奈々葉ちゃん、初めての戦いにしてはいい動きしていたと思うわよ~」

「もうっ……次!お姉ちゃん!」

「私ー?そうね……奈々葉ちゃん。奈々葉ちゃんのお姉ちゃんとして自己紹介するべき?それとも神として?」

 ん~軽い感じか、真面目な感じか……って言われたら迷ったので……

「……どっちも!」

「そう……改めまして、私の名はアフロディナ。愛と美と性を司っているわ。本来なら私に口答えや歯向かいの意思を持った時点で消しているけど、そうすると奈々葉ちゃんのお姉ちゃんとしてはダメだからやらないでおくわ~。今の所奈々葉ちゃんは、私達の末の妹よ。」

それを聞くと、殿下は、物凄い驚いていた。

「アフロディナ……!?あのっ!?」

『あの』って何?

「アフロディナは、数少ない内の恋愛を司っている神のうちの最高神だ。女神の中で一番力が強いけど、滅多に人間に姿を見せず、気に入った者だけ神託をする。なのに、アフロディナを信仰する者がこの国の5分の1と言っても良いほどの多さだ。」

「5分の1!!多いい……お姉ちゃん色んな人に好かれてるんだね。」

「純粋な気持ちだけなら良いのだけれどね~」

Wow………めっちゃ意味深な言い方。

「そのうち、奈々葉ちゃんの宗教はどんな人達が集まるのかしらね~?」

……私も神になるんだった……

「とても、気が早いと思う……」

「まぁ、そこの人間に聞かれていいのはここら辺迄かしら~?」

「結構、話してるよ?」 

「あら?……アルバおじいちゃんに怒られるかしら?」

「……一緒に謝りに行こうね。」

「奈々葉ちゃーーん!」

ガバッと私を抱きしめるお姉ちゃん。

「やーん。やっぱり、人間達の仕事より、こちらに戻ってこない?」

「ダメだよ。私約束しちゃったもん。それにお姉ちゃんが陛下に忠告しに行ったせいで秘密とは?ってなっているのに……」

「だって~……」

「ほら、今はカイルの質問に答える時なんだよ。」

「なんか……色んな意味で凄いな……あ、じゃあ俺が人間を辞めるって言うのは……」

そこにお姉ちゃんが答える。

「貴方達人間は、80年程度しか生きられないでしょ?
 奈々葉ちゃんみたいに人間を辞めてもらわないと、カイル君は一生一緒に居られるけど、奈々葉ちゃんは、私達の仲間入りするんだから一瞬で終わっちゃうのよ。
 だから、カイル君には奈々葉ちゃん同様こちら側になってもらうって向こうで決まったのよ。」

「!?  皆もう知ってるの?!」

「当たり前よ~何処の馬の骨とも知らない奴に、私達の奈々葉ちゃんが誑かすでもしたら、天変地異だもの。

……でも、安心したわ~!私を見ても頬を染める事さえしないのだもの。きっかけはどうあれ、奈々葉ちゃんの性格や仕草でも好きでいてくれるのね♪」


……見た目で、最初好きになった人です。

すみません。



「他に質問ある?」

「そうだな……あ、奈々葉の周りに居る奴らはなんなんだ?今じゃ、たー……シリウスの婚約者まで一緒に居るじゃないか。」

「あ~……まず、モナはお姉ちゃんが作り出した神獣だよ。ほら、モナ。膝においで。」

「かしこまりました。」

 私はチラッと後ろを見て言うと、モナは手のひらサイズの鳥姿になり私の膝の上にちょこんとくつろいでる。

「この姿は前にも見たよね?で、私の妹2人と4人の使用人としている子達は、私が拾った子達かな……人間を辞めるかどうかはあの子達に好きに決めさせるつもり。あの6人はお姉ちゃん達のこと知っているし、紹介もしたもの。」

「絶対、人間辞めるだろ……」

「あはは……で、リア……ルーデリアも最初は、任務道理に近ずいたのだけれど、ルーデリアがルーデリアとして産まれる前に私と同じところに住んでいてさ。」

「ちなみに~奈々葉ちゃんが近ずいたからわずかな神力に当てられて思い出したのだけれどね~♪」

「……え?そうなの?……後で謝っとこう。」

「……よく分からん……え?私の婚約者がここに産まれる前に?奈々葉と同じところ……召喚される前の所で生きていたのか?」

「そういう事。リアは、前の世界で死んでここに生まれ変わったの。」

「それを輪廻転生って言うのよ~」

「な、なるほど……だから、シリウスに聞いた話と全然違かったんだな。」

「当たり前だよ……あとは……リアの事は殿下が居る前に言える事はこのくらいかな?」

「そうね~……他にも無いの?奈々葉ちゃんのバストサイズとか♡」

「!」

 お姉ちゃんのふざけた質問にカイルは、それも行けるのか?!なんて顔をしてる……

 知りたいなら、良いけど……殿下がいる前はちょっと……

「あ、後でなら……」

「いや、良いのかよ!」

「って、質問は?他にも無いのなら放置していた殿下の方へ行くけど……」

「……情報を整理したいから、何かあったらまた質問するけど良いか?」

「うん。」

私は、カイルにニコッと笑う。

カイルとずっと一緒にいられるんだ~♪

「さて、殿下。質問をお答えできる限り致しましょう。」

「……やっとか……まず、父上にアフロディナ様が話したと言うのは?」

「あら~それはね?私達の奈々葉ちゃんを傷付けてもしてみなさい?この国もこの国の周辺も消し炭にしてあげるわ♡って言っておいたのよ~……まぁ、奈々葉ちゃんに後で怒られちゃったけど……」

「当たり前だよ。そんな事のためにお姉ちゃんが陛下に顔を出すこと自体おかしいもん。」

「なら、父上はある程度知っているのか?」

「そうね。」

「2人はどうして私に関わってきたんだ?」

「私は、妹達とこの世界で生きる為には、仕事をしなければいけないのだけれど、そのある仕事で依頼されたのが陛下から第2王子の護衛を歳の近い私達に来たのよ。」

「その以来のおかげでこうやって奈々葉に近ずけたんだけどな?」

「///」

「あーん、もう!奈々葉ちゃんは、可愛いわ~……人間もやめた所だし、そろそろ何を司るのか後で考えましょうね~」

「……だから早いって……」

「……あぁ、勘違いすんなよ。
 シリウスを俺が守りたくないなっと思ったらそもそもこの依頼を受けなかったんだからな。
 これでも、俺は以外とお前を良い友人とも思っていたけどな。
 権力を振りかざす事もしないし、でもバカでもないし。」

「そうか……それを聞いて安心したよ。」

そう言って2人は笑いあった。

男の友情ですか……いいものだね。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」 成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。 「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」 ********************************************        ATTENTION ******************************************** *世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。 *いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。 *R-15は保険です。

3年振りに帰ってきた地元で幼馴染が女の子とエッチしていた

ねんごろ
恋愛
3年ぶりに帰ってきた地元は、何かが違っていた。 俺が変わったのか…… 地元が変わったのか…… 主人公は倒錯した日常を過ごすことになる。 ※他Web小説サイトで連載していた作品です

何を間違った?【完結済】

maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。 彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。 今真実を聞いて⋯⋯。 愚かな私の後悔の話 ※作者の妄想の産物です 他サイトでも投稿しております

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語

瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。 長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH! 途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!

【完結】夫は王太子妃の愛人

紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵家長女であるローゼミリアは、侯爵家を継ぐはずだったのに、女ったらしの幼馴染みの公爵から求婚され、急遽結婚することになった。 しかし、持参金不要、式まで1ヶ月。 これは愛人多数?など訳ありの結婚に違いないと悟る。 案の定、初夜すら屋敷に戻らず、 3ヶ月以上も放置されーー。 そんな時に、驚きの手紙が届いた。 ーー公爵は、王太子妃と毎日ベッドを共にしている、と。 ローゼは、王宮に乗り込むのだがそこで驚きの光景を目撃してしまいーー。 *誤字脱字多数あるかと思います。 *初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ *ゆるふわ設定です

【完結】もうやめましょう。あなたが愛しているのはその人です

堀 和三盆
恋愛
「それじゃあ、ちょっと番に会いに行ってくるから。ええと帰りは……7日後、かな…」  申し訳なさそうに眉を下げながら。  でも、どこかいそいそと浮足立った様子でそう言ってくる夫に対し、 「行ってらっしゃい、気を付けて。番さんによろしくね!」  別にどうってことがないような顔をして。そんな夫を元気に送り出すアナリーズ。  獣人であるアナリーズの夫――ジョイが魂の伴侶とも言える番に出会ってしまった以上、この先もアナリーズと夫婦関係を続けるためには、彼がある程度の時間を番の女性と共に過ごす必要があるのだ。 『別に性的な接触は必要ないし、獣人としての本能を抑えるために、番と二人で一定時間楽しく過ごすだけ』 『だから浮気とは違うし、この先も夫婦としてやっていくためにはどうしても必要なこと』  ――そんな説明を受けてからもうずいぶんと経つ。  だから夫のジョイは一カ月に一度、仕事ついでに番の女性と会うために出かけるのだ……妻であるアナリーズをこの家に残して。  夫であるジョイを愛しているから。  必ず自分の元へと帰ってきて欲しいから。  アナリーズはそれを受け入れて、今日も番の元へと向かう夫を送り出す。  顔には飛び切りの笑顔を張り付けて。  夫の背中を見送る度に、自分の内側がズタズタに引き裂かれていく痛みには気付かぬふりをして――――――。 

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

処理中です...