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アガネスト帝国王立魔法学園
シリウスsibe
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物心ついた時から僕は、退屈だった。
いつもヘコヘコしていて、僕の事を煽てる召使い。
兄は甘やかされて育って、我儘放題。
父と母は、兄のようにならない様にと、何も優しさなどくれない。
昔は誕生日とかに父上や、母上が来ない時は泣かないで我慢して居たら、使用人達に気味悪がられた。
そこから、家庭教師の先生に演技を教えてもらった。
それからは、僕は皆の期待する王子となった。
我儘は言わず、いつも笑顔で優しく気遣いもできて、文武両道を頑張った。
すると皆コロッと態度を変えた。
あぁ、皆僕自身には興味無いんだね。
僕自身では無く、皆の理想とする『王子』がいいのか。
そこからは、僕は本音を出す事が無くなった。
……………………
………………
…………
……
それから数年たち、もうすぐ学園に通わなければならない。
はぁ……めんどくさい
貴族の令嬢からは、香水臭く化粧の濃い子達がハイエナの様に私にたかってくる。
私に婚約者が出来てから、なくなるかと思ったが、そんなの気にしないって様子で近付いてくる。
婚約者も婚約者だ。
はっきり言って、めんどくさい。
香水の匂いは誰よりも臭く、化粧は濃いを通り越してケバい。
髪は縦ロールで上から目線でいつも絡んでくる。
見た目だけじゃなく、中身もめんどくさい。
自分の地位を利用して威張り散らし、わめく。
私に惚れているのか、私に絡んでくるほかの令嬢を取り巻きを連れて虐める。
まぁ、他の令嬢をどうにかしてくれるだけいいか。
そんなある日、何時ものようにほかの令嬢に絡まれている時、ある男の子に声を掛けれた。
「お~待たせたな、シリウス!じゃあ行くぞ。」
……?何だ?
と言うか誰だ?
私の事今呼び捨てに呼んでいたがそんな馴れ合う者は作ってないぞ?
私は、男の子の方を見ると、チラッとハイエナ(令嬢)達を見た。
……なるほど……
「…………あ、遅いぞ。って事でお嬢さん達、用事があるのでこれで失礼します。」
「「「「え~?」」」」
そう言って、私達はその場を離れる。
「いや、助かったよ。五月蝿い羽虫共が離れずに困ってたんだ。」
「いいさ、俺もそういうの見てるだけでイラつくからな。」
「って言うか、君私をタメ口じゃないか。王子と言う事分かってて言ってるんだよね?」
不敬罪で牢屋にぶち込まれるよ?
「分かってるが……俺はそんなめんどくさい事する為にお前を助けたんじゃねぇよ。」
「やっぱり、君も私の地位が目的かい?」
「いーや、悪いが声掛けるまでお前が誰だか分からなかった。正面を見て、王子だと分かったぜ?」
「……そういうことにしておくさ。」
何かあるのか?
こういう奴は何人か見た事あるが、ほんとに言ってる奴と演技で言ってる奴がいるから困る。
「まぁ、お前が誰だろうとお前の地位なんか興味ねぇよ。」
「……なんでだい?例えば好きな女とか地位で寄ってくるだろう。」
「いや、あいつは地位とか全く興味ないんだよなぁ……」
「そんな子が居るのかい?」
それを聞くと、男の子はポリポリと頬をかいて目をそらす。
「あ~……そいつは俺の幼なじみ何だけど、その妹達も強敵なのなんの。使用人も似たようなもんだし……お前は婚約者ぐらい居るんじゃないか?」
話を逸らしたな……
「私の婚約者……は、なんというか、こう、貴族の中の貴族みたいな子でね……はっきり言って傲慢で嫉妬深いと言うか、苦手な子だね……」
「おー……大変だな……」
?
間があったぞ?
……と言うか、この男は何者なんだ?
私と同い年ぐらいに見えるが……
「そうなんだよ……君、名前は?」
「おー……そう言えば言ってなかったな。カイル・ル・ドランテでございます。来週から学園に通う事になりますのでよろしくお願いいたします。」
「……素と全然違うね……まぁ、いいか。これからよろしく頼むよ。」
ドランテ……あぁ辺境の……
それなら荒っぽいのも納得か……?
いつもヘコヘコしていて、僕の事を煽てる召使い。
兄は甘やかされて育って、我儘放題。
父と母は、兄のようにならない様にと、何も優しさなどくれない。
昔は誕生日とかに父上や、母上が来ない時は泣かないで我慢して居たら、使用人達に気味悪がられた。
そこから、家庭教師の先生に演技を教えてもらった。
それからは、僕は皆の期待する王子となった。
我儘は言わず、いつも笑顔で優しく気遣いもできて、文武両道を頑張った。
すると皆コロッと態度を変えた。
あぁ、皆僕自身には興味無いんだね。
僕自身では無く、皆の理想とする『王子』がいいのか。
そこからは、僕は本音を出す事が無くなった。
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………………
…………
……
それから数年たち、もうすぐ学園に通わなければならない。
はぁ……めんどくさい
貴族の令嬢からは、香水臭く化粧の濃い子達がハイエナの様に私にたかってくる。
私に婚約者が出来てから、なくなるかと思ったが、そんなの気にしないって様子で近付いてくる。
婚約者も婚約者だ。
はっきり言って、めんどくさい。
香水の匂いは誰よりも臭く、化粧は濃いを通り越してケバい。
髪は縦ロールで上から目線でいつも絡んでくる。
見た目だけじゃなく、中身もめんどくさい。
自分の地位を利用して威張り散らし、わめく。
私に惚れているのか、私に絡んでくるほかの令嬢を取り巻きを連れて虐める。
まぁ、他の令嬢をどうにかしてくれるだけいいか。
そんなある日、何時ものようにほかの令嬢に絡まれている時、ある男の子に声を掛けれた。
「お~待たせたな、シリウス!じゃあ行くぞ。」
……?何だ?
と言うか誰だ?
私の事今呼び捨てに呼んでいたがそんな馴れ合う者は作ってないぞ?
私は、男の子の方を見ると、チラッとハイエナ(令嬢)達を見た。
……なるほど……
「…………あ、遅いぞ。って事でお嬢さん達、用事があるのでこれで失礼します。」
「「「「え~?」」」」
そう言って、私達はその場を離れる。
「いや、助かったよ。五月蝿い羽虫共が離れずに困ってたんだ。」
「いいさ、俺もそういうの見てるだけでイラつくからな。」
「って言うか、君私をタメ口じゃないか。王子と言う事分かってて言ってるんだよね?」
不敬罪で牢屋にぶち込まれるよ?
「分かってるが……俺はそんなめんどくさい事する為にお前を助けたんじゃねぇよ。」
「やっぱり、君も私の地位が目的かい?」
「いーや、悪いが声掛けるまでお前が誰だか分からなかった。正面を見て、王子だと分かったぜ?」
「……そういうことにしておくさ。」
何かあるのか?
こういう奴は何人か見た事あるが、ほんとに言ってる奴と演技で言ってる奴がいるから困る。
「まぁ、お前が誰だろうとお前の地位なんか興味ねぇよ。」
「……なんでだい?例えば好きな女とか地位で寄ってくるだろう。」
「いや、あいつは地位とか全く興味ないんだよなぁ……」
「そんな子が居るのかい?」
それを聞くと、男の子はポリポリと頬をかいて目をそらす。
「あ~……そいつは俺の幼なじみ何だけど、その妹達も強敵なのなんの。使用人も似たようなもんだし……お前は婚約者ぐらい居るんじゃないか?」
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「おー……大変だな……」
?
間があったぞ?
……と言うか、この男は何者なんだ?
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「そうなんだよ……君、名前は?」
「おー……そう言えば言ってなかったな。カイル・ル・ドランテでございます。来週から学園に通う事になりますのでよろしくお願いいたします。」
「……素と全然違うね……まぁ、いいか。これからよろしく頼むよ。」
ドランテ……あぁ辺境の……
それなら荒っぽいのも納得か……?
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