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アガネスト帝国王立魔法学園

3,ヒロイン登場

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「では、教室へ行きましょうか。」

「「はい」」

「あぁ」

私達は、案内の通りに教室へ向かう。

「なぁ、ナナ。」

「ん?」

 幼なじみなので、軽口で話さなければならないんだけど、内心バックバクだ。

「妹達は、どうした?」

「あーなんかね、Bクラスになってたんだよね……」

「まじか……あいつら絶望してたんじゃないか?」

「うん……思い過ぎだと思うけど、クラス決めをした人をやっちゃいそうな勢いだったよ……」

「……それ不味くないか?」

「だから、話し合い(意味深)をするって事で我慢してもらった。」

「ほどほどにしとけよ……」

「わかってるって」

 そんな話を演技混じりで話していると、殿下が声を掛けてきた。

「ほんとに幼なじみなんですね……こんな偶然おかしいなって思ったのですが気の所為だったようで安心しました。」

いえ、殿下。あっています。

 ほら、ルーデリアが本当に幼なじみなのか混乱しているよ……

っと言うか、ルーデリアと殿下の間に完全に好意は、ないのかな?

 殿下は、完璧な演技で隠してるけど友人や恋人を見る目では無い……

政治の為の道具かなんかかと思ってない?

 ルーデリアは、ルーデリアで、殿下自体には好意はあるけどゲームの世界なのか、怯えがあるよね……

私が居るから大丈夫なのに……

私とカイルを挟んでの殿下とルーデリア……

 この関係もちょこっと修復しちゃおうかな。

私達が居やすくするために。

 そんなこんなで、1-Aっと書いてある教室に着いた。

 教室に入ると、中はえっと……なんて言えばいいかな?大学の教室みたいな感じ?階段で昇って、机がカーブになっていて5人分つながっている感じ。



一番教室の後ろには、メイドや執事達がいる。

 ……あ、シン達が居る……って事は私達学生の使用人かな?


……ってどの席に座ればいいんだろう?

「私達も好きな席に座りましょうか。」

……って事は……

「では、ルーデリア、窓際の席に座りませんか?」

「はい!」

「じゃあ俺達もその近くに座ろうぜ。」

「そうだね」

 私達は、真ん中位の窓際の席に窓際からルーデリア、私、殿下、カイルの順に座る。

「あれ?私ルーデリアと変わった方がいいのでは?」

「どちらでも大丈夫ですよ」

「そ、そうだよナナ。気にしないで……」

「(ピクっ)」(殿下)

……ルーデリアがいつもと違うことが分かってきたみたいだね……

「あ、あの!」

可愛らしい女の子達3人組が私に話しかける。

「どうかしましたか?」

「あ、あの、お姉様と呼んでもよろしいでしょうか?!」

「……えっと?」

何でかな?え?!……何でかな?

「今朝、ルーデリア嬢が倒れた時に颯爽と助けに入り、抱き上げたその姿はとても凛々しく、美しかったのです……」

「ですから、私達にお姉様と慕わせてください!」

「え~と……私の妹達が隣のクラスに居るから、いいよって言っていたら、好きなように呼んで?
 姉と慕ってくれているあの子達が一番傷付くと思うから……」

「「「分かりましたっ!」」」

「あ、これから同じクラスだろうしよろしくね……」

そう言うと女の子達は、パァァァと嬉しそうに

「「「はい!」」」

っと返事をした。


「おーおー、ナナのたらしがここでもでてきたね~」

「たらしってなによ」

カイルがここでもひとつ入れてくる。

まぁ、さっき怪しまれていたもんねー


ガラララ


ドアの開く音がした。


「おはよう!新入生!」

前を見ると、20代の男の人が居た。

教師かな?

「これからAクラスの担任になるオリオン・レギナだ。」

すると、横でルーデリアがガタガタ震えだした。

……もしかして……

「攻略対象だよ……(ボソッ)」

私は、そっとルーデリアの手を握る。

「私が居る限り、貴方は悪役令嬢にさせないから安心して……(ボソッ)」

するとルーデリアの震えが止まった。

よかった。



「さて、お前達には今から1年間同じクラスなんだ、自己紹介をして貰う!」

わお……私が最も嫌いな事が始まる……

 これをやると何故か笑われ、そこから虐めに何故か繋がる……

「じゃあ、誰にしようかな~っと、じゃあそこのa……」

「すいませーん、遅れました~!」

 そう言って、入ってきたのはピンクブロンドの肩までの髪の可愛い系の女の子だった。

すると一気にルーデリアが震えだした。

(どうしたの?)

(……ヒロイン……)

(察し)

あ~あの子が……

「遅いぞ~どうした?」

「すいません!この学校広くて迷ってしまいました……」

「はぁ~仕方ないな……どこか適当なところに座りなさい。」

 そう先生が言うとヒロインは、迷わずこっちに向かってきた。

え?!何?何?

 ヒロインは、私達の方まできて一瞬ピタって止まった。

あ、私と目が合った。

ん~?なんか一瞬不思議そうな顔をしたな……

その後、すぐにカイルの隣に座った……座った?!

え?!何?

「えへへ……よろしくお願いいたしますね……」

カイルに挨拶している。

「あぁ……」

ズキッ

……?

 
何?今の……?

……あ、とりあえずルーデリアの震えをとめないと……

(大丈夫、私が居る限り命は、守るから。)

(うぅぅぅ……ありがとう……)


「じゃあ、自己紹介してもらうぞー……じゃあそこのちょうど角にいる茶髪の子からそこの金髪の子まで横に行って、1個下がって青髪の子からまた横に……ってやっていこう!じゃあ、お願いする。」

「はい、私は、…………」

「次私ですね……私は、…………」

……………………
………………
…………
……

何人か行って、ヒロインの番が来た。

「えっと……私は、ルナシー・ドルチェです……平民です……皆さんと仲良く出来たら嬉しいなって思います。」

 そう聞こえた瞬間、ふんわり甘い香りが一瞬したがすぐ消えた。

なんだったんだろう?

 不思議に思っていると、モナが心の中で話しかけてきた。

『今の女から、この教室全体に魅了魔法を薄いですが掛けていたので、私達に効かないようにしときました。』

(ホント?!ありがとう……魅了魔法……へ~そんなのがあるんだぁ……)

『ご主人様、ルーデリアさんが怯えていますよ。』

(え?!何で?)

『ご主人様が魅了魔法と聞いて、目の奥が笑っていないのに笑っていたからだと……綺麗な笑顔でしたよ?』

え?!後で謝っておこう。

そして次、カイルの番が来た。

「カイル・ル・ドランテだ。」

そう言ってカイルは、座った。

え?!それだけ?!

「シリウス・ルナ・アガネストです。皆さんと同じ学び舎に入れた事を嬉しう思います。第2王子とか爵位を気にしないで気軽に話しかけてくださいね。どうぞ、よろしくお願いします。」

おー……無難な所言ったね……って次私だ!?

「皆さん初めまして。ナナ・レ・シュレイプです。諸事情により、社交界に出れませんでしたが、この学び舎で皆さんと仲良く出来たら嬉しいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたしますね。」

ふー……緊張した……

「私は、ルーデリア・ネ・グラントスです。」

え?!ルーデリアも??

2人ともどうしたの?!

「俺は………………」

…………………………
……………………
………………
…………
……


「よーし、じゃあ皆これから1年よろしくな!これから1週間の予定表を配る。明日からこの予定で行くからなー」

配られた紙を見ると色々書いてあった。

へ~実技試験があるんだ……

お、魔法・剣の授業……文学は、楽勝っと……

あ~ダンスと音楽……スキルでいけるか……?


 なんて事をもんもんと考えていたら、左端から袖を引っ張られた。

「どうした?(ボソッ)」

「女神様……じゃなくて、ナナちゃん、こことここイベントが始まっちゃう……(ボソッ)」

え~と?実技試験と魔法・剣の授業?

「この後時間ある?(ボソッ)」

「大丈夫……私の事家の者皆嫌ってるから……(ボソッ)」

「あ~悪役令嬢も大変だね。(ボソッ)」


キーンコーンカーンコーン


「よし、じゃあ今日はこれで解散だ。この学校を回るのも良し、寮に帰るのもよしだ。明日からは各クラブからの勧誘があるから今のうちに休んどけよ~」

「「「「「「「「はーい」」」」」」」」


そう言って、オリオン先生は教室を出ていった。

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