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新たなる私

9,変な人は王子でした!

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 私は、モナが隠れたことを確認すると、空間魔法からカツラを出す。

付ける

うん、いつも通り。

 私は、制服を来て、フォークや、ナイフを揃えていく。

「あっれ~雑草!今回も美味しそうなの作ってんじゃん~。しかもお米まであるし……ナイッスー!」

「ははっ、お礼言うとか、偉すぎ。こんなのやって当たり前でしょ~雑草は、戦闘で役に立てないんだから。こんなのが同じ勇者って、一緒にされたくないわ(笑」

「それな~」

「ご、ごめんなさい。」

ほっ。危なかった。バレちゃうとこだった。モナの事。

そこからぞろぞろと、皆が入ってくる。

「皆!僕達は、好きにもうしていいんだから、早く暖かいうちに食べちゃおうか!」

「「「「「「「「さんせーい!」」」」」」」」

「も~勇志くんたら~、めっちゃいい案それ~」

「はは、ありがとう。」

「「「「「「「いただきまーす」」」」」」」

 皆が食べ始める。

「い、ただきます。」

もぐもぐ ……       うん、美味しい。
昼間食べたやつ以上に美味しい。

 脂が乗っていて、タレがあっさりしていてしつこくなくて美味しい。

私のスキルスゴすぎ…

「おぉっ!ウッマ!!ご飯も久々って感じる……」

「ははっ、それな」

「お肉美味し~」

「スープも濃厚!」

「「「「「「「「「美味し~」」」」」」」」」

 嬉しいな。そういう風に言って貰えて。

私も早く食べよう。

もぐもぐ…… うん、美味しい


 私は、スキルに感動しながら食べていると何やら入口付近が騒がしくなってきた。

「な?!何故我らが来る前に先に食事をしているのだ!」

 王様だった。そりゃー怒るわな……まぁ、ここからは見えないから、どうなっているのかは、分からんけどね。

 するとユウシがその答えを言う。

「宰相さんから聞いてませんか?」 

「ぬ?あ、あれか!先程宰相から聞いた。いや、あれは無効だ!我らが居ない時にそんなもの勝手にやられてもダメだ!!」

「ですが、宰相は、自分から契約書を書いて渡してきたのだから、無効と言っても無理ですよ。」

「ちっ!往生際が悪い。まぁ、それは、食べ終わってからにしよう。おい、我らの分を……」

そう言って王様は、近くのメイドさんに言う。

 私達が気にせずに食事をしていると、またもや王様が騒ぎ出す。

「何故勇者様方と違う料理なんだ?!」

あ~……これはめんどくさい事になりそうな予感。

その問にもユウシが答える。

「契約内容ちゃんと見ましたか?聞きましたか?僕達は、この世界の料理があまり美味しく感じないんです。なので僕らの中から料理をして皆に振舞ってくれてるんです。」

「な!?では、我らにも同じものを!」

「あ~……それは、聞いてみないと分かりませんね。如月さん!後3人分同じの出せる?」

え?なんで私に降ってくんの?え?え?

「ム、ムリだよ……魔力ほとんどなくなっちゃったから、今回復中だし……とにかくまた、使うのなんて、ムリ……」

「何で料理するのに魔力使うんだい?」

「材料を、魔力で出してるから……この世界に日本と、同じもの少ないんだよ。だから、全部私が用意したんだよ。」

まぁ、半分嘘。

 全然魔力半分以上余ってまーす。魔力無くなっても、回復すぐ出来なくもありませーん。

 何かで読んだんだけど、嘘をつく時には、少し本当のことを混ぜるといいんだって!

「なるほど……そういう事ですのでムリですね。」

「な、我の命令に逆らう気か?」

「そもそも、その気なら僕達この世界救わなくても別に良いんですよ?はっきり言って。だけど、助けを求めるから仕方なくって感じなのに……ねえ?皆!」

「「「「「「「「(コクコク)」」」」」」」」

 まぁ、私は、自分の幸せに邪魔になるなら……だけどね。

「キサラギ……」(ボソッ)

ん?何か背筋がゾワワッって寒くなったよ?

 私は、クラスメイトの隙間から王様達の方へ覗くと、さっきの変な男の子が居た。

え?あいつ何か偉そうなやつだな~とか思ってたけど、え?あいつ王子だったのかよ……

 あっ!やば!目会っちゃった……あ、向こうめっちゃ笑ってる。

うわ……本気で今夜逃げよう。うん。そうしよう。

 と言うか何故気付いた?やっぱり喋り方?しかも前髪あるのに何で目が合った?怖っ。

 私は、改めて決意する。絶対にこの国から出ると。

「くっ、仕方ない……まぁ、取り敢えずは、この話明日にさせて頂こう。」

「分かりました。」


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