聖女の妹のせいで婚約者に婚約破棄されました。え?妹が聖女じゃなかった?もう一度やり直したい?知りませんよ、私はもう愛しの旦那様が居るのでw

チレム

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妹よ〜詰めが甘いよ〜

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カタラカタラカタラカタラ

 久しぶりの馬車は私とルイ、騎士風にしてる3人の男が居た。

 いざという時のために、私は絶対にルイとの手を離さない……いや、手汗が酷くなりそうだったら、離すな……腕を組めばいっか。

「それで?私達の事何処まで調べたのかしら?」

 私は前の喋り方で、舐められないようにするけど……服装やメイクが全然違うからどうしたものか……。

「度々城下町に遊びに出ている所しか、分かりません。ルーナリア様の魔法なのですか?」

「……」

私は無言をつく。

は?

ふざけんな?

私はルイにもらったミラって言う名前があるんです~

「無言は肯定とみていいのでしょうか?」

「貴方達はまだ1度も自分の名前や所属を言わないのに、なんで私たちが答えなければいけないのかしら?あ、わかった。そこまでのマナーさえも分からない程のバカという事ね。」

私は『ふっ』と笑う。

「ミラ、格好が言い方と合ってないぞ……」

「……だって、着替えさせてくれなかったんだもん。」

「着替えてくれば?」

「いいですか!?……あ、でもメイクがナチュラルしか、できない……」

Oh nooo..

メイクの勉強をしておけばよかった……


「あ~……じゃあ、そのままでいいか?」

「…………頑張ります……」

チラッと男達の方を見ると、ポカンとしていた。

「やはり、本当にルーナリア様なんですね……その変わりようを説明していただきたいものです……」

「……」

こいつら学ばないのかな?

あれ?

あれれれれれれれれ?ƪ(~ε~“)ʃ

「ミラ、この後どうするんだ?」

「そんなの決まっているじゃないですか。勿論、ルイとくっついていますよ?もし、離れなければいけなくなったら、ルイを影の中に居てもらいますから。」

「……あ~……ちゃんと終わったら出してくれよ?」

「勿論ですっ!」

 私達がそんな事を話していると男達は男達で話し出した。

「リーダー……俺泣いていいですかね?」

「……これが全貴族の敵と言われるほど、パーティー等で数々の貴族を泣かせ恥をかかせた悪女なんですかね……」

「さっきの言い方聞いていたろ……俺も分からないが、命令に従うまでだ。」

「「了解しました……」」

 なんなの?

王太子殿下の周りでこの人達見た事ないんだけど……

……でも、命令をちゃんと聞いて、騎士と言うより騎士風の人達……

 きちんとした命令なら書状とかあるはずだけど無いということは、王様や王族の直々な命令じゃない……という事は王太子の単独行動……

影?

 王太子につけられた内密の護衛や情報収集を行うもの達……

あ~

何となく分かってきたかも……

するとガタンと言って馬車は止まった。

 「着いたようです。」

 馬車から降りて、王城のあまり人が通らない裏道から客室に通される。

 中に入れられると、王太子とリリアがソファでお茶をしていた。

「る、ルイアン様!」

「あ"?」

 リリアがついっと言った様子でルイを見た瞬間に名前を呼んだ。

「お知り合いですか?」

私は、そんな訳は無いと信じながらも念の為聞く。

「いや?俺の名前を知っているのは家族とミラだけだ。」

「そ、そうですか……」

という事はルイは攻略対象の確率が高くなった。

「リリア?何故、この男の名前を知っているんだ?」

「へ?あ、あ、そうだ!聖女の力ですっ!聖女の力でルイアンと言う名前を知ったんです!」

は?

何言ってるの?

嘘を言うにももうちょっとましな嘘をつきなさいよ。


 はぁ……やだやだ。悪女の振りをしたら考え方までちょっと変わるから嫌なのよね……

「ふんっ。ミラっと言ったか……お前はルーナリアだろう……?」

王太子殿下は私の姿や顔を見て驚いた。

「な、お前、メイクしない方が良かったんじゃないか?」

「うるさいですねぇ……王太子殿下の好みに何で私が合わせないといけないんですの?全ての人間が自分の思った通りに動くと思いですか?あ、それとも私がまだ殿下を好いてると勘違いをしてるんですか?自意識過剰にも程がありません?私にそういう趣味はございませんので。」

 遠回しに『うるさい、何で私が好きでもないあんたに合わせなきゃいけないの?自意識過剰乙‪w気持ち悪い人。』と伝える。

「なっ!この淫乱女が!直ぐにまた他の男に乗り移ってしりを降っているんだろう?」

「あ"?」

おっと……ルイが反応しだした。

はぁ……怒ったような低い声も脳に響いて素敵……

でも……

「別になんと思われてもいいですよ?もう貴方様には関わらないですし。」

私は組んでいる腕をこっそりさする。

するとルイがぎゅうっと握り返してきた。


あぁ!可愛い!!

え?え?

こんな可愛い人おる?

いや居る!ここに居る!私の旦那だーーー!!!


「ちょっと!!王太子殿下の前よ!!いつまでルイアン様と腕組んでるのよ!離しなさいよ。」

リリアが私達に何か言ってるけど気にしない。

いや、逆に煽ってみるか……

「ふっ。そう言えば仕事柄知っちゃったんだけど……リリア、あなた私に『聖女で~』とか『聖女だから~』とかなんとか言ってたけど、力使えないんだって?
 あ~姉として恥ずかしいわ……聖女だからなんとか言って私を追い出した迄は私も貴方も良かったのだけど……詰めが甘過ぎないかしら?
 そこの残念王太子と婚約者の地位勝ち取ったんですからそれさえも出来なかったのかしら?
 あぁ……こんなのが妹なんて……」

『恥ずかしい』

私は最後まで言わずに伝える。

 カッ!と赤くなるリリアに残念王太子と言われて、凄い睨んでくる王太子。

「うるさいうるさいうるさいうるさい!!こんな奴、私からしたらどうだっていいのよ!私の推しはルイアン様なのに!!なんで貴方は奴隷になってないのよ!奴隷になって変態貴族に殺されるはずだったのに……!!」

 へ~……私のエピローグの後はそういう終わり方なんだ……あ、だからさらわれてたのかな?

え?

じゃあ、ルイが助けてくれなかったら……


ひっ!

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